東京都多摩市 クロスガーデンデンタルクリニック

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医院通信

2024年9月

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こんにちは、院長の藤原です。朝起きるとまずテレビをつけ、大谷の数字が増えていないか確認する毎日になってしまっています。盗塁はベッツの気持ち次第で十分達成可能な数字のようですが、ホームランがどうなるか。片方だけでもとんでもない数字なのに両方とは! すごいですよね。

スプリントスピード」という指標があります。選手が2塁打3塁打などの時の一生懸命走った速度を計測したもので、昨季2023年のトップはレッズのデラクルーズとロイヤルズのウィットで時速33.5kmでした。エンゼルスの大谷はというと、30.5kmでなんとリーグ222位(583人中)。リアル二刀流を始めた21年は31.6km(58位)、22年は30.9km(148位)だったので、実は年々スプリントスピードが低下している中でのドジャース移籍だったということになります。投手兼業なので無理して走ってケガでもしたら大変、また体力も温存したい、ということで少し躊躇していたのかもしれません。ただ今年は打者一本。そういえば、シーズン前ドジャースタジアムでの自主トレやキャンプで、体にワイヤをつけ負荷抵抗を感じながら走るトレーニングをしている映像がよく流れていましたっけ。モニターを見ながら何度も何度もダッシュしていました。今から思えばスプリントスピードを上げるためのトレーニングだったのでしょう。そして今年はこれまでの平均が31.8km(22位)と成果が現れています。

ただスプリントスピードが上がったからといって盗塁数が増えるわけではありません。盗塁が成功するためには、投手の癖の把握やスタートのタイミング、そしてスライディングの技術など様々な要素が絡んできます。大リーグでは、投手が投球動作を始めてから捕手のミットにボールが届き、捕手が二塁へ送球して野手が捕るまでの平均時間が3.3秒とされています。走者は3.2秒以下で二塁ベースにたどり着けばセーフになる確率が高くなるということになります。

おそらく来季は再び二刀流に戻るので本塁打数・盗塁数ともに減ることになるでしょう。手術をしたおかげで出現した記録なんですが、これも球史に残る大記録になりそうです。
 
 

2024年8月

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こんにちは、院長の藤原です。先月から始まったパリオリンピックは様々なドラマを生み閉幕しました。寝不足の方、早起きになった方などいらっしゃることと思います。メディアでも取り上げられていましたが、この大会はサステナビリティ(持続可能性)に力を入れたことが特徴とされ、カーボンフットプリント(大会に関連して排出される二酸化炭素などの温室効果ガス量)を50%にするというゴールを掲げ、環境に配慮したさまざまな取り組みが行われました。

まず「史上初の使い捨てプラスチックを使わない大会」にするということで、マラソン競技などの給水所では使い捨てではなくリサイクル可能なカップを利用。競技場で観戦する場合もペットボトルの持ち込みは原則禁止で、マイボトルを持参しなくてはなりません。開会式で使った85隻の船も既存のもの。トイレのない船もあったとか。

また、7月の平均最高気温が例年では26度のパリでは「環境に配慮した暑さ対策」が徹底されました。アスリートや大会関係者が寝泊まりする選手村では、壁に断熱材を使い電気を使ったエアコンではなく地下水やセーヌ川の冷たい水を床下に流して冷却する床暖房ならぬ床冷房システムを導入。室温を外気より6~10度下げることができるとしていました。

ところが7月末にも30度を超える真夏日が続くという予想外の暑さ。選手のパフォーマンスを考えた日本をはじめとする多くの国はあらかじめ独自にエアコンを持ち込んでいましたので難を逃れたようです。長時間移動のシャトルバスにも空調設備がなかったようですがこちらは我慢するしかなかったか。地球温暖化による猛暑下での競技実施にいろいろ多くの課題を残しました。

フランスというと「エビアン」や「コントレックス」などミネラルウォーター発祥の地であり世界的なミネラルウォーター企業のある国というイメージがあるのですが、今回は「脱ペットボトル」ということですのでこれらの会社は協賛企業には入らなかったんだろうなあ…と推測しています。




 

2024年7月

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こんにちは、院長の藤原です。梅雨明け前だというのに連日全国各地で40度に迫る暑さが続いています。今年の4月、気候変動適応法に基づく「熱中症特別警戒アラート」が新たに創設されました。「熱中症警戒アラート」の一段上の位置づけで、過去に例のない危険な暑さが予測され人の健康に係る重大な被害が生じるおそれがある時に発令されます。そして危険な暑さから避難するための場所として、市町村長は一般に解放される「クーリングシェルター」を指定できることになりました。ご自宅のそばのシェルターはどこか、調べておきましょう。クロスガーデン近辺では、隣の中央図書館やパルテノン多摩の2Fロビーと4Fライブラリーラウンジでした。

さて将棋界はたいへんなことになっています。先月20日に第9期叡王戦五番勝負第5局が山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われ、伊藤匠七段が最終局藤井叡王に勝ち3勝2敗で叡王を奪取したのです。藤井八冠からタイトルを奪うには5番勝負で3勝、7番勝負で4勝しなければならないのですが、勝率8割超えの藤井8冠に勝ち越すのはとてもじゃないが無理というのが将棋界の共通認識。棋士の実力のピークは20代半ばから後半と言われていますのでまだまだ強くなる。7~8年は8冠のままなんだろうなあとぼんやり思っていた矢先の出来事でした。

この二人、小学3年生の時の全国大会準決勝で対戦し伊藤少年に負けた藤井少年が号泣した、という有名なエピソードがあります。その後の将棋人生は同学年ながら先に奨励会に入った藤井の後を伊藤が追いかける形に。昨年ついに竜王戦の挑戦者となるも0勝4敗で敗れ、その後棋王戦の挑戦者にもなりましたが結果は0勝3敗(1持将棋)と1勝をあげることもできませんでした。叡王戦1局目も藤井の勝ちで通算対戦成績0勝11敗(1持将棋)。2020年のプロ入り以来飛びぬけた成績を残してきた伊藤でも藤井の壁を壊すことはできないのか、と将棋界の厳しさを改めて噛みしめていたのですが… 叡王戦第2局の初勝利で吹っ切れたのか。

3日に3種類の新たな紙幣の発行が始まりました。紙幣のデザインが変わるのは2004年以来、20年ぶり。これまでは新紙幣が発行されるとタイガースがリーグ優勝するという流れでしたが、今回は逆でした。実はどのお札にも表裏2個づつ小さな「NIPPONGINKO」の文字がどこかにあるんですが… みなさん見つけられましたか?


 

2024年6月

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こんにちは、院長の藤原です。今月6日「東京ディズニーシー」8番目の新テーマポート「ファンタジースプリングス」がオープンしました。この「魔法の泉が導くディズニーファンタジーの世界」はディズニー映画『アナと雪の女王』『塔の上のラプンツェル』『ピーター・パン』を題材とした3つのエリアで構成されているそうです。行く予定もないのにワクワクしてしまうのはなぜでしょう。

そろそろジメジメして体調を崩しやすい季節になりました。この時期は食べ物が傷みやすいので、みなさん食材を買ってきたら速やかに冷蔵庫に入れ、料理をする際は手を丁寧に洗うといった対策をとっていられることと思います。さらに殺菌作用や抗菌作用のある薬味を使用するというのも一つの手でしょう。「暑くなると食欲が落ちる…」という方にも薬味が力を発揮します。

例えば生姜の香りに含まれている「シネオール」という成分は食欲増進の効果が。辛み成分の「ジンゲロン」には抗菌作用。ワサビや辛子、大根のすりおろしに含まれる「アリルイソチオシアネート」には、殺菌作用や抗酸化作用、血流改善作用。生ニンニクに含まれる「アリイン」を刻んだり潰したときにできる香り成分「アリシン」には抗菌・殺菌効果に加え、疲労回復の効果が。唐辛子に含まれるご存じ「カプサイシン」には、食欲増進や血流改善の効果。海苔に含まれる「タウリン」は肝機能を高める効果。大葉に含まれる成分の「ぺリルアルデヒド」は強い殺菌効果や防腐効果。などなど、薬味には元来、薬としての作用があったようです。

カップラーメンの乾燥ネギや調味料などが入った小袋に「かやく」と書いてあることがあります。かやくは漢字で書くと「加薬」。やはり「薬(くすり)」という字があてられます。薬味と同じですね。風邪のひき始めやじん麻疹に用いられる「香蘇散(コウソサン)」という漢方薬には「生姜(ショウキョウ)」やシソの葉の「蘇葉(ソヨウ)」といった生薬が含まれています。
 
 
 
 

2024年5月

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こんにちは、院長の藤原です。ゴールデンウイークは気候も良かったので家族で帰省したり旅行に行かれた方も多いことと思います。ただこの円安ですので海外はちょっぴりハードルが高かったでしょうか。

さて、今月コンビニ大手のセブンイレブン日本1号店が開店50周年を迎えました。セブンイレブンのルーツは、1927年アメリカ テキサス州ダラスにあった「サウスランド・アイス社」という氷屋です。食料品の保存に使う氷を売っていた店が、客の要望に応えてミルクや卵、パンや缶詰などを試しに商品として取り扱いをしたのが始まり。1946年、朝7時から夜11時までの営業時間にちなんで店名を「7-ELEVEN」と変更しました。

そして1974年5月に、日本第1号の「セブン-イレブン」(東京都江東区豊洲)がオープン。(最初に売れたものはサングラスだったそうです。)酒屋「山本茂商店」の店主が初のフランチャイズに応募し出店となりました。当時、経営危機に陥っていた酒屋や米屋を初めとして雑貨店や食料品店など個人商店とのフランチャイズ契約をすることで徐々に店舗数を拡大し、1979年には日本のコンビニ業界トップの座に君臨するまでに成長します。

2007年3月には世界の店舗数を32,208とし、チェーンストア最大手だったマクドナルドを抜き世界一となりました。日本でも2012年8月末時点で14,562店舗となり日本最大の店舗数に。さらに2018年1月末に国内小売業で初めて20,000店舗を達成しています。(コンビニ全体では約58,000店舗。コンビニより多いと言われる歯科医院数は約68,000。)

そうそうセブンイレブンの看板のロゴマーク「SEVEN-ELEVEn」は最後の「n」が小文字なのをご存じでしょうか。『「最後が小文字の丸みを帯びたロゴは角張ってなく親しみが湧く」と社長の奥さんから助言があった』とか『「単なるアルファベットの羅列」は当時の米国「商標登録基準」では受付不可であったため文法上の間違いとなる最後を「n」にすることでデザインとして登録した』という説もありますが、実は古くてわかっていないようです。

「セブンイレブンで買い物をした時、会計¥711 ピッタリだと何か景品がもらえる!」との噂が昔からあります。が、これはどうも都市伝説のようで…




 

2024年4月

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こんにちは。院長の藤原です。先月後半の気候のおかげで今月お花見をした方も多いことと思います。少しづつ開花しているため見ごろが長い間続いています。桜の花びらの舞う入学式を経験できたお子さんはいい思い出になったことでしょう。

今月は、新年度のスタート、入学や就職、異動の時期です。また季節の変わり目でもあり、冬物のコートやニット、ダウンジャケットなどをクリーニングに出します。クリーニング店の繁忙期は、やはり今の時期、3月後半から4月、ゴールデンウィークにかけてだそうです。この洗濯業、なんと古代エジプトや古代ローマ時代には存在していたと言われています。日本では、まだ洗剤らしい洗剤がなかった時代、灰汁(あく)や米のとぎ汁を使って汚れを落としていました。食生活が現代とは異なり油汚れがなかったため、その方法で充分汚れが落ちていたようです。室町時代になると、染め物屋が洗濯業を副業として兼ねるようになりましたが、この時代はまだ水を使って洗っていました。

さて、衣服を水以外のもので洗うドライクリーニングはいつ頃から始まったのでしょうか。諸説ありますが「こぼしたランプの油でテーブルクロスの汚れが偶然、落ちたことから、ドライクリーニングの手法が発見された」19世紀のフランスという説が有力です。そして、1855年のパリ万国博覧会でドライクリーニングの技術が紹介され、世界へ広まっていきました。この技術が日本に伝わってきたのは明治時代以降。クリーニング店「白洋舍」の創設者・五十嵐健治(いがらしけんじ)さんがドライクリーニングの研究を重ね、業界のパイオニアとなります。高度経済成長期になると、洗濯機や仕上げをする機械が開発され、クリーニングの需要はいっそう高まっていきました。スピードも技術も格段に向上することとなります。

ネットを見ていたらランドセルのクリーニングをしてくれる業者が何軒かありました。どこの業者も基本料金は一万数千円ですが、ビフォーアフターの写真ではかなりきれいに仕上がっています。私が小学生の頃は自分で油を塗って手入れをしていたような気がしますが、あれはグローブだったか…



 

2024年3月

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こんにちは、院長の藤原です。桜の開花予想が報道各局で出るようになると「♪そろそろ春ですね…」という気分になりますが、能登半島の春はまだまだ遠そうです。政府は「北陸応援割」と名付けた観光復興支援を始めましたが、有名な石川県七尾市の「和倉温泉」は依然として断水状態で営業不能が続いているようです。

さて、東京都は最近2日連続で「はしか」の感染者が確認されたと発表し、感染者が訪れていた「空港名」「新幹線の列車名」「ファミレスの店舗名」などを明らかにしました。京都でも感染者が確認されています。「はしか」は医学的正式名称を「麻疹」と言い、麻疹ウイルスによる急性熱性発疹性感染症です。もともと中国由来の呼称で、発疹が麻の実のようにみえることから名付けられたそうです。

ワクチンの普及により日本における「はしか」は年々少なくなり2015年には根絶されましたが、コロナによるワクチン接種の減少や海外での流行によりまた国内での感染リスクが高まってきました。

「はしか」の語源については諸説ありますが、一説では「芒(はしか、のぎ)」が由来といわれています。芒は稲や麦などのイネ科植物の穂先にある尖った硬い毛。これに触れてチクチクと痛痒いことが「はしかい」。麻疹に感染すると喉や皮膚がチクチク・ヒリヒリした感覚となり、それが穂先でこすった感じと似ていることから「はしか」といわれるようになった、と。

はしかは人から人へ感染し、接触感染や飛沫感染だけでなくなんと空気感染もするので、感染した人が咳やくしゃみをすると同じ空間にいただけでうつる可能性があります。インフルエンザの約10倍の感染力があり、潜伏期間が10~12日と長く、最初は咳や鼻水などの風邪のような症状が2、3日続きその後に39度を超える熱が出て全身に発疹がでます。特効薬はなく解熱剤や咳止めなどの対症療法で回復を待つしかありません。重症化すると脳炎を引き起こし1000人に1人の割合で死に至るケースもあります。

予防するにはワクチンを接種するしかありませんが、私が子供の頃はワクチンなどなくほぼ全員が「はしか」にかかっていました。そして人生で誰もが一度経験することを「はしかみたいなもの」と言い、「誰もが一度は若い時期に経験するもの」の比喩表現として使われていました。「恋ははしかみたいなもの」のように。




 

2024年2月

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こんにちは、院長の藤原です。暦の上では立春ですがまだまだ寒い日が多く、春は遠く感じます。能登半島珠洲市に5軒あった歯科診療所は倒壊などにより診療できない状態でしたが、今月「道の駅すずなり」に日本歯科医師会の災害派遣チーム(JDAT)による臨時の歯科診療所が設けられました。災害時の生活では口腔内の環境がとんでもなく悪化します。チームの活躍を願っています。

さて、この時期スーパーに買い物に行くと店頭にイチゴが並んでいるのを目にします。イチゴはカロリーが少ないわりに、美肌・美白に効果があり免疫力を高め抗酸化作用のある「ビタミンC」や、腸内環境を整えデトックス効果のある「ペクチン」、ポリフェノールの1種で抗がん作用がある「エラグ酸」、むくみを解消する「カリウム」など身体にいい成分が多く含まれているおすすめの食べ物です。

イチゴについては意外なことがいくつかあります。まずイチゴは果物だとばかり思っていたのですが農林水産省の分類では何と野菜に分類されるそうです(消費者・生産者・学者の立場によって分類の仕方が異なるようですが)。また、イチゴは植物学上の分類ではバラ科の多年生植物とされていますが、バラのイメージじゃないですよね。さくらんぼ・桃・梨・りんごもバラ科だとか。最近は12月後半から5月頃まで店頭に並ぶようになりましたが、本来の育て方である露地栽培(ハウスなどの施設を使わず屋外の畑で栽培する方法)では春先から梅雨入り前あたりに旬を迎えるようで、俳句では夏の季語となっています。

そしていつも果実だと思って食べているイチゴの赤く甘い部分は、茎の先端につく花の中央にあるめしべの土台となる部分(「花托(かたく)」または「花床(かしょう)」と呼ばれる)が大きくなったもの。つまり茎の付け根の部分なんだそうです。イチゴの実際の果実はいちごの表面にあるつぶつぶで、種はこの中に入っているんですって! 「種じゃなくて実なんだ…」じっと見つめてしまいました。





 

2024年1月

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あけましておめでとうございます、院長の藤原です。元旦に行われたタイとのサッカー親善試合が終わりしばらくすると大きな横揺れが襲ってきたのでビックリした方も多かったことと思います。また福島の方かなとテレビを見ると「能登半島で震度7の地震発生、津波に注意」とかなり大きな声。平和なはずのお正月を襲った能登半島の地震は北陸地方に甚大な被害をもたらしました。

行方不明者の捜索は依然続いていますが、助かった避難者はどうしても劣悪な衛生環境を強いられることになります。災害関連死を発生させないようにしなければなりません。慣れない避難生活では、ストレスから抵抗力が弱まり、虫歯や歯周病が悪化したり、口内の汚れが原因で肺炎を発症したりするリスクが高まります。阪神淡路大震災や東日本大震災の経験から災害時の口腔ケアが非常に重要だということがわかっていますので、日本歯科医師会も歯科支援チームを編成し避難所などに対する歯科保健医療活動をすでに開始しています。支援物資も各県に発送されました。ただ、能登半島は大きな幹線道路が少なく交通インフラが大きな被害を受けているため、最も被害の大きい地区にはいまだ支援が行き届かないというのが現状です。インフラが整備されれば近隣の県に要請している歯科診療車が多く駆け付け、口腔ケアや治療を行うことができるようになるでしょう。今後外部支援が必要になった場合に備えて各都道府県の歯科医師会でも派遣体制を整えているところです。まだ安否不明の方が数十人、避難者が二万人以上いる能登地方の復興が急がれますが、復興復旧不能の地区もあるとのことで、移住を含めこれから先問題は山積みです。

2日には羽田空港で日航機が着陸直後に海上保安庁機と衝突し炎上する事故が発生しました。年が改まった途端に災害事故が立て続けに起きたことで、ネット上では「元号を変えた方がいいのでは」などという意見も…
 



 

2023年12月

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こんにちは、院長の藤原です。コロナが下火になったと思っていたら、あっという間に一年が過ぎてしまいました。例年と少し異なる多摩センター駅前のイルミネーションは今年も絶好の映えスポット。先月リリースされたビートルズの新曲は年末のこの景色の雰囲気にピッタシです。

恒例の独断と偏見で一年を振り返ります。駒大の箱根駅伝総合優勝・大学駅伝三冠達成で幕を開けた1月はジェフ・ベックさん、高橋幸宏さん、鮎川誠さんとミュージシャンの訃報が続きました。2月、闇バイト強盗の指示役「ルフィ」らを逮捕。バート・バカラックさんの訃報。3月、岸田首相がウクライナを電撃訪問。WBCで侍ジャパンが14年ぶり3度目の優勝。坂本龍一さんの訃報。4月、日銀総裁に植田和男氏就任。5月、新型コロナが「5類」へ移行。6月、ガーシー前参院議員を逮捕。ロシアで民間軍事会社ワグネルの反乱。LGBT理解増進法成立。歌舞伎俳優の市川猿之助容疑者を自殺ほう助容疑で逮捕。7月、ビッグモーターの保険金不正請求発覚。井上尚弥が4階級制覇達成。8月、日大アメフト部員が違法薬物所持で逮捕。夏の甲子園で慶応高校が107年ぶり優勝。東電福島第一原発処理水の海洋放出開始。ハワイのマウイ島で山火事。プリゴジン氏搭乗のジェット機墜落。9月、ガソリン価格が過去最高に。ジャニーズ事務所が性加害を認め謝罪。10月、消費税のインボイス制度開始。ハマスとイスラエルの争い勃発。大谷翔平選手が米大リーグで本塁打王に。将棋の藤井聡太竜王名人が史上初の八冠独占。ラグビーW杯で南アフリカが4度目の世界一に。谷村新司さん、もんたよしのりさんの訃報。11月、各地でクマ被害。阪神タイガースが38年ぶり日本一。神戸が初のJ1王者に。大橋純子さん、池田大作氏の訃報。12月、大谷翔平選手がドジャースへ移籍。パー券キックバック問題で自民党に激震。日大アメフト部廃部決定。篠竹監督が泣いています。

犯罪とミュージシャンの訃報が相次いだ一年でしたが、藤井聡太八冠誕生と大谷翔平選手ホームラン王という歴史に残る明るいニュースもありました。来年はもっとゆっくり時が進んでくれるようお願いしたいと思います(誰に?)。それでは皆様よいお年をお迎えください。





 

2023年11月

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こんにちは、院長の藤原です。日中はTシャツでもいいくらいの陽気が続いたと思ったら、急にダウンが欲しいような寒さが襲ってきました。夏物と冬物がごっちゃになっています。秋はどこへ行ってしまったのでしょうか。突然の大雪に見舞われた中国地方ではスタッドレスタイヤの装着が間に合わず大混乱。

さて、トラキチのみなさん、おめでとうございます! 関西はハロウィンどころではなかったようですが、私のクリニックでもある日の夕方「今日は応急処置で結構です」「次回ゆっくり治療してください」という患者さんが続いたため、どうしたのか何かあるのかと尋ねたところ日本シリーズ第七戦が始まってしまうので早く帰りたいとのことでした。約20年周期のリーグ優勝、約40年周期の日本一が今年やってきたということで相当盛り上がっているようです。私のまわりにもトラキチの友人が何人かいるのですが、総じて皆我慢強い。じっと耐えることに慣れてしまっている方が多いようです(個人の感想です)。

38年前の1985年日本一になった時の開幕オーダーは、(右)真弓(中)弘田(一)バース(三)掛布(二)岡田(左)佐野(遊)平田(捕)木戸(投)池田。監督吉田義男、ピッチャーはゲイル、福間、野村、山内、山本、中西、仲田…。野手では和田、長崎、吉竹…。そして川藤幸三。個性のあるいい選手がそろっていました。時は流れ2008年岡田監督の5年目、オールスター前に貯金28、巨人に11.5ゲーム差をつけてマジックが点灯するが終盤失速し優勝を逃してしまう。さらに2010年真弓監督の2年目、残り9試合でマジック8が点灯するも中日に逆転優勝されてしまう。ちょうど日刊スポーツの「Vやねん!タイガース」という雑誌が発売され朝日放送の「阪神優勝してまう!?」と冠した番組が放送された直後に失速してしまったことから阪神ファンの中では「優勝」を口に出すのはタブーに。そしてこの頃オリックスの監督だった岡田監督がセ・パ交流戦の優勝を「アレ」と表現しました。

阪神ファンは全国に1千万人前後いると言われていますが、阪神ファンが球場に応援に行くのは「観戦」ではなく「参戦」なんだそうです。




 

2023年10月

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こんにちは、院長の藤原です。やっと猛暑が鳴りを潜め、さわやかな朝を迎えられるようになってきました。ティーグラウンドで風を読みながら狙いを定めている自分を想像し、「そんな時代もあったねと…」とつぶやきながら多摩センターに向かいます。

さて、将棋の歴史に刻まれる出来事が2023年10月11日に起こりました。藤井聡太七冠が永瀬王座との王座戦を3勝1敗で制し、8つあるタイトルすべてを手中に納めてしまったのです。5年前には8つのタイトルを8人で仲良く(?)分け合っていましたが、2020年7月に17歳11か月で棋聖を獲得するやあれよあれよという間に次々と他のタイトルを獲得、そして防衛を重ね、ついに21歳2か月で独り占め。

タイトル独り占めの歴史は1957年に升田幸三が当時三つあったタイトル「名人」「九段(のちの竜王)」「王将」をすべて手にしたのが始まり。59年には大山康晴がこの三つを奪取。さらに60年タイトルへ昇格した「王位」を獲得し四冠独占。そして63年創設された「棋聖」戦を制し五冠独占。

その後、75年に「棋王」が加わりタイトルは6つに。78年当時最強と言われていた中原誠(十六世名人)が五冠を保持し残る棋王の挑戦者となるも、加藤一二三棋王(ひふみん)に0-3のストレート負けを喫してしまい独占ならず。その後中原誠に独占のチャンスは訪れませんでした。

83年に「王座」が増えタイトルは7つに。タイトル挑戦者にもなれずに引退していく棋士がほとんどという将棋界でこれだけ多くのタイトルを独占するなどということは不可能だろうと誰もが思っていた95年、羽生善治が六冠を手にし最後の王将の挑戦者になるのですが、この年震災を経験した神戸出身の谷川浩司王将に敗れてしまいます。翌年六冠すべて防衛しさらにもう一度王将の挑戦者になるなどということはありえないはずでしたが、なんと羽生善治はやってのけました。96年2月14日ストレート勝ちでリベンジを果たし25歳4か月でついに七冠達成です。ただこの後、棋王・名人を防衛するも棋聖を三浦弘行に奪われ六冠となり、さらに竜王を谷川浩司に奪われ五冠となり…その後独占のチャンスは訪れていません。

そして2018年に「叡王」が加わりタイトルは8つに。独占はさらに難しくなったはずでしたが…




 

2023年9月

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こんにちは、院長の藤原です。気温が30度くらいだと「少し秋めいてきたなあ」などと感じてしまうほど感覚が麻痺しています。このまま毎年毎年暑くなっていくと10年後20年後にはどうなってしまうんだろうと他人事ながら心配になってきます。40度があたりまえになる日が来るのでしょうか。

WBCで盛り上がった余韻は、水泳、陸上ときて、先月末から始まったバスケットW杯へ。前回のW杯では5戦全敗。東京オリンピックでも3連敗。八村が出ないんじゃあまり期待できないかなと思って観ていたら、フィンランド、ベネズエラという格上の2チームに驚異的な粘りをみせて逆転勝ち。カボベルデにも勝ちアジアで成績一位となり、来年パリで行われるオリンピックの出場を決めてしまいました。私はオリンピックよりW杯の方が格上というイメージを持っていたのですが、バスケットはオリンピックに出場できる12チームのうち7チームがW杯の成績で決まり(アメリカ大陸とヨーロッパからは2か国づつ、アフリカ・アジア・オセアニアから1か国づつ)、開催国フランスのほか残りの4チームは来年7月に行われる世界最終予選で決まるんだそうです。

そして次は待ちに待ったラグビーW杯。4年前、予選で何とロシア・アイルランド・サモア・スコットランドにすべて勝利しベスト8入りを果たし、日本中が歓喜に沸きました(もう4年も経ってます…)。ついに日本にラグビーブームがやってくると思いきや、直後にコロナの流行がありしぼんでしまいました。今回もう一度日本にあの時の興奮をもたらすことができるのでしょうか。

八冠をめざす藤井聡太七冠が挑戦している王座戦第1局は後手番の永瀬拓矢王座の勝利となりました。藤井七冠が先手番で負けるのは非常に珍しいことです。今年度も先手番ではこれまで12勝1敗(勝率.923)でした。後手番では今年度8勝4敗(勝率.667)。後手番の勝率もすごいんですけど先手番の勝率はプロの間でもあきれられています。

あとはアレですか?



 

2023年8月

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こんにちは、院長の藤原です。台風の影響で九州・沖縄は大変なことになっています。河川が氾濫し床上浸水となっている地域も多く復興に時間がかかりそうです。また、飛行機・船は欠航が相次ぎ帰れなくなった旅行者が続出。久々の動ける夏休みとなりましたが、これから出かける方は台風の動きとにらめっこしながらプラン立て直しでしょうか。

さて先月25日、ボクシングのうれしいニュースが飛び込んできました。昨年バンタム級の4団体統一王座となった井上尚弥(大橋)がスティーブン・フルトン(米国)に8回TKO勝ちし、スーパーバンタム級2団体の王者に。これで、ライトフライ、スーパーフライ、バンタム、スーパーバンタムの4階級制覇達成(フライ級のタイトルには挑戦していない)です。スーパーバンタム残りの2タイトルはフィリピンのマーロン・タパレスが持っていますが、はたして年内のタイトル戦は実現するのか、興味津々です。これほど観ていて負ける気がしないボクシングは久しぶり。大谷翔平、藤井聡太に井上尚弥も加えましょう!

大谷は現在ア・リーグトップの40本塁打、2位のルイス・ロベルトとは10本差で、ホームラン王がうっすら見えてきました。日本人が大リーグでホームラン王になるなんてありえないと思い生きてきましたが、現実となってしまうのか。

羽生善治より強い棋士は現れない現れるはずがないと思い生きてきましたが、藤井聡太というとんでもない棋士が現れました。王座戦挑戦者決定トーナメントでは準決勝で羽生九段、決勝で豊島将之九段を倒し、ついに挑戦者に名乗りをあげました。今月31日から始まる「軍曹」永瀬拓矢王座との五番勝負。3勝すれば将棋界のタイトル8つを独り占めすることになります。早ければ来月27日の名古屋。ただ永瀬王座はただ者ではありません。実家は川崎市川崎区榎町にある「川崎家」という家系のラーメン屋。「将棋は才能ではなく努力」と公言する努力家。後手番だけでなく先手番でも千日手を厭わないという変態的な(!)棋風。




 

2023年7月

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こんにちは、院長の藤原です。梅雨の最中というのにとんでもなく暑い日があります。うだるような暑さの屋外と冷房の効いた室内との出入りで、体調を崩しそう。気を付けましょう。この暑さを吹き飛ばしてくれているのは、投打とも絶好調でオールスター戦を迎える大谷翔平選手と、八冠制覇に向かって爆進中の藤井聡太七冠の戦いです。

藤井七冠、残る一冠の王座戦はあと一勝で挑戦者となるところまで来ました。豊島将之九段との決勝戦で勝利すれば、9月10月に永瀬拓矢王座との五番勝負です。勝てば八冠。ただその前に棋聖戦と王位戦の防衛戦が立ちはだかります。それぞれ防衛しなければ王座戦で勝っても八冠制覇とはなりません。この棋聖戦は先月から、王位戦は今月始まっています。挑戦者は両棋戦とも佐々木大地七段(ささきだいち28)が勝ち上がってきました。棋聖戦決勝は永瀬王座に、王位戦決勝は羽生善治九段に勝利しての挑戦権獲得です。棋聖戦は五番勝負、王位戦は七番勝負ですので、最大十二番勝負の戦い。注目です。

佐々木大地七段は師匠の「藤井キラー」「地球防衛軍」深浦康市九段と同じ長崎県出身。奨励会三段からフリークラスを経てC級2組に編入したという珍しい経歴の持ち主です。名人挑戦リーグの順位戦ではまだC級2組のままくすぶっていますが、他の棋戦で好成績を残し七段に。7割を超える勝率で様々な棋戦で活躍している佐々木七段ですがどうしてC級2組を抜け出せないのでしょう。将棋ファンの間では「七不思議」の一つと言われています。

佐々木姓の棋士は他にもいます。まず、藤井聡太新四段の30連勝を阻止した佐々木勇気八段(ささきゆうき28)。B級1組から今期A級に昇級しました。あと佐々木慎七段(ささきまこと43)。振り飛車のオールラウンダーです。名前の方が似ている棋士は中村太地八段(なかむらたいち35)と高見泰地七段(たかみたいち30)。中村八段も今期からA級で過去に王座を一期獲得。高見七段は現在B級2組所属で叡王を一期獲得しています。





 

2023年6月

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こんにちは、院長の藤原です。4月5日から始まった将棋名人戦は今月初めの第5局で決着がつき、藤井聡太六冠が渡辺明名人からタイトルを奪取し七冠達成という大変なことになりました。羽生善治九段が1996年に「25歳4か月」で七冠独占を成し遂げて以来史上二人目の快挙です。また藤井六冠は現在「20歳10か月」ですので、谷川浩司十七世名人が持つ「名人」獲得の最年少記録「21歳2か月」を40年ぶりに更新することになりました。一方の渡辺名人は名人戦4連覇はならず、19年前に「竜王」を獲得して以降何らかのタイトルを保持し続けていましたが、ついに無冠…

谷川十七世名人
はB級2組所属の現役棋士。「〇世名人」という「永世名人」の称号は名人位を5期以上保持した者に与えられる名誉資格で、原則として現役を引退した後に名乗ることができます(羽生九段は引退後十九世名人を名乗る予定)が、谷川十七世名人は特例で現役中に名乗ることが許されています。この谷川十七世名人、当時はひふみん以来二人目となる中学生プロ棋士でした。プロになってから5期目でのA級昇級~優勝~名人挑戦は藤井六冠とまったく同じ。そして当時名人だったひふみんを破り、中原誠十六世名人の持っていた「24歳7か月」の最年少記録を大幅に更新しました。タイトル獲得での会見で「1年間、名人位を預からせていただきます」と語ったのは有名。今回も「中原十六世名人からお預かりした最年少名人の記録を、無事、藤井新名人にお渡しできた」と語られていますが、とんでもない! 謙虚さもほどほどにしてほしい! 谷川十七世名人が4月生まれで藤井六冠が7月生まれ、4月から始まる名人戦の決着が6月ごろになるため最年少記録更新となりますが、「タメ」じゃないですか!

藤井新名人が名人奪取の翌日名人の肩書で初めて色紙に書いた(揮毫した)言葉は「温故知新」でした。あれ? 「雲外蒼天」や「千思万考」などいつもは難しい言葉が多いのにどうしたのでしょう。実はこの「温故知新」、谷川十七世名人が最年少で名人を獲得した時に色紙に書いた言葉です。



 

2023年5月

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こんにちは、院長の藤原です。4年ぶりとなる「行動制限のないゴールデンウィーク」で、やっとコロナ前の風景が戻ってきました。8日からは新型コロナウィルスの感染法上の位置づけが2類相当から5類相当に変更され、「法律に基づき行政が様々な要請・関与をしていく仕組み」から「個人の選択を尊重し、国民の皆様の自主的な取組をベースとしたもの」に変更されることになりました。が、歯医者は仕事柄「マスク」「手洗い」「消毒」が日常なのであまり変化はありません。

さて、みなさんは昨年11月にリリースされた話題のChatGPTをお使いになっていますか。米国のベンチャー企業OpenAI社が開発した人工知能(AI)を使ったチャットサービス。GPTは「Generative Pre-trained Transformer」の略で、Web上の大量のデータをもとに学習する文章生成言語モデルのことだそうです。Microsoft社は早くからこのベンチャーに目を付け巨額の投資を行ってきました。MicrosoftのブラウザEdgeの検索エンジンBingはすでに最新のGPTを搭載しているとのことですので、今まで検索エンジンでは一人勝ちでビッグデータを簡単に集めることのできたGoogle社はかなりの脅威と危機感を感じていることでしょう。GoogleのBardはどこまでChatGPTに迫ることができるのか。

これまではキーワードを入力して情報のあるサイトを出力するというGoogle検索が主流で、いかにうまいキーワードを見つけることができるかが技でしたが、ChatGPTでは会話のように聞けば関連するサイトの中身をまとめて整理して教えてくれますので、相手の答える側のシチュエーションをいかに設定して聞くかが技となります。ネットにはいい加減なサイトも多数あり誤った情報が氾濫していますので、それらをまとめて答えてくれるChatGPTも内容は信頼できるものではありませんが、使いようによってはかなり有用な道具となるでしょう。数年後には「ググる」ことがなくなるかもしれません。

私はブラウザはGoogleのChrome派で、どうしても必要な場合のみしかEdgeを使いませんので、拡張機能の「ChatGPT for Google」をインストールして使っています。従来のGoogle検索をすると右側に勝手にChatGPTも答えてくれます。これからChatGPTを使ってみようかなという方にはおすすめです。




 
 

2023年4月

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こんにちは、院長の藤原です。WBCの興奮冷めやらぬ中で4月を迎えました。先月の侍ジャパン優勝の日からテレビでトラウトの三振を100回は観たような気がします。侍ジャパンの選手たちは開幕した日米プロ野球でも勢いを落とさずプレーしているようで、スポーツニュースは連日各選手の活躍を報道しています。半年前の話題はサッカー一色でしたが現在は野球の話題が半分以上を占めているのではないでしょうか。「鷺沼」は忘れられてしまうのか。

将棋の方は藤井聡太六冠の勢いが止まりません。先月のA級順位戦プレーオフで広瀬章人九段を破り渡辺明名人への挑戦権を獲得しました。今月いよいよ名人戦七番勝負が始まります。20歳の藤井六冠は今回のタイトル戦を制すると、谷川浩司十七世名人が持つ名人獲得の最年少記録「21歳2か月」を40年ぶりに更新することになります。また、羽生善治九段が25歳の時に獲得した「七冠」を、最年少で達成する可能性があります。

そして藤井六冠は今月叡王のタイトル戦も控えています。こちらは叡王を持っている藤井六冠が挑戦者の菅井竜也九段を迎え撃つわけですが、昨年度のA級順位戦では苦い黒星を喫しています。菅井九段は現在の将棋界では少数派となってしまった「振り飛車」を得意とする棋士。これまでのタイトル戦はすべて「居飛車」の戦いでしたので、藤井六冠にとって「振り飛車」相手のタイトル戦は初体験。同月に「居飛車」のタイトル戦と「振り飛車」のタイトル戦があって大丈夫なんでしょうか。AIを使った事前研究がとんでもなく進んだ現代の将棋界において、それぞれ「先手番」「後手番」のパターンを深く掘り下げて研究しておかなくてはなかなか勝利に結びつけることはできません。気が遠くなってきます。

自身が持っている六つのタイトルすべて防衛し、名人戦で四勝し、シードでベスト16から出場する王座戦トーナメントで四連勝し挑戦権を獲得し永瀬王座との五番勝負で三勝すると、夢の「八冠獲得」となるんですが… さらに気が遠くなってきました。




 

2023年3月

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こんにちは、院長の藤原です。今月はコロナの影響で2年延期されていた第5回野球世界大会「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)」がついに開催されますが、侍ジャパンにメジャーリーグの日系選手が加わるということで注目されています。ラーズ・テイラー=タツジ・ヌートバー選手。侍ジャパンのチームメイトからは「たっちゃん」と呼ばれ『たっちゃんTシャツ』や『ペッパーグラインダー』も話題になりました。

オリンピックの出場資格はオリンピック憲章などでかなり厳しく規定されていますが、WBCの出場資格には「親のどちらかが、その国の国籍を持っている」「親のどちらかが、その国で生まれている」というものもあり、ラグビーほどではありませんがけっこうゆるい。ヌートバー選手は母親が日本人なので今回日本代表として出場できることになりました。前回大会米国の初優勝に貢献し大会MVPに輝いたマーカス・ストローマン投手はニューヨーク生まれですが、母親がプエルトリコ人ということでなんと今回はプエルトリコ代表として出場します。韓国代表もヌートバーと同じカージナルスでプレーするトミー・エドマン内野手を招集。母親が韓国生まれの韓国系米国人です。このトミー・エドマン選手、奥さんの父親が日本人というおまけつき。また中国代表には昨年までソフトバンクでプレーし現在社会人野球の日立製作所に所属する真砂勇介(まさごゆうすけ)外野手が選ばれています。父親が中国人です。中国代表にはエンゼルスマイナーのアラン・カーター投手も選ばれました。シンガポール出身で母親が中国人。チェコ代表には母親がチェコ生まれの元メジャーリーガー、エリック・ソガード内野手が招集されています。エンゼルス大谷翔平の同僚で親友として知られるデビッド・フレッチャー内野手は母親がイタリア出身で、弟でダイヤモンドバックス所属のドミニク・フレッチャーと共にイタリア代表に選出されました。  

イタリア代表の監督はドジャースで野茂英雄とバッテリーを組んでいたあのマイク・ピアザ氏。父親の祖父がイタリア移民のイタリア系アメリカ人です。2006年に行われたWBC第1回大会ではイタリア代表としてプレーしました。




 

2023年2月

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こんにちは、院長の藤原です。6日トルコ南東部のシリア国境付近でマグニチュード7.8の地震が発生しました。その後余震も多く発生し犠牲者は5万人を超えるのではないかと予測されています。被災地では懸命の救助活動が続いていますが、メディアでは時間の経過とともに活動が厳しさを増している様子が連日伝えられています。多くの人が救出されることを祈りましょう。

今月は囲碁将棋の話題が盛りだくさん。囲碁では、2019年に10歳でプロ入りした仲邑菫(なかむらすみれ)さんはいつの間にか中学生で三段になっていましたが、女流棋聖戦で上野愛咲美(あさみ)女流棋聖(21)から女流棋聖を奪取。13歳11カ月の史上最年少で初タイトルを獲得しました。また昨年9月に9歳4か月の史上最年少でプロになった藤田怜央初段が9歳9か月で公式戦初勝利をあげ、仲邑菫三段が持つ10歳4か月の最年少勝利記録を7か月更新しています。

将棋はいつの間にかタイトル通算11期となっている藤井聡太5冠にあの羽生善治九段が挑戦している王将戦7番勝負が大盛り上がり! 現在2勝2敗のタイです。4局とも語り継がれそうな名手が出現する名局で藤井ファンも羽生ファンもたまりません。25日・26日に行われる第5局が待ち遠しいです。藤井五冠は棋王戦の挑戦者になっていて、王将戦の一週間前に渡辺明棋王との五番勝負第2局が控えています。こちらは現在藤井五冠の1勝。その間に豊島将之九段との朝日杯将棋オープン戦の準決勝戦もあり、大丈夫なのかと心配してしまいますが、おそらく本人は楽しくて仕方がないのでしょう。そして、アマチュアの小山怜央さん(29)がプロ棋士編入試験に合格し念願のプロ入りを決めました。編入試験制度発足以来3人目となりますが、棋士の養成機関である「奨励会」を経験していないプロ棋士が誕生するのは戦後初めての快挙です。

そしてそして、昨年12月のプロデビュー以降無傷の6連勝中だった期待の新人藤本渚四段(17)が、7戦目の対局場を間違え不戦敗となる珍事がありました。




 

2023年1月

歯型
あけましておめでとうございます。院長の藤原です。本年もどうぞよろしくお願いします。元日恒例の「ニューイヤー駅伝」は、昨年初優勝したホンダが2大会連続2回目の優勝を果たしました。GMOの3区はあの大迫傑選手。現役復帰後初めてとなる駅伝で11人抜きの快走です。まだ引退は早いですよね。「箱根駅伝」は、19年ぶり4回目の往路優勝を果たした駒大が復路も制し2年ぶり8回目の総合優勝。史上5校目となる「出雲」「全日本」「箱根」の大学駅伝3冠達成です。

過去には、1991年5区奈良が区間賞の大東文化大学、2001年6区宮井が区間新記録の順天堂大学、2011年1区大迫が独走した早稲田大学、2017年青山学院大学が成し遂げました。駒大は1999年と2014年に王手をかけていますがいずれも「箱根」で敗れています。一昨年の2021年はコロナで「出雲」がなかったため「全日本」「箱根」を制したものの2冠止まりでした。

「出雲駅伝」は正式名称「出雲全日本大学選抜駅伝競走」、スポーツの日に開催されます。島根県出雲大社前から出雲ドームまでの6区間45.1km。全国に8つある地区学連から1校づつと前年度大会の上位チームが所属する地区学連から12校の計20校(1学連最大10校まで)で争われます。学連によっては複数校からの選抜チームもあったりします。

「全日本大学駅伝」は正式名称「秩父宮賜杯 全日本大学駅伝対校選手権大会」、11月の第一日曜日に開催されます。名古屋の熱田神宮から三重の伊勢神宮までの8区間106.8km。8地区学連から1校づつと前年度大会の上位8校と9位~17位の大学の所属する地区学連から9校、この25校に日本学連選抜チームと東海学連選抜チームを加えた計27校(1学連最大15校まで)で争われます。

さて、駅伝の興奮が冷めた後は、藤井聡太王将に羽生善治九段が挑戦する王将戦七番勝負でまた興奮でしょうか。世代の違うこの二人のタイトル戦は無理かと言われていましたが…、実現しました!





 

2022年12月

照射器
こんにちは、院長の藤原です。朝晩はめっきり冷え込んできました。多くのにわかファンを産んだサッカーワールドカップでしたが日本は惜しくも敗退してしまいました。さっそく来年3月のワールドベースボールクラシックに気持ちを切り替えている方も多いのではないでしょうか。それとも9月のラグビーワールドカップですか?

さて、今年もいろいろなことがありました。恒例の独断と偏見で簡単に1年を振り返ってみると…
1月、コロナ第六波の感染者数増加で政府は34都道府県に「まん延防止等重点措置」適用。2月、北京冬季五輪開幕。藤井聡太10代初のタイトル五冠獲得。ロシア軍によるウクライナ侵攻開始。3月、ゼレンスキー大統領が日本の国会でオンライン演説。4月、知床半島沖で観光船が沈没。ロッテの佐々木朗希投手が28年ぶりの完全試合達成。5月、韓国で尹錫悦(ユンソギョル、ユンソクヨル)新大統領が就任。渡辺裕之さんと上島竜兵さんの訃報。6月、知床観光船事故の沈没船を陸揚げ。円が急落、1ドル=135円台に。7月、安倍元首相が選挙応援演説中に銃撃され死亡。スケート羽生結弦選手が引退、プロ転向。8月、第2次岸田内閣が発足したが、旧統一教会問題が浮上。東京オリ・パラを巡る汚職事件で組織委員会元理事とAOKI元会長が収賄贈賄で逮捕。9月、KADOKAWA会長も逮捕。西九州新幹線開業。エリザベス女王崩御。安倍元首相の国葬儀。セ・リーグはヤクルトが連覇。10月、パ・リーグはオリックスが最終戦で逆転V。日本シリーズでも逆転勝利し26年ぶり日本一に。ヤクルト村上が史上最年少三冠王。ソウルの梨泰院(イテウォン)でハロウィーン人出による圧死事故。アントニオ猪木さんと仲本工事さんの訃報。11月、サッカーワールドカップで日本がドイツに歴史的勝利。12月、スペインにも歴史的勝利したがクロアチアにPK戦で敗れる。メッシ率いるアルゼンチンがフランスとの激闘を制し36年ぶり3回目の優勝。

コロナ・ウクライナ・旧統一教会の一年でしたが、日本漢字能力検定協会が発表する「今年の漢字」は『戦』でした。『戦』が選ばれるのはアメリカ同時多発テロ事件が発生した2001年以来2度目だそうです。それでは皆様良い年をお迎えください。





 

2022年11月

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こんにちは、院長の藤原です。オリックス・バファローズが先月30日に開催された日本シリーズ第7戦で東京ヤクルトスワローズに勝利しついに日本一。見事に昨年の雪辱を果たしました。今年も日本シリーズがこの両チームの対戦になると予想した野球評論家は果たしていたのでしょうか。2年前まで最下位だったチームが2年連続リーグ優勝です。野球はやはり監督なんだなあと再認識しました。オリックス中嶋、ヤクルト高津の両監督、野球の知識もさることながら野球以外の知識が豊富なことで有名ですが、グラウンドではセオリー通り確率の高い戦術を冷静に選択し采配をふるっていました。現在のチームの主力が2軍監督時代に見てきた選手なので特徴や性格などは百も承知。適材適所で起用できる強みがあったという点も共通しています。

オリックス・バファローズ、私が子供の頃は阪急電鉄が親会社の「阪急ブレーブス」という名前でした。監督は西本幸雄、投手陣は梶本・米田・石井・足立、打つ方は長池・住友・スペンサー。山田・福本・加藤らをドラフトで獲得しリーグ優勝はするのですが、セリーグは巨人のV9絶頂期。日本一には手が届きませんでした。その後、昭和の終わりにオリックスへ譲渡され球団名は「オリックス・ブレーブス」に。平成に入り本拠地をグリーンスタジアム神戸に移し球団名は「オリックス・ブルーウェーブ」に改称。イチローや現監督の中嶋が在籍していたのがこの頃です。そして平成16年に大阪近鉄バファローズと球団合併し「オリックス・バファローズ」となり現在に至っています。

さて、今月はいよいよサッカーワールドカップの開幕。23日(水・祝)の初戦ドイツ戦は現地時間午後4時キックオフ。カタールより時差で6時間早い日本では午後10時からということになります。第二戦のコスタリカ戦は現地27日(日)午後1時キックオフなので、日本では夕食時午後7時から。ただ、12月1日(木)のスペイン戦は現地午後10時キックオフなので、日本では翌12月2日の午前4時からになってしまいます。前2戦で何か間違いが起こると金曜の朝早く起きなくてはなりませんが…、起きれそうです。






 

2022年10月

DMV
こんにちは、院長の藤原です。10月に入り、日中汗ばむ日が続いたと思ったら急に肌寒くなったりと寒暖差の激しい日々が続いています。北海道では先日10月では観測史上初めて30℃以上の真夏日になった日がありました。東京は上旬に最高気温が14℃に届かない日があり、これは88年前の1934年以来だそうです。

さて今月14日は「鉄道の日」。1872年(明治5年)10月14日、新橋駅(後の汐留貨物駅、現:廃止)~横浜駅(現:根岸線桜木町駅)を結んだ日本初の鉄道が開業しました。開業50周年の1921年(大正10年)10月14日に東京駅の丸の内北口に鉄道博物館が開館したことを記念して、翌年日本国有鉄道がこの日を「鉄道記念日」と制定。JR発足後の1994年(平成6年)から「鉄道の日」と改称され、JRグループ以外の民間鉄道の記念日にもなっています。1994年の第1回「鉄道の日」には、当時102歳のきんさん・ぎんさんが一日東京駅長を務めました。毎年多彩なイベントが全国各地で実施されていますが、今年は切りのいい150周年ということで特に盛り上がっているようです。何と「鉄道開業150 周年記念貨幣」も発行されています。直径4cmの千円銀貨幣で販売価格は消費税・送料込みで12,300円。造幣局オンラインショップで購入することができます(70000個限定)。

かつて徳島県に「阿佐東線(あさとうせん)」という超が付く赤字路線がありましたが、デュアル・モード・ビークル(Dual Mode Vehicle, DMV)を導入することにより現在観光と地域両者を活性化することに成功しています。DMVとは、列車が走るための線路と自動車が走るための道路の双方を走行できるよう「鉄道車両として改造されたバス車両」のことで、利用の少ない路線のコストを削減する目的で開発されてきました。列車で走る「阿佐東線」の両端からバスになり道路を走っていきます。土日祝には一日一本室戸岬まで行くものもありますので、徳島方面に旅行計画のある方は観光候補にいかがでしょうか。




 

2022年9月

DoubleRainbow
こんにちは、院長の藤原です。東京のコロナは7月14日に実効再生産数がピークに達しその後徐々に減少、いつものパターンだと感染者数は一か月後のお盆の頃にピークアウトのはずでしたが少し遅れたのは、「3年ぶりの行動制限のないお盆休み」だったせいでしょうか。

さて、今月25日は「SDGsの日(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」とされています。これは2015年9月に行われた国連サミットにおいて、17の国際目標が記載された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が25日に採択されたことによります。そして25日を含む約1週間、SDGsへの意識を高め行動を起こすきっかけづくりのためのイベントが毎年世界各地で開催されますが、日本でも昨年に引き続き「ハッピーアースフェスタ」というイベントが沖縄などで予定されています。

最近リサイクルと似た「アップサイクル」というワードを耳にする機会が多くなりました。「本来捨てられる製品にデザインやアイディアなどの新たな価値を与えてアップグレードすること」で、廃棄された衣料からエコバッグを作るなどアイディア次第で個人でも取り組めるのが「アップサイクル」の魅力の一つでしょう。今、そんな「アップサイクル」の活動で大きな注目を浴びている日本人アーティストがいるのをご存じでしょうか。長坂まごさんという方で、彼の作るアート作品は何とアフリカのガーナの首都アクラ近郊にあるスラム街「アグボグブロシー(別名世界最大級の電子機器の墓場)」に不法投棄された“ゴミ”を使っているんです。作品は一千万円以上の値がつくようになりましたが、その利益をガーナに還元し現地の人々の生活の質を向上させています。先進国の人が出したスマホやパソコンなどの電子廃棄物を使ったアートを先進国の人が購入することで、ガーナに無償の小学校の建設や電子廃棄物美術館の設立が実現しました。

長坂まごさんは1984年生まれの38歳。現在社会活動家・アーティストとして活躍されていますが、これまでの経歴がけっこう面白い。





 

2022年8月

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こんにちは、院長の藤原です。猛暑のニュースが続いたと思ったらここ数日は連日水害のニュースであふれています。全国各地で川が氾濫し橋が決壊する映像を見ると、この先の台風シーズンはどうなるんだろうと心配してしまいますよね。

コロナは感染力の高いと言われているオミクロンの派生種により第七波が到来し、何と日本の感染者数が世界一という事態になってしまいました。コロナの名称はWHOが2021年5月から最初に見つかった国名に代えてギリシャ文字で名付けていましたが、このオミクロンは変異株が多くここに来て滞っています。オミクロンは1つの変異株の名前ではなくいくつかの変異株の総称。変異株にはA、B、C、…と順番に名前をつけ、さらに変異するたびに数字をくっつけて分類しますが、変異株のB.1.1.529がオミクロン株で重大な変異を含むということでこれをBAと略記しました。すなわちB.1.1.529.2がBA.2になります。6月頃までの流行の主流はBA.2でしたが現在はBA.5など他の変異株に置き換わってきている状態。オミクロンの次のギリシャ文字は円周率でおなじみの「パイ」なんですがこの先登場するのでしょうか。できれば登場してほしくないものです。

コロナの合間の6月15日に小田和正がニューアルバム「early summer 2022」を、6月22日に山下達郎がニューアルバム「SOFTLY」を、そして玉置浩二が7月25日に自身と安全地帯のベストアルバムを発表しました。私の世代にはたまりません。しばらく聴いていると昔の曲も聴きたくなり、一日オフコースという日もあったりします。神奈川屈指の進学校である聖光学院高校同級生の小田和正・鈴木康博・地主道夫らで結成したフォークグループ「オフコース」。薬局次男坊の小田は当初千葉大医学部が本命だったとの情報もありますが、地主とともに東北大工学部建築学科へ進みその後早稲田大理工学部の大学院へ。鈴木は東京工業大学工学部建築学科へ進み大学院へ。1970年「群衆の中で」でデビュー。地主が竹中工務店就職で脱退した後はしばらく小田と鈴木二人での活動となります。1975年のヒット「眠れぬ夜」あたりまでのデュオの時の曲がいいんだよねという方も多いのではないでしょうか。そう言えば隣駅の京王堀之内で開業している同級生Y君も聖光学院出身でした。


 

2022年7月

でんでん
こんにちは、院長の藤原です。関東甲信地方は先月の27日に梅雨明けしてしまいました。学校の夏休みが始まるころのイメージでしたがこんなに早く明けるとは。平年より3週間ほど早いようです。また今年も記録的な猛暑が襲ってくるのでしょうか。熱中症や電力需給の問題が心配です。

昔は「長時間炎天下にいると日射病になる」と言われ、夏の暑い日にずっと外で遊んでいると注意されたものですが、平成の中頃からでしょうか、「日射病」や「熱射病」などをひっくるめて「熱中症」と呼ぶようになりました。人は動くと体で熱が作られ体温が上昇しますが、平常時は汗をかいたり体表から熱を逃がすことで体温を調節しています。しかし高温多湿になると体がどんどん熱くなり大量に汗をかいたりして体の水分や塩分が減っていきます。身体の60%は水分で、この体内の水分や血液中のナトリウムが不足し脱水症状を起こすと、体温調節をはじめとする生理的機能の障害が起きます。脱水で血液の流れが悪くなるため、体の表面から空気中に熱を逃がすことができなくなり汗もかけなくなります。また、筋肉や脳、肝臓や腎臓などに十分に血液がいきわたらないため様々な症状が発現します。熱中症が一番多いのは屋外でなく風呂場だそうです。体温が上がりすぎて脱水症状を起こしやすいので夏場は湯温を低めに設定しましょう。そしてとにかく水分補給。寝ている間も500mlの水分を失うと言われています。室内にいても1時間に200mlくらいの水分を摂るのが理想ですが、2~3時間ごとに500mlのペットボトル1本はなかなかキツイ。

ともすると「よおし、暑い時はビールで水分補給だ!」と考えてしまいますが、アルコールを過剰に摂取すると脳は身体に悪いアルコールを排泄するために「抗利尿ホルモン」の分泌を抑制し「利尿のブレーキ」にブレーキをかけてしまい、排泄量が摂取量を上回る状態になり逆に脱水症に陥ることに。ということは利尿作用のあるカフェインもダメ。カフェインを含むお茶よりスポーツドリンク、どうしてもお茶ならカフェインの入っていない麦茶ですか。また、塩分をはじめとするミネラルの補給も欠かせません。塩分が少なくなると体内の濃度を保とうとして汗などで水分を排出してしまい、十分な水分補給をしていたのに熱中症になってしまったということになります。





 

2022年6月

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こんにちは、院長の藤原です。梅雨の季節になりました。コロナも一息ついたようですので、今年こそはアジサイを鑑賞に鎌倉や箱根に行かれる方も多いと思います。多摩センター付近でよく紹介されるのは「高幡不動尊金剛寺」や「府中市郷土の森博物館」「昭和記念公園」。小平の「あじさい公園」もそろそろでしょうか。

先日政府が閣議決定した「骨太の方針」の中に「国民皆歯科健診」が盛り込まれたという報道がありました。「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆健診)の具体的な検討」をするという内容ですが、実はカッコ書きの部分以外はこれまでも記載されていたので、今回はカッコ書きを追加しただけということになります。近年歯と全身の健康との関係が明らかになり、歯周病など歯の疾患をきちんと治療することで糖尿病の重症化が防げることや心臓病のリスクが減ることがあちこちのメディアで紹介されていますのでご存じの方も多いと思います。また歯周病菌の出す酵素が認知症の原因となるアミロイドβの生成や脳内移行にかかわっていることもわかってきました。歯周病が新型コロナの死亡リスクを9倍近く高めることもわかっています。高齢者の生活要因を調査してみると、歯科への通院割合が高いほど平均寿命と健康寿命が長い。歯をケアすることで国民の健康が維持され、これが医療費の抑制につながることは明らかでいいことではあるのですが、なぜ今なのかという前のめり感を感じている歯科医もいることでしょう。

「骨太の方針」とは「経済財政運営と改革の基本方針」の略称で、時の内閣の重要政策課題や次年度予算編成の方向性を示すもの。首相が議長を務める経済財政諮問会議の場で毎年6月上旬ごろに策定されますが、昨今は他の会議体の乱立で役割が低下し骨粗鬆症気味と揶揄されている状態です。「国民皆歯科健診」についても相応の予算が付き義務化されるのは何年も先の話でしょう。国民にとっては間違いなくいい話なのですが、参院選直前となるといろいろな憶測を呼んでしまいます。



 

2022年5月

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こんにちは、院長の藤原です。3年ぶりの行動制限のない大型連休ということで皆さん楽しまれたことと思います。テレビのニュースでは久々の盛況となった行楽地で喜ぶ子供たちの笑顔があふれていました。高速道路の渋滞にはまり疲れ切ったお父さんお疲れさまでした。

北海道の旅行、特に道東の旅行を計画していた方もいたと思いますが、先月23日に起きた知床半島遊覧船事故の影響でだいぶ予定を変更されたのではないでしょうか。知床という名前はアイヌ語で「地の果て」を意味する「シリエトク」からきているとのこと。日本の世界遺産は現在“自然遺産”が5件と“文化遺産”が20件ありますが、知床は一番大きい“自然遺産”。どのくらいかというと東京23区より少し大きいくらいの広さのようです(富士山は「信仰の対象と芸術の源泉」として“文化遺産”登録)。

知床半島は世界で最も低緯度で海水が結氷することで有名ですが、海岸から山頂まで人間が入らない地域が多く残され、海と川と陸の生物全体が一年を通し独特の食物連鎖を形成しています。海水の栄養塩を求めて植物プランクトンが繁殖、それを餌とする動植物プランクトンが繁殖。それらを餌とする魚介類やアザラシなどの哺乳類が集まってくる。陸ではキツネ・ヒグマが河川を遡る鮭を捕食する。鳥類もシマフクロウ・オオワシ・オジロワシなど国際的希少種の重要な繁殖地となっています。

また千島火山帯の上にある知床半島は良質の温泉が豊富。今回の事件ですっかり有名になったウトロも温泉街なんですが、その他にも半島には露天風呂などの温泉が数多く点在し、半島中央の硫黄山を源流とし直接オホーツク海に落下する「カムイワッカの滝(アイヌ語で「カムイ」は「神」、「ワッカ」は「水」の意)」は知床八景の一つで温泉が混じった滝として知られています。

ウトロと「カムイワッカの滝」の間にある「知床五湖」も知床八景の一つ。「一湖」「二湖」…と「一郎」「二郎」のように名づけられている湖ですが、何と「流れ込む川がない湖」です。どうして枯れないのでしょう?




 

2022年4月

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こんにちは、院長の藤原です。藤井聡太が19歳でA級昇級、サッカー日本代表が7大会連続7度目のW杯本大会出場決定、大谷翔平がオープン戦初戦で初球先頭打者本塁打など楽しいニュースはあるんですが、コロナとともにロシアのウクライナ侵攻の話題に隠れてしまいました。北朝鮮も若干埋もれ気味。西側諸国とロシアの近代情報戦が繰り広げられる中いろいろな情報が飛び交っていますが、2015年の「ミンスク合意」やバイデン大統領次男の「ウクライナ疑惑」についての報道はいつの間にか消えてしまっています。

歴史の教科書に出ていた「キエフ公国」。ウクライナの首都を「キエフ」と呼ぶのがロシア語の発音に由来しているのはご存知の通り。ウクライナ政府は1995年からウクライナ語読みの「キーウ」としていたようなのですが世界的にはなかなか浸透せず、米国も2019年にやっと『「キーウ」のみを公式表記とする』と決定しました。日本にも2019年にウクライナ在日大使館を通じて問題提起があり、「有識者会議」 を設置して検討した結果『首都名について「キーウ」「キイフ」「キエフ」の3例の併用を可とする』という結論に至っています。そしてこの2月のロシアによる侵攻を機に多くのメディアが「キーウ」を使うようになりましたが、政府は「国民の間で定着していない。ウクライナ側から申し入れを受けていない。(松野官房長官談)」と頑なに「キエフ」一辺倒。どうしてなんだろうと調べてみると、どうも在外公館がある国や都市が示されている「在外公館名称位置給与法」という法律があり、そこにウクライナの首都が「キエフ」と書き込まれていて、名称を変更するにはこの法改正が必要だからということのようです。法改正には少なくとも政府の言うように日本国民の間で「キーウ」の表記が定着していなくてはならないらしく、鶏と卵。

ということで「キーウ」を使っていたメディアも混乱を避けるためか忖度かまた「キエフ」に戻してしまっていた矢先、今月突然日本政府が『ウクライナの首都の呼び方をロシア語読みの「キエフ」から今後はウクライナ語読みの「キーウ」に変更する』と発表しました。外務省によると「日本政府としてウクライナ支援及びウクライナとの一層の連帯を示すための行動」なんだとか。ただこれは呼称だけの話で、公文書などは法改正までは「キエフ」のままということになります。




 

2022年3月

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こんにちは、院長の藤原です。新型コロナ一色だった世界の話題は、先月末に始まったロシアのウクライナ侵攻に変わりました。現代のこの時代に国境を越えて他国の軍隊が侵攻してくるなどということは、島国で平和ボケして安穏と生活している者には信じがたいことですが正に現実なんですよね。しかも侵攻しているのは日本と隣り合わせの国。ヨーロッパ側の事件ではありますが、日本もこの先様々な影響を受けることになるのでしょう。

日本の歯科保険治療で使用されている皆さんご存じの銀歯。名前は銀歯ですが成分は銀だけでなくパラジウムという金属が20%含まれています(その他、金、銅、亜鉛、インジウム、イリジウム、すずなども含まれる)。以前はロシアと南アフリカが2大産出国でしたが、この10年南アフリカでプラチナ鉱山の閉山が相次ぎ副産物であるパラジウムの生産量が激減しました。一方自動車の排気ガス浄化用の触媒として使われるなど需要は増えているので価格が急騰。銀歯の保険点数は材料に使われている金属代に連動しますので、ここ数年は半年毎に大幅にアップするという異常事態になっています。

ロシアとの貿易に支障が出ればパラジウムはさらに品薄となり、日本においては自動車業界だけでなく歯科業界にも少なからず影響がありそうです。パラジウムはドイツでは「生体には使用禁止」、スウェーデンでは「乳幼児、妊婦や出産の可能性のある女性には使用禁止」とされている金属ですが、日本では戦後安く手に入る金属だったため経済的な理由から保険適応となり現在に至っています。銀歯の欠点は「歯との境目が虫歯になりやすい」などいくつかありますが、重金属ですので「口の中で腐食している」こともあり、自分の治療をしてもらう時に銀歯を選択する歯医者はおそらく一人もいないでしょう。ここは絶好の機会と前向きに捉え、身体に害を及ぼすパラジウムと縁を切る保険制度にできないものでしょうか。財源の問題がネックではありますが…

そうそう先月の北京冬季オリンピック、フィギュアスケートの解説でびっくりしたことがありました。アクセル・パウルゼン(ノルウェー)、アロイス・ルッツ(オーストリア)、ウルリヒ・サルコウ(スウェーデン)。シライと同じだったのね。




 

2022年2月

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こんにちは、院長の藤原です。新型コロナの現在感染者数が80万人を超え一日の新規感染者数は10万人に届こうとしています。第五波がさざ波に見えてきました。今回の第六波では、ひとりの感染者が次に平均で何人にうつすかを示す指標「実行再生産数」のピークが1月上旬で6に近い数字になりましたが、これまでの例から推測するとおおよそ1か月後にこの「実行再生産数」は1を下回りさらに1が月後にある程度流行が下火となっています。このパターンでいくと3月上旬にある程度感染者が少なくなってくることが推測されるのですが、「実行再生産数」のピークが過ぎた後に「まん防」や「緊急事態宣言」を発令することは流行に影響を与えるのでしょうか。とりあえず、卒業式・入学式・お花見のあたりが谷間になることを祈りたいと思います。

さて将棋界ではとんでもないことが起こりました。トップ棋士10名が在籍するA級リーグ(1位になると名人に挑戦できる)で、あの羽生善治九段が下位2名に入ってしまいB1に降級することが決定したのです。23歳で上がってきてから51歳まで29期在籍(うち名人9期)したA級からの陥落。ついにこの日が来てしまったか…という感じです。プロ棋士になること自体とんでもなく大変なことなのですが、なった後の夢はやはり「タイトル獲得」や「A級昇級」でしょう。両者ともかなわず引退していく棋士が多い中で、羽生九段は23歳から50過ぎまでずっとA級に在籍あるいは名人に就いていたというエリート中のエリート。名人のタイトルを5期以上保持した棋士に与えられる「永世名人」がA級から陥落する時は毎回将棋界に激震が走りますが、中原十六世名人は52歳で、十七世名人谷川浩司九段は51歳でA級から陥落しています。羽生九段と同い年の十八世名人森内俊之九段は46歳でした。

A級在位が一番長かったのは超人大山康晴十五世名人で44期(うち名人18期)。羽生九段はこんなに長く在位したのに通算記録では5位。なんと2位はあのひふみんなんです! 18歳でA級に昇級(藤井聡太四冠は現在19歳でまだB1在籍)し、B1に降級しても4度復帰して62歳まで(!)通算36期(うち名人1期)もA級で総当たりのリーグ戦を戦っていました。





 

2022年1月

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あけましておめでとうございます、院長の藤原です。年始からオミクロン株による感染者が全国で増大し、ついにというかやっぱりというか第六波が来たようです。今年もコロナの1年になるのでしょう。

恒例の正月スポーツイベントは順調に?開催されています。「全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)」は昨年優勝した富士通が歴代優勝チームの名前が入った優勝旗をフロア移動の際廃棄物として処分してしまったことが話題となりましたが、今年は東京オリンピックの代表2人を擁するホンダが初優勝を果たしました。

アメフトの日本選手権「ライスボウル」は富士通が2年ぶり6度目の日本一に。昨年までは社会人代表と学生代表の戦いでしたが、社会人12連勝と実力差が開きすぎたため、今年から社会人リーグの2チームによる対戦に見直されました。またコロナの影響で1クオーターが15分から12分に短縮されています。富士通は一昨年の敗戦を機にQBを外国人選手から日本人に代え、今回オービック、パナソニックに雪辱しました。

正式名称「東京箱根間往復大学駅伝」の箱根駅伝は、青学大が大会新記録で総合優勝。昨年の駒大から王座を奪還しました。「パワフル大作戦」大成功です。今や長距離界で主流となった「厚底シューズ」に対応した新たなトレーニングを取り入れることで従来の体幹だけでなく臀部周辺を鍛え、史上最高タイムを叩き出す偉業を達成しました。

反発力の高い「厚底シューズ」は足の跳ね返りが早くなる分負担も大きく、以前であればひざ下に多かったケガが厚底シューズの台頭で臀部や股関節に増えてきていると言われています。青学大は前回大会直前にエースランナーが臀部の仙骨を疲労骨折し欠場しました。今回駒大期待のランナーも疲労骨折後治りかけた臀部の痛みが再発し区間18位と大ブレーキになってしまっています。進化したシューズに合った体を作っていくという時代になりました。




 

2021年12月

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こんにちは、院長の藤原です。コロナ前は治療が終わると外していたマスクも今は家に帰るまで外さないのがあたりまえの日常になっています。数時間マスクをしていると耳の後ろが切れて痛くなってしまう私のお気に入りは、某歯科材料メーカーの「ミミラクダ」。何時間していても全く痛くなりません。

今年もいろいろありました。新型コロナの第三波で始まった1月には、米国でバイデン大統領就任。2月、ミャンマーでクーデター、国軍が全権掌握。東京五輪組織委員会の森喜朗会長が女性蔑視発言問題で辞任。3月、小野清子さん、古賀稔彦さんという五輪メダリストの訃報がありました。4月、松山英樹がマスターズ優勝、日本人としてメジャー初制覇。5月、愛知県大村知事のリコール署名偽造容疑で団体の事務局長らが逮捕。6月、山縣亮太が100m9秒95の日本新記録樹立。7月、熱海市伊豆山で大規模土砂災害が発生。東京五輪開幕。8月、小田急線車内で乗客切り付け事件。横浜市長選で山中竹春元横浜市立大教授が初当選。9月、自民党新総裁に岸田文雄前政調会長が選出される。第69代横綱白鵬が引退。10月、秋篠宮家長女眞子さまが米国弁護士事務所勤務の小室圭さんと結婚、皇室を離脱。11月、将棋の藤井聡太王位・叡王・棋聖が竜王を獲得し史上最年少19歳での四冠達成。プロ野球日本シリーズでは、ヤクルトがオリックスを破り20年ぶりの日本一に。12月には囲碁界のニュース。20歳になったばかりの関航太郎七段が一力遼から天元のタイトルを奪取。プロ入り4年8カ月でのメジャー制覇は史上最速。こちらも目が離せません。

1年を振り返ってみると今年は例年より著名人の訃報が多かったような気がします。コロナはこの先どうなるのでしょう。ギリシャ文字の後は星座かと言われていますが、とりあえずオミクロン株の流行がどうなるかが心配の年末年始になりそうです。来年は明るい話題が増えることを期待したいと思います。良い年をお迎えください。




 

2021年11月

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こんにちは、院長の藤原です。8月末に全国で25万人だった現在感染者数は今月に入り2000人台となっています。新規感染者数もピーク時の100分の1以下。あれだけ猛威をふるった新型コロナがここにきてなぜ急速に収束してしまったのでしょうか。理由については現在もいろいろな説が飛び交っています。

その一つに、日本でのコロナウィルス「第五波」の減少はウイルスが自滅する「エラー・カタストロフの限界(ミスによる破局)」により起こったのではないかという説がありました。ノーベル化学賞受賞者でもあるドイツの生物物理学者マンフレート・アイゲン(Manfred Eigen)が1971年に発表した概念で、新型コロナウィルスの複製エラーの修復(校正)システムに変異が起きたとするものです。感染力の高い変異ウイルス「デルタ株」は高い複製能力を獲得していたが、複製が繰り返されれば繰り返されるほどその分複製ミスも起きやすくウィルスの生存に必要な遺伝子まで壊してしまったのではないか。国民のワクチン接種率が3%のケニアでも感染者が激減していることからも、現在の状況は「ワクチン効果ではない」ようです。ワクチン接種率22%のインドでも感染者数は激減しています。

歴史的なパンデミックの事例を見てみると、増減を繰り返した後、突如収束に向かっています。1889年から世界的に大流行し100万人以上が犠牲になった「ロシア風邪」は最近の研究でコロナウィルスが原因ということがわかりましたが、当時何の対抗策も打てなかったにもかかわらず4~5年で流行が収まっています。また、1918年から流行したスペイン風邪も、当時の世界人口の3割以上が感染、数千万人が死亡しましたが、病原体について何も判明しないうちに約4年で自然収束しました。ワクチンも開発されていません。

経口治療薬として期待されている『モルヌピラビル』は、「エラー・カタストロフの限界」を体内であえて引き起こすことによって、ウイルスの自壊を進行させることを狙っています。




 

2021年10月

こんにちは、院長の藤原です。新型コロナウィルスによる感染拡大は8月末をピークに急激に減少し、とうとう今月から緊急事態宣言が解除されました。減少の理由について専門家は、「お盆、オリパラが終わり夜間の人出が減少してきた」「不織布マスク着用などの感染対策が定着してきた」「医療逼迫の情報が多くなり感染リスクの高い行動を避けた」「ワクチン2回接種の割合が上がってきた」などを挙げていますが、いずれも仮説で実際のところよくわかっていません。「あまり流行させると叩かれるので一休みしている」「第六波に備えウィルスが冬支度に入った」という解説もありますが…

新型コロナウィルス感染症の治療薬開発は急ピッチで進んでいます。米製薬大手のメルクは、米バイオ医薬品メーカーと共同開発した「モルヌピラビル」について米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請しました。重症化のリスクが高い軽症~中等症の感染者の入院、または死亡リスクを半減させるようです。承認を得れば、初の経口タイプ治療薬となります。他にも、メルクのライバルであるファイザー、スイスのロシュなどが開発している経口タイプ治療薬が後期臨床試験の段階にあり年内に緊急使用許可を申請する予定です。モルヌピラビルはもともとインフルエンザ治療薬として開発されたもので、ウィルスの遺伝子に対して複製エラーを生じさせ、増殖を防ぐよう設計されています。従って今後発生する新たな変異株に対しても同様に有効だろうと言われています。その構造がピラジン(pyrazine)骨格を持っていることと、抗ウィルス剤の語尾「ビル(vir)」が付いて「…ピラビル」となっているのは、あのアビガンの一般名「ファビピラビル」と一緒。すでに治療薬として使われている「レムデシビル」、そしてインフルエンザのタミフルも抗ウィルス剤ですので一般名は「オセルタミビル」と「ビル」が付きます。

これらの経口タイプ治療薬の登場で入院する人や重症化する人がこの先大幅に少なくなってくれば、このパンデミックのゲームチェンジャーとなります。「明かりははっきりと見え始めている(by前総理)」のではないでしょうか。




 

2021年9月

こんにちは、院長の藤原です。医療現場では、新型コロナ感染者の急増で「すべての疾病に対して必要とされる医療の量」が「提供できる医療の量」を超えてしまっているという事態に陥っています。東京でも新型コロナの現在感染者4万数千人のうち入院して治療を受けているのは1割程度。業界用語の「療養」とはイコール「治療」のことなのですが、保健所の職員からの容態確認しかない状態を「療養」と言っていいのでしょうか。「自宅療養」「待機・調整中」という用語に違和感いっぱいです。

多くの先進主要国では病院を警察や消防と同じ国の安全保障として位置づけているので、7~8割が公的な病院ですが、日本では2割程度に過ぎません。医師会が国という会社の労働組合のようになってしまい、現在のような緊急事態的な状況に迅速に対応できなくなっています。仮設でもいいので早急に公的病院を臨時に多数作り予算をかけ設備を整え、医師会・看護師会の協力を得て医師・看護師を張り付ければ、何とか現在の危機的状況は脱することができるのではないでしょうか。入院待機のための酸素ステーションを作るより入院施設そのものを作ったほうが効果があるはずです。

個人病院が外科病床を増やすのはスペースの問題さえクリアできればそう難しくありません。ただ新たにコロナ病床を作るとなると、まず他院でも治療可能な患者を転院させなければなりません。そして転院できない患者との動線を分けるためトイレ増設などの改築・増築と診療・検査機器の設備が必須で、最低でも数千万から億単位の費用がかかります。また最大の問題は人員です。看護師本人、事務員本人ではなくご家族の反対で退職される方が多いと聞きます。看護師の人数で保険の点数が決められているものが多いため、その数が減ると医院経営が窮地に陥ります。求人を出してもコロナ病床のある病院は応募が圧倒的に少ない。コロナ病院だとわかれば既存の通院患者も激減することになるでしょう。

政府はコロナ病床を作らない病院は公表すると脅していますが、もし私がコロナ病床をどうしても作れない病院の経営者なら内心「早く公表してくれ」と…





 

2021年8月

こんにちは、院長の藤原です。一時は中止かと危ぶまれていたオリンピックは無観客での開催となりました。始まってしまえば国民はお祭り騒ぎになり政治の関心はなくなるとされていましたが、コロナ感染者は急増し重症者数と共に最高の数字となりそうです。テレビでお目にかかるタレント・アナウンサー・ミュージシャン・芸人などがデルタ株に感染したというニュースが最近増えてきたような…

現在新型コロナ感染症治療薬は、他の疾病向けに開発された既存薬の転用(リポジショニング)が主流で、エボラ出血熱の治療薬「レムデシビル」、抗炎症ステロイド薬「デキサメタゾン」、関節リウマチの薬「バリシチニブ」の3製品が認可を受けています。そして先月抗体カクテル療法の「ロナプリーブ点滴静注セット(カシリビマブ・イムデビマブ)」が特例承認されました。製品名は「a rePRIEVE(救済) from coRONA」から。一般名のカシリビマブとイムデビマブは「モノクローナル抗体」。抗原にあるたくさんの目印の中から1種類(モノ)の目印とだけ結合する抗体を、人工的にクローン(クローナル)増殖させたものです。ロナプリーブは効果を上げるために2種類の抗体薬を配合させたというすごい薬で、酸素投与を必要としない軽症から中等症の患者の重症化を防ぐ、すなわち入院を防ぐ目的で点滴静注されますが、入院しないと投与されない現状では矛盾となってしまっています。薬の一般名で語尾が「…マブ(mab)」となっているものは「monoclonal antibody(モノクローナル抗体)」を意味する抗体医薬品です。その前の「…ビ(vi)…」は、ターゲットがウィルスだということを表しています。

昨年話題になった新型インフルエンザ治療薬「ファビピラビル(アビガン)」は治験の方法や催奇形性の問題で承認が見送られていましたが、改めて治験を実施していて10月までに終える予定とのこと。関節リウマチ治療薬「トリシズマブ(アクテムラ)」は、6月下旬に米食品医薬品局(FDA)から入院患者向けのコロナ治療薬としての緊急使用許可を取得。日本国内でもすでに最終治験を終え、年内の承認申請を目指しています。ノーベル賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授が開発に貢献した抗寄生虫薬「イベルメクチン」も国内で治験を始めるとの発表が先月ありました。こちらも年内の承認申請を目指しているようです。






 
 

2021年7月

こんにちは、院長の藤原です。東京と沖縄で今月12日から来月22日までの緊急事態宣言が発令されることになりました。これで今年は234日中73.5%の172日緊急事態宣言ということになり、ネット上では通常の日だけ「通常事態宣言」を出したらどうかという皮肉もささやかれています。このコロナ禍でのオリンピック開催は多くの国民が中止か延期を支持していましたが、「開会式入場者2万人」「酒類提供OK」のアドバルーンで問題がすり替わり、なんやら「一都三県では無観客」ということで落ち着きそうなムード。肝心のワクチン接種は2回目を打ち終わった人がまだ全国民の1割台という状況で、供給の滞り(?)により個人・集団両接種の新たな予約が停止される混乱が各地で起こっています。1日100万回接種はいずこへ。

さて、将棋界では、藤井聡太棋聖に渡辺明名人が挑戦する棋聖戦五番勝負第3局が3日に行われ、藤井棋聖が渡辺名人に勝利し3連勝(!)で棋聖防衛を決めました。これで藤井棋聖はタイトル獲得3期(棋聖2期王位1期)となり規定により九段昇段です。18歳11か月での九段昇段は、渡辺名人が保持していた21歳7か月を抜いて史上最年少。また一つとてつもない記録が生まれました。野球界では、大谷翔平がホームラン33号を放ちダービー独走状態です。この21試合で16発というハイペース。1961年ヤンキースのロジャー・マリスが樹立したアメリカンリーグ記録61本も射程圏内となってきました。メジャー記録としては、元ジャイアンツのバリー・ボンズが2001年に73本、元カージナルスのマーク・マグワイアが1998年に70本、元カブスのサミー・ソーサも同年66本をマークしていますが、ボンズとマグワイアは薬物使用が発覚、ソーサもほとんど黒ということで記者投票による殿堂入りを果たしていません。マリスの61本が「true record(真の記録)」とされています。大谷は日本時間14日に始まるオールスターゲームにも、ファン投票で指名打者として、選手投票で投手として選出される偉業を達成しました。

藤井聡太、大谷翔平と同じ時代に生きれて本当に幸せです。



 

2021年6月

こんにちは、院長の藤原です。先月末までの期限で9都道府県に出ていた緊急事態宣言は、今月20日までの延長となりました。酒を提供する飲食店への休業要請は引き続き行われます。「ワクチンもう打ちましたか?」が挨拶になっている現在、医療関係者と高齢者には、今年2月に特例承認されたファイザーの「コミナティ筋注」の接種が進んでいます。先月21日にはアストラゼネカの「バキスゼブリア筋注」と武田薬品工業の「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」の2品目も特例承認されました。「モデルナ筋注」はすでに大規模接種会場で使われ始めていて、今後は職場や大学の接種でも使われることになるようです。

ファイザー(米)は医薬品売上高世界2位(1位はスイスのロシュ)の製薬会社。1849年チャールズ・ファイザーらにより創業され、抗生物質テラマイシンや抗炎症剤のフェルデンが売れ巨大企業へ。その後大型買収を繰り返し一時は世界最大の製薬会社になりましたが、最近は画期的な新薬を作ることができず経営は下降線でした。数年前から、mRNAを使ってがん治療薬を作っていたビオンテック(独)と共同でインフルエンザワクチンの研究を始めていましたが、新型コロナの流行により昨年3月に両社は共同で新型コロナワクチンを開発し12月に緊急使用許可(EUA)を受けています。

モデルナ(米)は、2010年創業時から2018年までは「ModeRNA Therapeutics(RNA方式治療薬)」という社名でmRNAを使った医薬品開発のみを行っているベンチャーでしたが、昨年同社のmRNAワクチンにトランプ政権が目をつけ、対COVID-19国家プログラムであるOWS(Operation Warp Speed)から5億ドル近い投資を行い開発を促進。ファイザーに続き緊急使用許可を受けるに至りました。

アストラゼネカ(英)は北欧最大級の製薬会社であったスウェーデンのアストラ社が1999年にイギリスのゼネカ社を買収・合併してできた会社。当時EUの欧州医薬品庁(EMA)がイギリスにあったため本部をスウェーデンでなくイギリスにしましたが、2020年1月イギリスがEUを離脱したためEMAはオランダに移転。同社も拠点をスウェーデンに戻しつつあった矢先のワクチン製造となりました。





 

2021年5月

こんにちは、院長の藤原です。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、先月25日から、東京・大阪・京都・兵庫の4都府県を対象に政府は3回目の「緊急事態宣言」を出しました。当初、IOCバッハ会長が来日し17日18日に広島で行われる聖火リレーを見るということで、宣言の期限を11日までの17日間としていたため「尾身に短し…」などと揶揄されていましたが、感染拡大が治まらず医療提供体制も危機的な状況が続いていることから、期限を今月末まで延長するとともに福岡県と愛知県を対象地域に加えることを決定しました。

予定では連休前に終わるとされていた医療関係者への2回目のワクチン接種はまだ2割程度、高齢者は1回目も1%に満たないようです。秋から冬にかけてまた来ると心配されている大波の前に希望者全員に打ち終わることができるのでしょうか。1万人の打ち手が1日100人に200日続けて打って2億回分消化できるという超ザックリ計算をベースに考えても無理のような気がしてなりません。5分に1人を8時間ぶっ続けで打ってやっと100人ぐらい…

外出自粛となるとテレビを観たりパソコンをいじる時間が多くなります。AbemaTVは5年前に開局されたインターネットテレビサービスでみなさんも利用されていることと思いますが、将棋チャンネルでは毎週土曜日夜に「ABEMAトーナメント」という非公式戦が行われています。14人のトップ棋士がドラフト会議でそれぞれ2人づつ選ぶ3人1組の団体戦で、選抜チームを加えた15チームが賞金1000万円を争う戦い。「持ち時間は5分で1手指すごとに5秒追加、持ち時間を使い果たすと負け」の、いわゆる「フィッシャールール(チェスで用いられる)」形式。通常の棋戦に比べると対局が短くおよそ20~30分で勝敗が決着するため観ていてまったく飽きません。持ち時間が数秒となってしまうとあの藤井聡太王位・棋聖でも最善手を続けることは難しい。終盤は形勢が目まぐるしく入れ替わります。反射神経に優れている若手が圧倒的に有利かというとそうでもないところが面白い。先に5勝したチームが勝ち。

今回藤井チームは昨年秋に四段なりたての伊藤匠(18)と高見泰地七段(27、元叡王)の3人となりました。羽生善治九段がドラフトで誰を指名するのか注目でしたが、一人目中村太地七段(32、元王座)の後二人目で何と「豊島?強いよね…」でお馴染みのあの佐藤紳哉七段(43)を指名!





 

2021年4月

こんにちは、院長の藤原です。新型コロナの感染者数は第三波が治まりきらないうちに第四波が襲いかかってきました。ワクチン争奪戦で後れを取った日本では予定されていた医療関係者へも未だ接種が行き渡らない状況です。希望する国民全員の接種が終わるのはいったいいつになるのでしょうか。

どんな対策をしたらいいのかわからなかった1年前のスポーツ界は野球・サッカー・ラグビーをはじめたいへんな打撃を受けましたが、感染対策がある程度わかってきた今年は、飛沫に対する対策を徹底しコロナ前のようにとはいきませんが何とか開催にこぎつけている状態です。2019年のW杯で盛り上がりついにブーム到来か!と思われたラグビーはコロナのおかげでリーグ戦が途中で中止となりすっかりしぼんでしまいましたが、今年は世界のスター選手が何人も来日しプレーする異常事態に。ラグビー王国NZ代表でW杯でも大活躍をしたSO/FBバレットがサントリーに加入。そしてスコットランドから日本の天敵と言われるあのSHレイドローがNTTコミュニケーションズに加入するという信じられないことが起こりました。NTTコミュニケーションズにはすでに豪のSOリアリーファノがいますのでまさに世界レベルのハーフ陣! トヨタ自動車には元NZキャプテンのFL/NO8リードが加入していましたが今シーズンから豪キャプテンのFLフーパーが加わりチームメイトになるという豪華さ。南アFBルルーも加入しています。NZ代表ではFB/CTB/WTBスミスが神戸製鋼に加入。神戸製鋼は元NZの世界的スーパースターSOカーターが引退してしまいましたが、今回NZのSOクルーデンを獲得。昨年加入のLOレタリックと合わせNZ主力選手がズラリとそろいました。ハカ先頭のSHペレナラはNTTドコモに加入。南アの快速WTBマピンピもNTTドコモへ。同国CTBクリエルはキヤノン、FLスミスはヤマハ、HOマークスはクボタへ。クボタには豪代表SOフォーリーも加入。パナソニックにはイングランドのLOクルーズやウェールズのCTBパークスが加入しました。

来日している外国人選手と日本代表のチャリティマッチとかどこかのスポンサーが企画してくれないかなぁ…




 

2021年3月

こんにちは、院長の藤原です。年初めに比べると感染者数はかなり減ってはきていますがここにきて下げ止まりのようで、政府は首都圏1都3県の緊急事態宣言2週間延長を発表しました。飲食業をはじめとする業界のダメージはもうしばらく続きます。また日本は世界のワクチン争奪戦に遅れを取っているため、医療関係者の先行接種は始まりましたが、一般国民の2回目の接種完了の目途が立っていません。これまで発表されているスケジュール通りにすすめるのはまず無理で、とりあえず高齢者への迅速な接種を優先すべきでしょう。

さて将棋の今年度は藤井聡太七段の初タイトル獲得や渡辺明名人の誕生などいろいろありましたが、将棋ファンにとって一番の話題は何と言っても「山崎隆之八段悲願のA級昇級」です。山崎八段は1981年広島生まれ、17歳で四段プロ入り。C級2組を抜け出すのに少し時間がかかりましたが、C級1組とB級2組はどちらも2期で通過しB級1組へ。その実力からしてA級入りは時間の問題と誰もが思っていましたが… 毎年前半戦で勝ち星を重ね昇級候補に名を連ねるが後半に失速しチャンスを逃すの繰り返し。昨年度は降級のピンチまで味わいました。B級1組はほとんどがA級在籍経験者や8大タイトル保持経験者で、将棋界では通称「鬼の棲み家」と呼ばれる厳しいクラスです。あの渡辺明名人でさえ初在籍の時は出だし1勝5敗で降級を心配した程。山崎八段はそこに何と連続13期在籍。最近は連続12期在籍の松尾歩八段とともに「B1の番人」と呼ばれていました。タイトル挑戦こそ1回ですが、棋戦優勝は8回もあり文句なしの一流棋士。特に早指しでの強さは際立っています。あの藤井七段とも過去に1回対戦し完勝しています。それだけの実力があるのになぜA級に一度も上がれないのかが不思議でした。

若い頃はその容姿から「西の王子」と呼ばれていましたが、集中すると頬を膨らませるため「たこやき」の異名も。棋風は序盤から独創的で他の棋士の読み筋と異なる手が多いのが特徴。6月に開幕予定の第80期A級順位戦は10人による総当たり戦となりますが、「会長」佐藤康光九段、弟弟子の「ダニー」糸谷哲郎八段、そして山崎八段と超個性派が3人も揃います。どんな将棋が飛び出すかわかりません。楽しみです。



 

2021年2月

こんにちは、院長の藤原です。先月初旬に発令された緊急事態宣言は一部の地域を除きもう一カ月延長されることになりました。効果があったのか感染者数は発令時あたりをピークに減ってきていますが、重症者数の減少は急にというわけにはいきません。まだまだコロナ患者を受け入れている病院では緊張感が続き、重症者病棟の医療関係者は心身も経済的にも疲弊している状態です。これを目の当たりに見ている周囲の医療関係者に対し「受け入れに手を挙げないと…」と脅してみてもまず無理か。GoTo予算の何割かを回してもらえないものでしょうか。

さて、世界の話題はワクチン一色になってきています。ワクチンの有効性・安全性・副反応に始まり、変異ウィルスに対する効果や予防効果の持続期間、輸送・物流・保管の問題など。すでに接種を始めた国もありますが、今月下旬にも始まると言われている日本での接種はどのようになるのか。問題点はいろいろ考えられますが、一番の問題は接種のマンパワーでしょう。現在治療の方へシフトしている医者や看護師を接種の方へ回せるのかが鍵になりそうです。医学生や薬剤師に行わせている国もありますが、日本では接種の注射は医行為に当たるので、医者あるいは看護師(医者の監督の下で)しか行えません。限時法で何とかならないものでしょうか。

米ソの冷戦終結で脅威は核から生物化学兵器へ。90年代、湾岸戦争時イラクが生物化学兵器を製造したり、日本でオウム真理教が炭疽菌を屋外散布する事件などがあり、世界各国は危機感を強めこぞって軍需由来のワクチン開発を始めました。短期間での生産が可能で変異にもすぐ対応できるワクチンを、ということで開発された新しい技術がmRNAワクチン(m=メッセンジャー)。従来のように病原体ウィルスを弱毒化や不活性化して注射するのではなく、脂質の膜で包んだmRNAを注射し細胞に抗原となるウィルスのたんぱく質を作らせ免疫反応を引き起こす方法です。実績がなく安全性の検証が必要ではありますが…




 

2021年1月

おめでとうございます、院長の藤原です。コロナ禍によるスポーツ界の自粛・延期でどうなるんだろうと心配していた実業団駅伝と箱根駅伝でしたが、沿道で応援しない(自粛?)ということで何とか開催されました。実業団は旭化成の五連覇を阻んだ富士通の12年ぶり3回目の優勝。東京オリンピックのマラソン代表に内定している中村匠吾選手をはじめとする豪華メンバーで、2区の外国人選手がかすんで見えるほど。この駅伝は何年か前に箱根を走っていた選手が何人もいて懐かしさがこみ上げてきます。4区では34歳のベテラン佐藤悠基選手がかつての区間賞男の片りんを見せ、中村選手に14秒差をつけ見事に区間賞を獲得しました。箱根は青学大の連覇を阻んだ駒沢大が13年ぶり7度目の優勝。ネットなどで評判の悪い大八木監督の激励「男だろ!」を久々に聞きました。青学は往路でブレーキが続き12位と沈み復路で盛り返したものの総合3位。2位は就任2年目の榎木和貴監督率いる創価大。最終10区残り2kmまでは首位だったのですが駒沢大に逆転されてしまいました。残念でしたがフロックでないことは明らか。来年もトップ争いに絡んでくれることでしょう。

さてコロナは年が改まっても依然として猛威を振るい留まるところを知りません。政府は11都府県に来月7日までの緊急事態宣言を発令しましたが、全国で30万を超えた感染者数の増加を抑えることができるのか。医師や看護師の使命感に甘えた政策では限度があります。もう少し医療に財源をつぎ込んでもらえないものでしょうか。ベッドの数だけ増やしても意味がないのですが。

国民は今年もマスクの一年。豊橋科学技術大学が昨年10月にスーパーコンピュータ「富岳」を使ったシミュレーションによるマスクやフェイスシールドの効果を発表していますが、吐き出し飛沫量については、不織布は8割捕集するがウレタンは半分しか捕集していない、マウスシールドはほとんどが出てしまっている、という結果でした。吸い込み飛沫量については、不織布は7割ブロックできているが、布やウレタンは3~4割のブロック、フェイスシールドは効果なし、という結果でした。

ウレタンの穴の大きさは5μm程度ですので30μmのスギ花粉や5μm以上の水分を含んだ飛沫はブロックできますが、水分が蒸発した飛沫核やPM2.5などの空気中に数時間漂う「マイクロ飛沫」はブロックできません。湿度の影響は大きいようです。ただどのマスクでも最も大事なのは「隙間」を極力なくすことだということは間違いありません。



 

2020年12月

こんにちは、院長の藤原です。みなさんも例年とは違う年末をお迎えのことと思います。中国湖北省武漢で原因不明の肺炎患者が報告されたというニュースを聞いた時にはまさかこんな一年になるとは想像もしていませんでした。現在感染者が急増し医療提供体制は崩壊し始めてしまいましたが国会は閉会、この先どうなっていくのでしょう。

青学の大会新記録(箱根駅伝)で幕を開けた2020年。新型コロナ関連の話題が多くなりますがざっと振り返ってみると、1月中旬に日本でも新型コロナの感染患者、2月には初の死亡者が確認され、街ではマスクが品切れとなりトイレットペーパーの不足騒動に発展。月末には文科省が小中高の一斉休校を要請する通知を出す事態に。3月に高校野球の春夏中止が発表されるなどスポーツ界でも延期や中止の決定が相次ぎ、東京五輪・パラリンピックも延期が決定。山手線と京浜東北線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」(東京都港区)が開業。4月には7都府県で緊急事態宣言が発令(5月下旬解除)。政府から「アベノマスク」の配給が開始。6月、「東京アラート」発動。7月、レジ袋有料化スタート、都知事選で小池百合子氏が再選、藤井聡太七段が史上最年少タイトル獲得。8月、安倍首相が持病悪化を理由に辞任表明、東京都練馬区の遊園地「としまえん」が94年の歴史に幕を下ろし閉園。9月、大坂なおみが全米オープン優勝、白人警官に殺害された黒人らの名前入りのマスク着用で人種差別を問題提起する姿が話題に。菅義偉氏が自民党総裁選を制し第99代首相に就任、新内閣が発足。10月、菅首相が日本学術会議が推薦した新会員候補のうち6人を任命拒否。アニメ映画「鬼滅の刃」国内最速で興行収入100億円突破。11月、大阪市を廃止し4特別区を新設する「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が行われたが僅差で否決。福岡ソフトバンクホークスが読売巨人軍を破り、4年連続11度目(南海、ダイエー時代含む)の日本一。

そして今月、2014年に打ち上げられた探査機「はやぶさ2」がはるかかなたの小惑星「リュウグウ」から地球に戻る旅を開始してから約一年、採取した地下物質や気体の入ったカプセルが地球に帰還し、回収に成功。暗い話題の多かった一年ですが最後を夢のある話題で締めることができました。遠くなる時は地球と太陽の距離 (1億5千万km)の2倍以上離れる「リュウグウ」の直径はわずか700mだとか。月の5000分の1か…



 

2020年11月

こんにちは、院長の藤原です。いつの間にか冬の気配を感じるようになりましたが、低温・低湿度好きのウィルスは北半球の欧米で再び猛威を振るい始めました。感染者数は春の第一波を軽く超えているようです。GoToキャンペーンで浮かれている日本にも第二波に続き第三波が押し寄せてくることになるでしょう。コロナに対する政府の医療対策は盤石というにはほど遠いものです。医療関係者の心配が杞憂に終わればいいのですが。

先月、作曲家筒美京平さんの訃報が報道されました。日本音楽界は過去に優れた作曲家を何人も排出していますが、その中でも筒美さんがダントツでナンバーワンだと評価している私は、訃報を聞き体の力が一瞬抜けてしまいました。そして初期の報道で「サザエさんの曲を作った」とだけ紹介されていたので、筒美さんを知らない方が抱くイメージを心配していましたが、その後代表曲がいくつも紹介されるようになり、安堵の日々となりました。筒美さんの曲と共に生きてきたものにとっては、過去の思い出のBGMに筒美さんの曲が流れます。筒美さんが27歳の時に作った「ガールフレンド」、28歳「粋なうわさ」、30歳「また逢う日まで」「真夏の出来事」、31歳「さすらいの天使」、32歳「早春の港」「森を駆ける恋人たち」、35歳「木綿のハンカチーフ」、36歳「想い出の樹の下で」、43歳「夏のクラクション」、47歳「君だけに」、53歳「人魚」、63歳「AMBITIOUS JAPAN!」。筒美さんの作曲は、作詞家の書いた紙上の言葉に命を吹き込みます。この言葉なのでこのメロディになったという必然性が感じられる作り方でした。コード進行で作った安易な曲が巷にあふれている昨今、もうこのような偉大な作曲家は現れないんだろうなあと遠くを見つめてしまいます。筒美さんの曲を長きにわたりリアルタイムで味わえて幸せでした。合掌。

さて先月末政府が今年度の文化功労者20人を発表しましたが、その中にすぎやまこういちさんの名前がありました。「おお」と叫びながら業績を見ると何と「ドラゴンクエストシリーズの音楽を担当した」とあります。「えっ?」私の中では東大中退であのザ・タイガースの名付け親。「恋のフーガ」「シーサイド・バウンド」「君だけに愛を」「銀河のロマンス」「亜麻色の髪の乙女」「学生街の喫茶店」…。




 

2020年10月

こんにちは、院長の藤原です。冬に向けてのコロナ対策が急がれる中、今月から東京都がGoToトラベルに追加されました。私は利用する機会がなさそうなのですが、さっそく旅行の計画を立てている方も多いと思います。万全の感染対策で秋を満喫してきてください。 

インフルエンザや新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ最も効果的な方法のひとつは、手を洗うこと。今では感染対策として誰でも知っていることですが、昔から常識だったわけではありません。19世紀にはなんと非常識だったのです。ハンガリーの医師イグナッツ・フィリップ・ゼンメルワイスはウィーン総合病院産科長の時、医師に「手洗い」をさせることで女性患者の産後の発熱による死亡率を激減させることに成功しました。これをもって「手洗いが衛生予防になる」と主張したのですが、まわりの医師達にはまったく受け入れられません。当時は今日とは違い、医師に診察の前に手を洗う習慣はなく、また「病原菌」や「感染」という概念もなく、病気は体の中の「基礎体液」のバランスが崩れるため起こると信じられていたためです。医学界からは、「妊婦を診断する前に毎回手を洗うなんて面倒過ぎる」「自分たちが原因で多くの死を引き起こしているわけがない」「自分たちの職業はきわめて神聖であるので手が汚れているなどということはあり得ない」と猛反論される始末。そしてプライドの高いウィーン医師会の重鎮らの怒りを買い、病院勤務の契約を打ち切られハンガリーに戻ることになります。帰国後勤務した病院では、手と医療器具を洗浄するという彼の消毒法によって産後の死亡率を下げ国内では実績を上げますが、国外では依然として彼の説は否定され続けます。晩年、神経衰弱と思われる症状に悩まされ精神状態は悪化し、1865年に47歳で死亡。ゼンメルワイスの名誉が回復し始めたのは、死から四半世紀後19世紀末に彼の説がパスツールやコッホらの「細菌の発見」により証明されてからでした。ウィルスの発見はさらにその後になります。

通説にそぐわない新事実を拒絶したり、これまでの知識から説明できない事実を受け入れないことを「ゼンメルワイス反射」と言います。


 

2020年9月

こんにちは、院長の藤原です。新型コロナは依然として私たちの生活に大きな影響を与えています。7月には感染者が急増し現在感染者数が15000を超え「第二波が来たか」と言われていましたが、8月頭をピークに減少傾向に転じ今月に入って8000を切っています。少し安心してしまいますが、第一波のピークが約9000だったのを思い返すとまだまだ高い数字であることは確かです。警戒に「緩み」が生じれば再び感染拡大することになるでしょう。また秋以降には季節性インフルエンザの流行が想定されます。発熱症状を訴える患者が医療機関に殺到し現場が混乱する事態をどう防ぐのか。今回より大きな波がきた時にどう対処するのか。減少傾向の今こそ早急な対策を考えておくことが必要なのですが…

さて、7月に棋聖を獲得し「タイトル獲得最年少記録」を更新した藤井聡太七段は、8月にも木村一基王位から4勝0敗のストレート勝ちで王位を奪い、「タイトル2冠保持」と「八段昇段」の最年少記録更新を成し遂げました。これで将棋の8つのタイトルは、「名人」「棋王」「王将」が渡辺明、 「竜王」が豊島将之、「叡王」「王座」が永瀬拓矢、そして「王位」「棋聖」が藤井聡太という4人で分け合う構図になりました。現時点での将棋界の4強といっていいと思います。しばらくはこの4人が将棋界を引っ張っていくことになるのでしょう。

一方囲碁界では、3年前に井山裕太が独占していた7つのタイトルのうち、「本因坊」「棋聖」「天元」は井山裕太がそのまま連覇中で、「名人」「王座」「十段」を芝野虎丸が保持している状態。あと一つの「碁聖」を争う碁聖戦五番勝負第三局が先月14日に行われ、一力遼が三連勝で羽根直樹から碁聖を奪い取りました。仙台市出身の一力新碁聖は中学1年生でプロ入りした逸材。2014年に史上最年少新人王。タイトル戦は16~18年に天元戦、王座戦、棋聖戦で計5回の挑戦権を獲得するもいずれも井山裕太に敗れてしまいましたが、今回6回目のタイトル挑戦でついに宿願を果たしました。一力新碁聖は棋士として活躍する傍ら、16年に早稲田大社会科学部に入学。今春、同大を卒業し、東北地方を拠点とする有力新聞社の河北新報社に入社。この河北新報社の社長は代々世襲で、一力新碁聖は現社長一力雅彦の一人息子です。現在東京支社編集部の記者として活動していますが、将来はどうするのでしょう。勝手に心配しています。


 

2020年8月

こんにちは、院長の藤原です。長く続いた梅雨もようやく明け、いよいよ本格的な夏がやってきました。今年は日差しの強さだけでなく、目に見えないウイルスやマスクの煩わしさとも戦わなければならない過酷な夏になりそうです。歯医者はマスクやフェイスシールドを一日中着用して仕事をしていますので特に違和感なく過ごせますが、ふだん慣れていない方は暑くて大変でしょう。

春の流行時には10000に届かなかった新型コロナによる「現在感染者数」ですが、今月はなんと15000を超えてしまいました。「累計感染者数」も約50000。冬の流行に備え、関係医療機関のハード・ソフト両面からの整備に予算をつぎ込まなければいけない時期に、感染者の母数がどんどん増加し、県によっては医療崩壊寸前のところもあるようです。充実した医療あっての経済活動なのではと心配になります。

さて、明るい話題はないかと目を転じると、将棋界でいくつかの記録が塗り替えられていました。先月16日に藤井聡太七段が渡辺明棋聖を3勝1敗で破り17歳11カ月で棋聖位を獲得。屋敷伸之九段の持っていた「タイトル獲得最年少記録」を30年ぶりに7カ月縮めるという偉業を成し遂げています。藤井棋聖は木村一基王位との王位戦も目下3連勝でタイトル獲得に王手の状態。もし第4局に勝利すれば、18歳1カ月での棋王と王位の「タイトル2期獲得」となり、羽生善治九段が持つ「タイトル2期獲得最年少記録」21歳11カ月を28年ぶりに3年以上更新することになります。また、「タイトル2期獲得」は八段昇段の規定でもあるので「最年少八段誕生」となり、あの加藤一二三九段が昭和33年に「順位戦A級昇級」という昇段規定で八段になった18歳3カ月を2カ月更新することとなります。

この「タイトル2期獲得」という八段昇段規定は2018年6月に新たに加えられた規定で、他の規定は先ほどのひふみんの「順位戦A級昇級」と「竜王位1期獲得」と「七段昇段後公式戦190勝」。藤井聡太棋聖の師匠の杉本昌隆八段は七段昇段後公式戦190勝を挙げ、昨年2月に八段に昇段しました。
 

2020年7月

こんにちは、院長の藤原です。新型コロナウィルスの感染者数は世界で1000万人に達し、死者数は50万人を超えました。一時1000人を切っていた日本の現在感染者数は今月に入ってまた1000人を超え増加しています。そして東京では新規感染者数が200人を超える日が続いています。経済の復興を考えなくてはならない時期ではありますが、医療崩壊を避けるための整備にもっと予算をつけてもらえないものでしょうか。

さて、この新型コロナのおかげで新年度の対局が延期となっていた将棋界は、先月から様々な棋戦の対局が始まっています。注目の藤井聡太七段は、棋聖戦挑戦者決定戦で「軍曹」永瀬拓矢二冠(叡王・王座)に勝ち、「タイトル戦初挑戦最年少記録」を31年ぶりに更新。これまでの記録は「おばけ」屋敷伸之九段の持っていた17歳10カ月24日ですが、これより4日短い17歳10カ月20日で達成です。新型コロナの騒ぎがなければもう少し短い記録になっていたかもしれないのですが、対局がなかったおかげでじっくり自分の将棋を見直すことができさらにパワーアップしたとの評もあります。「将棋の渡辺くん」でおなじみの「魔王」渡辺明三冠(棋王・王将・棋聖)との五番勝負は先月8日から始まりました。さらに王位戦挑戦者決定戦でも永瀬二冠に勝利し挑戦権を獲得。「中年の星」木村一基王位(47)との七番勝負は今月1日から始まっています。次はどうしても「タイトル初獲得最年少記録」の更新に注目が集まってしまいますが、これまでの記録は屋敷伸之九段(48)が平成2年に打ち立てた「18歳6か月」。藤井七段は今月で「17歳11か月」なので、現在行われている「棋聖戦」「王位戦」どちらでタイトルを獲得しても記録更新となります。順位戦や他の棋戦の予選などもあり超過密日程の藤井七段ですが、まだ高校生。若さで乗り切ってくれることでしょう。

かつて将棋界最高峰のA級に18歳3カ月で昇級し八段となったとんでもない棋士がいました。誰でしょう? 名人などのタイトルは8期獲得。NHK杯将棋トーナメントをはじめとする一般棋戦での優勝は23回。通算1324勝の棋士。そう、あの「ひふみん」です。


 

2020年6月

こんにちは、院長の藤原です。新型コロナウィルスの感染者数は世界で700万人に達し、死亡者数は40万人を超えました。「現在感染者数」という指標がありますが、日本はゴールデンウィークの頃の1万人をピークに減少し、現在1000人程度に収束。ただ死亡者数は900人を超えています。東京では継続されていた緊急事態宣言が先月25日に解除となり、繁華街に人の流れが少し戻ってきたか。

感染症に対しては「集団免疫」という考え方があります。病原体に対する免疫を持った人が一定割合に達すると感染の拡大を抑えることができるということです。スウェーデンは、医療崩壊が起きないよう配慮しながら緩やかに軽度の感染者を増やして集団免疫の獲得を目指す、すなわち感染を完全に封じ込めるのではなく第一波、第二波を医療機関の能力内に抑えながら感染者を増やしていくという長期戦略をとっています。イギリスとオランダもスウェーデンと同じ考えで当初緩い対策をとりましたが、イギリスは被害が拡大し、すぐに方針を撤回しました。人の免疫には自然免疫と獲得免疫があるのですが、どうも自然免疫が強い人は獲得免疫なしでもウィルスを撃退できているのではないかと言われています。そして自然免疫は様々な刺激によって強化される。話題の「ファクターX」は自然免疫を強化している何かなのではないでしょうか。結核のワクチンであるBCGが自然免疫を強化しているのではないかとの説もありました(否定的な報告もあり)。集団免疫の獲得には感染やワクチンによる獲得免疫である有効な抗体(免疫グロブリンimmunoglobulin《略Ig》)産生だけでなく、自然免疫の強化も合わせて考える必要がありそうです。そしてこれから何度もあるであろう感染の波を許容範囲内で小さく抑え、獲得免疫に関しては世界で研究が急ピッチで進んでいるワクチン開発・実用化が待たれるところです。

ワクチンと言えば、今から20年ほど前、将棋の丸山忠久九段は当時猛威を振るっていたゴキゲン中飛車に対し、早めに角交換する「丸山ワクチン」と呼ばれる作戦で星を稼いでいました。
 
 
 

2020年5月

こんにちは、院長の藤原です。世界の新型コロナウィルスの感染者は400万人に、死者は30万人に届こうとしています。日本でも感染者は15000人、死者は600人を超えました。
現在、既存薬で効果のあるものがないか世界中でしらみつぶしに探している最中ですが、大村智先生(2015ノーベル医学生理学賞受賞)が開発に貢献した抗寄生虫薬「イベルメクチン」に新型コロナウイルスの増殖を抑える効果があるのではないか、との報告がありました。また過剰な免疫反応(サイトカインストーム)によりさらに重篤な肺炎に陥ってしまうケースには、間接リウマチなどの治療薬「アクテムラ」が効果があるのではと、本庶佑先生(2018ノーベル医学生理学賞受賞)が提言しています。

さて、連休までとされていた緊急事態宣言は今月末まで延長されることになりました。巷では「集・近・閉」というブラックジョークまで出てきた「三密を避ける」や「手洗いの励行」「外出の自粛」が叫ばれていますが、一般論として感染症は「1カ月、2カ月頑張って自粛すれば収束する」ものではなく、「集団免疫を獲得するか有効なワクチンが開発されれば収束する」とされています。どんな感染症もほとんどの人々が感染しないと血液中に抗体ができず、ただ“隔離”をして抗体のない人を増やしても、またいつか感染は再燃します。1918年のいわゆるスペイン風邪の第一波は夏に自然に収束しましたが、9月頃より始まった第二波で肺炎を起こして重症化する人が続出し、大量の死亡者を出してしまいました。この流行は翌年3月以降の第三波まで続きますが、その後人類の大部分が感染し免疫を獲得したことで自然と流行は収束しています。

開発が急がれるワクチンには、BCGでお馴染みの「生ワクチン」、インフルエンザなどの「不活性化ワクチン」、破傷風などの「トキソイド(不活性化ワクチンの一種)」の3種類がありますが、これまでざっと「10年、1千億円」と言われていたワクチン開発が今回はどうなるのか、気になるところです。


 

2020年4月

こんにちは、院長の藤原です。この一カ月、いや一日一日、世の中はとんでもないことになってきています。現時点で、新型コロナウィルスの感染者数は世界で170万人に達し死者数は10万人を超えています。日本でも感染者数は7000人を超え死者数がすでに100人を超えました。ついに政府は7日、7都府県に対し「緊急事態宣言」を発令。これにより対象の都府県知事が住民に対して、外出自粛要請、人が集まる施設に対しての休業要請、仮設病院設置のための土地収用などの「要請・指示」を行うことができます。これまでの「呼びかけ・お願い」より強いものとなりますが、はたして補償を伴わない休業要請で大きな効果が期待できるのか。

治療薬やワクチンの開発はどうなっているのでしょうか。新薬を一から作るのは難しく、とりあえず「ドラッグ・リポジショニング」という既存薬を転用するアプローチで治療薬の開発が進められています。エボラ出血熱の治療薬として開発されていた抗ウイルス薬レムデシビル、抗インフルエンザウイルス薬ファビピラビル(「アビガン」)、HIV感染症に対する治療薬として承認されているロピナビル/リトナビル配合剤(「カレトラ」)、実験で強いウイルス活性を持つことが示されている喘息治療薬シクレソニド(「オルベスコ」)、などのニュースをご覧になった方も多いと思います。他に既存薬ではありませんが、COVID-19から回復した人の血液から抽出された回復期血しょうや高免疫グロブリンによる治療薬も治験が始まっているようです。

ワクチンの開発も待たれるところで、すでに世界中で行われ治験を始めた企業・研究機関もあります。ただ健康な人が病気を予防するものであるがゆえ安全性を確かめるのに時間を費やし、実用化にはどうしても数年かかってしまいます。一般論として、医薬品メーカーは新薬の開発を、時間と資金を費やす価値があるかどうかで判断します。実際、すぐに終息したSARSや感染拡大が緩やかだったMERSに対してのワクチンは開発されていません。



 

2020年3月

こんにちは、院長の藤原です。新型コロナウィルスの感染拡大はとどまるところを知らず感染者数は世界ですでに10万人を超えました。わが日本でも各種イベントが次々に中止になり、観光地からは人が消えています。日本各地で感染源が特定されない感染者が日々増えていく、感染者がいつどこにいるかわからない、という状況で、いろいろな情報が入り乱れています。デマ情報によるトイレットペーパーの買い占め騒動では、47年前の「オイルショック」を思い出した方も多いのでないでしょうか。衛生材料の生産の大部分を中国に頼っていた日本では、マスクの品薄が深刻な問題となってきました。特に医療従事者の使用する特殊なマスクの品薄は、これから増えるであろう感染者の検査において切実な問題です。

WHOは先月、新型コロナウィルス(2019-nCoV、nは今までにないという意味のnovelの略)による感染症を「COVID-19」と名付けました。「Coronavirus Disease 2019」の略で「2019年に確認されたコロナウィルスによる病気」ということになります。SARS (Severe Acute Respiratory Syndrome重症急性呼吸器症候群)やMERS (Middle East Respiratory Syndrome中東呼吸器症候群)と同列の扱いなんですね。(“respiratory” とは「呼吸(器)に関する」といった意味の医療系の単語、”respirator”は人工呼吸器) ヒトに感染するコロナウィルスは風邪の原因ウィルス4種類とこのSARSやMERSのウィルスが知られていますが、国際ウイルス分類委員会はこの新型コロナウィルスを、SARSを引き起こすウイルス(SARS-CoV)の姉妹種であるとして「SARS-CoV-2」と名付けました。

ウィルスには、新型コロナウィルスのように外側がエンベロープ(envelope)と言われる幕で覆われているものと、ノロウィルスのように覆われていないものがあります。このエンベロープは大部分が脂質からできているため、アルコールや石鹸など脂質を溶解する消毒薬で破壊することができます。感染予防にはしっかりとした手洗いが大事とされる所以です。
 

 

2020年2月

こんにちは、院長の藤原です。メディアは先月からの新型コロナウィルスの話題であふれかえっています。ピークはまだこれからのようですが、オリンピックに影響が出ないように祈るばかりです。

さて、オリンピックイヤーの今年は、2月29日がある、「うるう(閏)年」です。太陽暦と地球の自転速度にズレがあるため1年は厳密には365.24219日。言い換えると、365日5時間48分45秒。このズレを修正するために、4年に1度1日増やしているわけです。身の回りに2月29日生まれの人がいると、「4年に1回しか歳をとらなくていいね!」と言われますが、実際はそんなことはありません(笑)。日本には、年齢を決める「年齢計算ニ関スル法律」があり、私たちが年をとるのは誕生日の前日が終了する24時と決められています。つまり、うるう年の2月29日に生まれた人が年をとるのは、2月28日が終わりを迎えて24時になった瞬間です。タイミングとしては3月1日の人と同じです。ちなみに、あのスカイツリーも約3年半をかけて2012年2月29日に完成しました。記念日として覚えやすく、入籍日としても人気なようです。逆に2月29日生まれの人の役所への出生届を、誕生日をずらして28日生まれまたは3月1日生まれとすることも可能だそうで。

なぜうるう年で追加される1日が、2月なのでしょうか。これは、約2700年前の古代ローマで暦上の3月を1年のスタートとして定められていたからなんだそうです。そして「4で割り切れる西暦年はうるう年」なんですが「100で割り切れる西暦年は平年(通常通り)」。しかし 「400で割り切れる西暦年はうるう年」。つまり、うるう年とは「4年に1度ある」というよりも、「400年に97回ある」という表現が適切なのだということになります。ではこの先はどうなるのでしょう。2000年はうるう年でしたが、ルールからすると、直近では2100年がうるう年にはならないようです。西暦の下2ケタが「00」になるときは注意! といっても、関係ないか…



 

2020年1月

こんにちは、院長の藤原です。あけましておめでとうございます。令和になって初のお正月で、干支も十二支の中で最初のネズミ。何となく気持ちがリセットされたような気がします。

年始のスポーツ界はというと… まず、ニューイヤー駅伝で旭化成が4年連続25度目の優勝。服部勇馬擁するトヨタ自動車に一時トップを奪われるも、高卒2年目の小野が逆転し鎧坂で逃げ切りました。新国立競技場の「こけら落とし」として行われたサッカー天皇杯決勝はヴィッセル神戸が鹿島に勝ち初優勝。イニエスタ、ポドルスキ、ビジャ、フェルマーレンなど世界の超一流に加え、国内から西、山口に、秋から酒井、藤本と、集めまくったチームがクラブ史上初のタイトル獲得を成し遂げました。外国人枠の関係でサンペールがベンチ入りできないという贅沢さ。これに飽き足らず、さらにダビド・シルバや元ドイツ代表FW、マリオ・ゴメスの獲得に動いているという噂もあります。サッカー界の読売巨人か(笑) 箱根駅伝は青学大が2年ぶり5度目の総合優勝しました。東海大が前回優勝タイムを4分弱縮めたにもかかわらず2位となってしまうという超高速レースになった要因は何か? どうもシューズが関係しているようです。ほとんどの選手があの「ナイキ」の「厚底シューズ」を履いていました。参加210選手の着用率は約85%。10区間中7区間で「区間新記録」が飛び出しましたが、そのうち6つはこの「厚底シューズ」がたたき出したものです。現在のモデルは3世代目の「ナイキズームXヴェイパーフライネクスト%」。この3世代目「厚底シューズ」、ピンク色が有名ですが、12月に発売された「EKIDEN PACK」コレクション用の新色で〈オーロラ〉と呼ばれる薄いブルーとオレンジのコンビネーションで左右のカラーが微妙に違っているやつを履いている選手(メーカー提供か?)もかなりいました。

10区の創価大2年嶋津雄大は1時間8分40秒の区間新記録を叩き出し、11位から9位まで順位を上げシード権を獲得する見事な爆走を見せましたが、履いていたのは白いシューズでした。「ミズノ・マキシマイザー」の新製品ではないかと言われています。



 

2019年12月

こんにちは、院長の藤原です。令和元年も年の瀬を迎え、なんとなく気忙しくなってきました。院内の音楽はジョン・レノンからクリスマスソングへ。もうこの季節が来てしまったか、1年経ったんだなあとため息をつきます。

さて、今年もいろいろな出来事がありました。独断と偏見で振り返ると… 1月、箱根駅伝で青学の連覇が途絶え東海大の逆転優勝。大坂なおみが全豪オープン優勝。ランキング世界1位に。2月、JAXA「はやぶさ2」が小惑星リュウグウへの着陸成功。3月、イチロー(46)が現役引退を発表。4月、タイガー・ウッズが11年ぶりメジャー優勝。5月、新天皇が即位、元号が「令和」に。6月、将棋の羽生善治九段が歴代単独1位の1434勝目を記録。吉本興業の「闇営業」問題勃発。香港で「逃亡犯条例」改正案めぐり大規模デモ。八村塁が日本人初となるNBAドラフト1巡目指名。7月、アニメ制作会社「京都アニメーション」で放火事件。「令和の怪物」大船渡・佐々木投手が監督判断で登板回避し予選敗退。8月、昨年プロストに合格したばかりの渋野日向子(20)が全英女子オープン初優勝。茨城県常磐自動車道でのあおり運転で指名手配の男を逮捕。9月、ラグビーW杯日本大会が開幕。山梨のキャンプ場で7歳女児が行方不明に。未だ見つからず。10月、消費税が10%に。リチウムイオン電池を開発した吉野彰氏がノーベル化学賞受賞。ラグビーW杯日本代表がアイルランド、スコットランドを破り予選リーグ突破。沖縄・首里城で火災、本殿など含め7棟消失。11月、東京都がマラソン&競歩の札幌開催を容認。政府主催「桜を見る会」に安倍首相の後援会関係者が多数招待されるなどの私物化指摘。12月、将棋の豊島将之名人が竜王も奪取、史上4人目の「竜王・名人同時保持者」に。

政治家の失言・不祥事、芸能人の薬物法逮捕、有名人の訃報も多かった一年でした。それでは皆様よい年をお迎えください。

2019年11月

こんにちは、院長の藤原です。肌寒い日が多くなり、上之根大通りにそびえる街路樹の紅葉が美しい季節になりました。秋から冬にかけての季節の移ろいが感じられる時期です。

9月20日に始まったラグビーW杯は、日本中に膨大な数の「にわかラグビーファン」を生み出し今月2日の決勝戦で幕を閉じましたが、テレビやネットではいまだにラグビーの話題で盛り上がっています。「これまで知らなかったラグビーのルールが少しわかるようになった」「前大会の時は五郎丸しか名前と顔が一致しなかったが今回は何人もわかるようになった」という声をあちこちで耳にします。ラグビーをやりたいという子供もこれから増えるのではないでしょうか。わが日本は、予選リーグこそアイルランドとスコットランドを撃破するという快挙を成し遂げ全勝で勝ち上がってきましたが、決勝トーナメント初戦の準々決勝で南アフリカに敗れてしまいました。毎試合対戦相手に合わせた攻撃の作戦を立て日本を勝たせてきた名作戦参謀トニー・ブラウンをしても南アフリカの守備を崩すことができなかったようです。そして、あのニュージーランドオールブラックスは準決勝でエディ率いるイングランドに苦杯をなめ、決勝は南アフリカとイングランドの対戦。結果はご存知の通り、32―12で南アフリカの12年ぶり3度目の優勝となりました。3度の世界タイトル獲得はニュージーランドに並んで史上最多になります。前大会の初戦で日本に歴史に残る敗戦を喫しましたが、今回も初戦でニュージーランドに敗れるという立ち上がり。しかし徐々に調子を上げ「予選で黒星がついた国は優勝できない」というジンクスを吹き飛ばしました。

日本のベスト8進出で日本中に巻き起こった興奮は、年明けに始まる国内リーグ(トップリーグ)へと引き継がれます。一躍有名になった日本代表の選手だけでなく、今大会に出場した各国のW杯戦士が何人も新加入してプレーすることになりそうなんです。2連覇を狙う神戸製鋼には、オールブラックスの巨漢ロック、ブロディ・レタリックが加わります。昨季から加入している「オールブラックス伝説の10番(スタンドオフ)」の異名を持つダン・カーターとともにラグビーファンを魅了するプレーを見せてくれることになるでしょう。
 

2019年10月

こんにちは、院長の藤原です。うだるような夏の暑さが影を潜め、やっと朝晩は涼しくなってきたなあと思っていたら、今年もこの時期大型台風の到来です。温暖化の影響か年々台風が大型化し、全国各地の被害も大きくなっているようです。
 
先月20日から始まったラグビーW杯はプール戦(1次予選リーグ)が終了しベスト8が出そろいました。わが日本は何と(!)強敵アイルランドとスコットランドを撃破し、プールAを4戦全勝で1位通過。日本中が総ラグビーファン状態となってしまっています。球技の中で最も「まぐれ勝ち」が少ないと言われているラグビーですが、思い起こせば4年前、それまでW杯通算1勝、2引き分けを挟んで16連敗中だったランキング13位の日本が、過去2回のW杯優勝経験を持つランキング3位の南アフリカを34-32で破るという信じられない事件が起こりました。「初戦だった」「相手が多少なめていた」という要素はあったとしても、それなりの力がなければとても勝てる相手ではありません。ただ前回はその後スコットランドに45-10で大敗しボーナスポイントの関係で惜しくも予選突破できずに終わります。そして今回また同じ予選グループとなったスコットランドと最終戦で当たる因縁。過去1勝10敗。W杯では3連敗。唯一の1勝は平成の初め、キャプテンの平尾がバックスのセンターをやっていたチームがもぎ取ったものです。代表メンバーには社会人だけでなく大学生も数人いました。太田、藤田、田倉の第一列。ロックの林、大八木。フランカー梶原、中島。ナンバー8ラトゥー。堀越、青木のハーフ陣にバックスの吉田、平尾、朽木、ノホムリ。フルバック山本。30年も前のことですが選手の名前を聞くと当時の興奮がよみがえってきます。

最近の負けパターンは、自陣で反則しレイドローにPGを決められズルズルと点差が開いていくというものでしたが、今回は反則が少なく(反則を犯さないことをラグビー界では「規律を守る」というようです)、流れがいつもとはまったく違いました。初のベスト8進出。次は20日に行われる南アフリカとの準々決勝ですが、この日は3年前に胆管細胞癌で亡くなった平尾誠二氏の命日です。

2019年9月

こんにちは、院長の藤原です。9月は暦の上では秋ですが、まだまだ暑い日がしばらく続きそうだとの予報が出ています。ビールの美味しい時期は続きます。毎年この時期になると、夏休みの宿題を必死でやっている夢を見るのですが、いったい何歳になったら見なくなるのでしょうか。
 
さて、今月20日にラグビーW杯が始まります(~11月2日)。今回で9回目となるラグビーW杯(サッカーは昨年のロシア大会が21回でした)ですが、アジアでは初開催、またラグビー伝統国以外での開催も初ということで、日本のラグビーファンにとってはたまらない44日間になりそうです。グループAのわが日本は、9月20日に東京スタジアム(味の素スタジアム)でロシアと、28日に静岡県袋井市の小笠山総合運動公園エコパスタジアムで欧州王者アイルランドと、10月5日に愛知県豊田市の豊田スタジアムで環太平洋の雄サモアと、13日に横浜国際総合競技場(日産スタジアム)で欧州6強の一角スコットランドと対戦します。日本を率いるのは2016年9月就任したジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)。ニュージーランド(NZ)代表でプレーした後、日本の社会人リーグに所属し、日本代表としても1999年のラグビーW杯に出場。その後指導者となり2011年より世界最高峰リーグであるスーパーラグビーのハイランダーズのヘッドコーチに就任し、2015年には優勝も経験しています。
 
NZ代表と言えば、そうオールブラックスですよね。今回優勝すればW杯3連覇。黒いジャージが印象的ですが、特徴的なのはなんといっても試合前のあの踊り「ハカ(Haka)」。オセアニア地域の先住民族は戦いの前に戦意高揚や相手を威嚇するため「ウォークライ(WarCry戦いの叫び)」を踊るのですが、NZ先住民族マオリ族のウォークライが「ハカ」。NZでは、子供の頃からハカを覚え、結婚式、お葬式、歓迎式など特別な行事の際に披露するのだそうです。日本のエールみたいな感じでしょうか。
 
バブルの頃、中外製薬グロンサンDXのCMで「頑張って、頑張って…」と真似をするやつがありましたが、本物はマオリ語で「Ka mate、Ka mate(「私は死ぬ」の意)…」と言っているんだとか。
 

 

2019年8月

こんにちは、院長の藤原です。長い梅雨がようやく明けたと思ったら、連日の猛暑。モールの建物の中に入った途端、生き返った気がします。こんな暑い日にはアイスが一番!なんですが、あれっ?「アイスクリーム」と「ソフトクリーム」と「シャーベット」ってどう違うんでしたっけ?

一般的に私たちがアイスクリームと呼んでいるものは、法律上は乳製品の「アイスクリーム類」にあたり、乳固形分と乳脂肪分で濃い方から「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクト(ラテン語で“乳”の意味)アイス」の3つに分類されています。乳固形分3.0%未満のものは一般食品の「氷菓」として「アイスクリーム類」とは別に扱われます。ガリガリ君は氷菓です。保管温度が-30℃近くの「アイスクリーム」に対し、-5~-7℃で保管されているのが「ソフトクリーム」。「ジェラート」はイタリア語で凍ったお菓子のことで、分類上は「アイスミルク」。「シャーベット」や「アイスキャンディ」は「氷菓」になります。

アイスと言えば、かき氷などの冷たいものを食べると頭が痛くなりませんか。これは医学用語でかつては「アイスクリーム頭痛」と呼ばれていました。現在の正式病名は「冷たいものの摂取または冷気吸息による頭痛」となっていますが、頭痛の機序としては2つの仮説が考えられています。①刺激が強すぎるため、冷たさを痛さと勘違いし、痛みの場所も間違えたという説。痛みの場所を間違えるのは歯科でもよくあり「連関痛」と呼ばれています。②喉元が急激に冷やされ近くの頚動脈も急速に冷却され収縮すると、体は体温を維持するため血流を増やし血管を伸展させる。この血管の急激な収縮・拡張の際に三叉神経を刺激し神経原性炎症を起こしたという説。これは片頭痛における三叉神経血管説と同じで、片頭痛患者はアイスクリーム頭痛が多いという論文もあるそうです。

二子玉川に行った時には是非、玉川高島屋S・C 南館地下1階にある「福光屋」のイートインスペースで「酒かすみるくソフト」を召し上がってみてください。癖のある独特の味覚にハマります。
 

 

2019年7月

こんにちは、院長の藤原です。やっと梅雨らしくなってきたなと空を見上げていたら、今年も全国各地の水害のニュースがいくつも飛び込んできました。報道される映像を見るたびに衝撃の連続です。いざという時のために自分もしっかり準備をしておかなければ!と、改めて気が引き締まります。
 
先月20日(日本時間21日午前)、米プロバスケットボール協会(NBA)のドラフト会議で、八村塁(21、ゴンザガ大)が首都ワシントンを本拠地とするウィザーズから1巡目で指名されました。全体でも9位。現在NBAドラフトは、30チームが毎年1巡目と2巡目で計60人しか指名しない狭き門で、海外のプロスポーツという点から見ても、日本選手が最初から即戦力級と高く評価されるのは極めて異例でとんでもないことです。他のスポーツ、例えば野球やサッカーではすでに、有力な日本選手の海外挑戦が定着しています。そのフロントランナーとなったのが、野球では近鉄から95年に大リーグのドジャースに移籍した野茂英雄。その後イチローや松井秀喜ら多くの選手に引き継がれました。サッカーでは、94年にカズこと三浦知良、その4年後に中田英寿が世界最高峰のイタリア セリエA(アー)と呼ばれる1部リーグでプレー。その後、今の日本代表クラスはほとんどがドイツなど欧州のクラブに所属するようになりました。同様に、八村はバスケット界のフロントランナーの役割を果たすことになるんでしょうか。なるんでしょう。
 
世界で最も競技人口が多いスポーツは何だかご存知ですか? 正解はバスケットボール。競技人口は、全世界で何と4億5000万人! 最大競技人口を誇るのはサッカーだとばかり思っていましたが、サッカー人口は2位で2億7000万人にすぎないそうです。そして3位は意外な(?)クリケットの1億5000万人!
 
 
 

2019年6月

こんにちは、院長の藤原です。早いものであっという間に過ごしやすかった春も過ぎ、空の様子が気になる季節になってきました。梅雨の時期になると室内で過ごす時間が多くなり、部屋の中での趣味に費やす時間が増える時期でもあります。囲碁・将棋にはもってこい?
 
昨年7月豊島将之棋聖が誕生し、将棋界は8大タイトルを8人で分け合う群雄割拠の時代に突入したと昨年の8月に紹介しましたが、その後豊島棋聖は9月に菅井竜也王位を破り王位獲得、そして先月佐藤天彦名人を4-0のストレートで破り名人(第十四代)となりました。渡辺明棋王が棋王防衛後3月に王将奪取していますので、昨年7月から1年も経たないうちに、8大タイトルの半分以上をこの二人で持つことになりました。今月からこの二人による棋聖戦が始まっています。豊島にとっては初防衛戦。両者とも三冠をかけるという、まさに現代の頂上決戦と言える戦いでしょう。
 
将棋の話題をもう一つ。今月4日に羽生善治九段が通算1434勝を達成しました。大山康晴15世名人(1923-1992、69歳没)を抜き将棋史上単独1位となったのですが、この数字がどれだけすごいのか。例えば、2018年度の年間最多勝は佐々木大地五段の46勝(藤井聡太七段は45勝)ですが、仮にそれだけの超ハイペースで20年ずっと勝ち続けたとしても、920勝しかできません。野球で言うと、王貞治の通算本塁打868本に匹敵するのではないかと思うような並外れた記録です。今まで400人弱いたプロ棋士の中で、生涯成績で1000勝以上を挙げた棋士は、わずかに9人しかいないのです(もちろんひふみんも入っています)。そして羽生は、まだ48歳の若さ。将棋の棋士はその現役中にタイトルを何か一つでも取るのが夢とされていますが、そのタイトルを通算99期も獲得しているのが羽生。さらなる高みに向かって、今後とも記録は更新され続けていくでしょう。
 
大山は48歳で迎えた1971年度から、69歳、現役中に亡くなった1992年度まで、678勝をマークしています。羽生がこの先大山のペースで勝ち続ければ生涯2000勝を超えることになるのですが…
 

 

2019年5月

こんにちは、院長の藤原です。薄着で過ごせる5月は、気分も軽やかになったような気がしてきます。自然とフットワークも軽くなりますが、今年のGWは10日間の大型連休でした。皆さんも、早くからさまざまな計画を立てて、心待ちにしていたのではないでしょうか。患者さんに話を聞いてみると、旅行やドライブなど外に出かける派はもちろんですが、混雑を避けて家の中で過ごす派も意外と多い!? 「本を読んだり、DVDで映画を見たりしてのんびり過ごす」「初夏を彩る花の植え替えなどガーデニング三昧」「普段できない時間のかかる料理に挑戦してみる」など、思い思いに計画を立てていました。
 
「計画など立てずに毎日飲んだくれていたい!」という友人もいました。この友人、ワイン通で、白・赤・ロゼ(英語でローズ薔薇色のこと)しか知らない私と違い、いろいろ珍しいワインを知っているんです。例えば、フランスのジュラ地方で作られている「ヴァン・ジョーヌ」という黄色いワイン(ジョーヌは仏語で黄色の意味)。最低でも樽で6年熟成させるため、コクや味の深みを感じさせるワインとなるそうです。620mlの変わった形のボトルに入っていて、中華料理との相性が抜群だと言われています。そして「グリワイン」という灰色のワイン(グリは仏語で灰色の意味)。灰色と言っても、光の加減によって、淡い黄金色や蜂蜜色に見えたり、ほとんど白に見えたり、うすいピンクに見えたり。白ブドウの中でもあえて“グリブドウ”と呼ばれる果皮が薄い紫色のもので作られます。 フランスのプロヴァンス地方のものが世界的に有名ですが、日本でも甲州ブドウ(きれいな藤色!)がグリワインを造る品種として知られています。他には、ポルトガル北部で作られる「ヴィーニョ・ヴェルデ」という緑色のワイン(ポルトガル語で緑のワインの意味)。見た目が緑色なわけではなく、完熟前のブドウ(緑のブドウ)を用いて醸造されるのでこの名が付きました。アルコール度数が低めの微発泡ワインで、日本人の食と合っていると言われています。
 
日本では、毎月20日は「ワインの日」。フランス語で「ワイン(vin)」と「20(vingt)」がどちらも「ヴァン」と言うことが由来だそうです。1994年(平成6年)、日本ソムリエ協会によって制定されました。フランスは?特にワインの日はないようです。だって毎日がワインの日!
 
 
 

2019年4月

こんにちは、院長の藤原です。暖かく過ごしやすい季節になり、どことなく街が華やいできました。新しい生活をスタートさせる患者さんも多く、晴れやかな気持ちがこちらにも伝わってきます。
 
さて、来月からの新しい元号「令和」が今月初めに発表されました。30年少し続いた「平成」も今月末で終わり。「平成生まれ」と聞いて驚きのけ反っていた頃が懐かしく思い出されます。巷では「平成のベスト〇〇」ものが連日テレビをにぎわせ、「ああ、そういえばそんな事件あったなあ」「この歌、よく歌ったよな」と記憶を蘇らせ、昔の良き思い出に浸って溺れそうに… 医学界に目を向ければ、やはり「平成」は進歩の著しい時代で、日本はノーベル賞生理学・医学賞に4人もの受賞者を輩出しました。山中伸弥先生の「様々な細胞に成長できる能力を持つiPS細胞の作製(平成24年受賞)」と、本庶 佑先生の「免疫チェックポイント阻害因子の発見とがん治療への応用(平成30年受賞)」は日本の医者のすごさを世界に見せつけました。この先令和以降の医療はiPS細胞なしでは語れませんし、がん治療の飛躍的な進歩が現実となってきています。ざっと日本の平成の医療界を振り返ってみると… 平成元年「凍結受精卵ベビー誕生」「日本初の生体部分肝移植」から始まり、平成8年「日本初の生体小腸移植」、平成10年「日本初の生体肺移植」、平成17年「日本初の国産人工心臓手術」、平成18年「山中伸弥教授が人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製に成功」、平成26年「世界初のヒトPD-1モノクローナル抗体医薬品ニボルマブ(オプチーボ)承認」、平成29年「世界初のiPS細胞臨床適応例として網膜の細胞を移植」など、おそらく平成の時代の医学は後世に語り継がれるものになると思われます。
 
歯学の方はというと、平成の間に「インプラント」の予後成績が飛躍的に向上しました。ただ、失った歯を再建する方法として現在最も優れた手段である「インプラント」も、将来再生医療が当たり前になった時代には無くなっている治療方法でしょう。
 
 
 
 

2019年3月

こんにちは、院長の藤原です。春めいた日差しに心がほどけ、ホッとする日も増えてきました。注目の将棋界は、名人への挑戦者を決める「順位戦」が終わりに近づき、A・B1・B2・C1・C2の間での昇級・降級が次々に決まっています。
 
A級で一位となり名人への挑戦者となったのは、「豊島、強いよね!」の豊島将之二冠(王位・棋聖)。無冠の昨年は終盤で失速し挑戦権を逃しましたが、タイトルホルダーとなった今年は緩むことなく乗り切りました。佐藤天彦名人との戦いは、来月10日から始まります。藤井聡太七段の所属するC1は9勝1敗で4人が並ぶ混戦となり、順位で上位の近藤誠也五段と藤井の師匠の杉本昌隆八段がB2へ昇級となりました。師匠、お見事! ただ順位で4番目の藤井は、残念ながら連続昇級とはなりませんでした。
 
さて、スキージャンプW杯では今シーズン絶好調の小林陵侑(りょうゆう)選手(22)が、日本男子初となる総合優勝に向けて突っ走っています。1990年代に船木和喜やレジェンド葛西紀明が惜しいところまで行きましたが優勝には手が届かなかった競技です。早ければ今月の試合で決まるかもしれません。注目しましょう。
 
この小林陵侑選手、実は極度の緊張症のようで、昨シーズンまでは1回目によい記録を出しても2回目は緊張のため安定せず失敗するということを繰り返していました。極度の緊張に打ち勝つにはどうしたらいいのか。悩んだ末に取り入れたのが、脳波をコントロールするメンタルトレーニングだったそうです。脳波のバランスを整え緊張を緩和することで、今シーズン成績が良くなってきました。女子は? 2011年に始まった女子は、なんと高梨沙羅選手が4度も総合優勝しています。
 
 
 

2019年2月

こんにちは、院長の藤原です。この冬はまだ雪らしい雪が降っていませんが、今月あたりそろそろ雪景色が見れるでしょうか。ただ大雪になってしまうと患者さんが来院できなくなってしまいます(私もクリニックに来れません)ので、適度な積雪がいいのですが…
 
年頭、囲碁界に明るいニュースが飛び込みました。小学4年生の仲邑菫(なかむらすみれ)さんが、この4月から日本棋院関西総本部の所属棋士になることが決まったのです。つまり囲碁のプロになるということです。かつては圧倒的な強さを誇った日本の囲碁も、現在は世界2強の中国と韓国に大きく水をあけられている状態。日本では2度七冠を達成している井山裕太でさえも、世界ランクは23位(2019年1月現在)というありさまです。危機感を持った日本棋院は、世界を狙える能力を持つ子供の英才教育を組織的に行うことを決め、「英才特別推薦棋士」というプロ採用制度を取り入れました。菫さんはこの第1号としての採用です。有望な子供がこの人材発掘制度によって何人もプロになり、実力をつけ世界と対等に戦えるようになってほしいと願います。10年後くらいには、中国・韓国・日本の3強になっていますように!
 
そして先月末にビッグニュース。大坂なおみが全豪オープンで日本人として初優勝。昨年の全米オープンに続きグランドスラム2連勝という偉業達成です。そして日本人として史上初のWTA(女子テニス協会)世界ランキング1位を獲得しました。女子シングルス史上26人目だそうです。「この勢いで残りの全仏・全英も」と期待は膨らみますが、全米全豪のハードコートと違い、全仏はクレー(赤土=レンガの粉)コート、全英は芝のコートを使用します。全仏全英は3回戦までしか進んだことのない大坂にとっては、この得意でないクレーと芝の攻略が鍵となりそうです。クレーはバウンド後の球のスピードが落ちリターンしやすくなるので、サーブが得意な大坂にとっては不利となるでしょう。芝は滑ります。辛抱できるか?全仏オープンは5月末から、全英オープン(ウィンブルドン選手権)は6月末からですが、ともに目が離せません。テレビにくぎ付け必至。応援しましょう!
 
 

 

2019年1月

あけましておめでとうございます、院長の藤原です。本年もどうぞよろしくお願い致します。注目していた箱根駅伝は青学の5連覇を東海大が阻止するという波乱の(?)幕開けとなりましたが、先月には、あの羽生善治が広瀬章人に竜王を奪われ無冠となり、ついに羽生時代終焉かと将棋界に激震が走りました。来月にはこの広瀬新竜王が渡辺明棋王に挑戦する棋王戦があります。名人挑戦者を決めるA級リーグは、現在豊島二冠が一歩リードで、広瀬・羽生が追う展開。藤井聡太七段のいるC級1組は、藤井と師匠の杉本七段が全勝で突っ走っています。師匠との同時昇級も現実味を帯びてきました。

さて、今年の4月30日には現在の天皇陛下が退位され、5月1日から皇太子さまが新たな天皇陛下に即位されることが決まっています。併せて元号も変わることになるのため、平成は4月いっぱいで幕を閉じ、五月からは新しい元号になるわけですが、「元号がはたして何になるのか?」 巷ではいろいろな予想がとびかっています。昭和から平成に変わった時の改元は、昭和天皇が崩御されてから発表されましたが、今回の場合は生前退位でもあり、新元号を予想することが不敬にはあたらないだろうとして、新元号が公表されるまで予想合戦が繰り広げられそうです。「内閣総理大臣が選んだ有識者が、いくつかの候補名をその意味や文献などの拠り所の説明付きで提出し、官房長官が検討し、結果を内閣総理大臣に報告する。漢字二文字で、読み書きやすく、良い意味を持ち、今まで使われていない…」ということが昭和54年の閣議で決まっています。今まで使われてきた247の元号が使えず、明治(M)大正(T)昭和(S)平成(H)の略字がダブらない頭文字。文献などの拠り所のある漢字二文字となるとなかなか新たなものはなく、今まで候補に挙がってボツになったものの可能性が高いという意見もあります。すると、「元化」「元安」「永安」あたりに絞られるのでしょうか。ただ「元安」は為替相場で人民元が安くなるという意味もあり、「永安」は中国の地名にありますので、残るのは「元化」。略字も「G」でOKです。

文献などの拠り所がなくていいなら、略字「K」の「光」を使った「光安」もありですが、苗字で使われている(某歯科大同窓会重鎮がこの苗字)のでは却下ですか…

 
 

2018年12月

こんにちは、院長の藤原です。最近は、夕方になると外はもう真っ暗。街にキラキラしたイルミネーションが映える季節となりました。クリスマスモードも真っ盛りで、お店などで流れる音楽や、目に入ってくる景色が雰囲気を盛り上げてくれます。 
 
さて、青学の箱根駅伝4連覇で幕を開けた今年もいろいろな出来事がありました。スポーツ関連の話題が多かったでしょうか。1月、前年から続く日本相撲協会の日馬富士事件の対応に加え、さらにいくつかの不祥事が露呈。振袖レンタル業者「はれのひ」が成人式当日に夜逃げするという騒動も。2月に行われた平昌五輪では日本勢が大活躍。羽生結弦の五輪連覇を始め小平奈緒や高木姉妹の活躍、女子カーリングチーム「そだねージャパン」に注目が集まりました。3月、北朝鮮が従来の強硬路線を一転させ対話路線へ急展開し世界中がビックリ。伊調馨がパワハラ告発。エンゼルス入団の大谷翔平が劇的なデビューを飾った4月には、ハリル監督の解任、TOKIO山口達也の契約解除。5月、日大アメフト部員による悪質タックル騒動、藤井聡太が七段昇段の最年少記録を更新。観測史上最速となる梅雨明けを記録した6月には、史上初の米朝首脳会談が行われ、サッカーW杯で西野ジャパンが決勝T進出。都内で観測初の40度超を記録した7月、洞窟から出られなくなったタイの少年たちを国際救助チームが13人全員救助。オウム麻原代表こと松本智津夫死刑囚など元幹部ら13人に死刑執行。文科省の不祥事が明らかになり、その後東京医大の裏口入学疑惑から医大の合格者操作の問題にまで波及。8月、助成金流用や不正判定疑惑に関与したとして日本ボクシング連盟の山根明会長が辞任。山口県で行方不明になった2歳男児を捜索20分で発見したボランティア尾畠春夫さんに称賛の嵐。甲子園は金足農業フィーバー。9月、大坂なおみが全米OP優勝という快挙達成。安室奈美恵の引退ライブ。10月、築地が83年の歴史に幕を閉じ豊洲へ移転。11月、ゴーン日産元会長が逮捕。そして今月、MLBで大谷翔平が新人王に選出されるといううれしいニュースが飛び込んできています。
 
来年は楽しい嬉しい話題であふれる一年になりますように… 良い年をお迎えください。


 

2018年11月

こんにちは、院長の藤原です。吹く風にも、そろそろ本格的な寒さが感じられるようになり、外出の際はコートが欲しい季節になってきました。さて、今月は「文化の日」「勤労感謝の日」と二日祝日がありますが、これらの祝日、以前は違う名称だったというのをご存知でしょうか。年配の方には常識?

11月3日は戦前「明治節」という明治天皇の誕生日を祝う祝日でした。戦後アメリカは日本人の心の中に残っている天皇陛下への崇拝の念を払しょくするため、天皇に関係すると思われる祝日や祭日を廃止するのですが、「明治節」もその一環で廃止となりました。しかし、日本人いや日本政府は「明治節」を残したい! そこで目を付けたのが、この日がたまたま日本国憲法の公布日だったということです。5月3日は憲法が施行された日として祝日になっていますが、11月3日もそれに先駆けて憲法が制定されたのを国民に知らせるための祝日ということにしたらどうか、と考えたのです。表面上、新しい憲法と日本の永久的な平和を願って生まれた祝日なんだとして「文化の日」という名称を付け、結局「明治節」を残すことに成功しました。めでたしめでたしですが、これで終わったわけではありません。何と現在も「文化の日」を「明治の日」に名前を変えようという動きが根強くあるとか。「昭和の日」はうまくいきましたが… また11月23日「勤労感謝の日」も「文化の日」と似た部分があり、もともと「新嘗祭(にいなめさい・しんじょうさい)」と言う祭日でした。『天皇陛下が自らその年の五穀収穫を食べ、翌年の豊穣を祈願するとともに神様に感謝する』という、たいへん格式の高い収穫祭だったそうですが、こちらも戦後天皇家の影響力を抑えようとしたアメリカ軍の意図があり、名称は変更され「勤労感謝の日」となったそうです。

日本歯科医師会は1993年(平成5年)より、11月8日を「いい歯」の語呂合わせでPR重点日の一つとして設定し、この日に合わせて国民へのさまざまな歯科保健啓発活動を行っています。その一つが1993年から続く、「ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー」の表彰。今年2018の受賞者は、俳優の桐谷健太さんと女優の浜辺美波さんでした。この浜辺美波さん、「東宝シンデレラオーディション」応募当時の志望は女優ではなく歯科医だったそうです。今でもぜんぜん遅くありませんよ!


 

2018年10月

こんにちは、院長の藤原です。10月に入り、朝晩は少し寒く感じるようになってきました。が、将棋界はまだまだ熱い! 先々月に紹介した豊島棋聖がやってくれました。フルセットの末菅井王位を破り、王位を獲得したのです。8大タイトルを8人で分け合うという時代はひとまず終わり、豊島2冠の誕生となりました。
 
さて、「芸術の秋」という言葉もある通り、秋は芸術に触れるのに適した季節。今秋は、各地で興味深い展覧会も多数開催されていますから、秋の行楽として美術館巡りをしてみるのも楽しそうです。特に今年、大注目の展覧会といえば、今月5日から上野の森美術館で開催される「フェルメール展」でしょう。17世紀オランダの画家ヨハネス・フェルメール。現存する作品が35点と言われている作品のうち、過去最多の8点が来日するそうです。有名な「牛乳を注ぐ女」を筆頭に、日本初公開の「ワイングラス」なども展示されることが決定しています。向かって左から光の射す独特の室内画が印象的です。このフェルメール展は「日時指定入場制」ですので、人気の展覧会は混雑するからヤダという方も安心してご覧になれます。そして、東京の美術展のもうひとつの目玉は、27日から東京都美術館で開催される「ムンク展」でしょう。ノルウェーの画家エドヴァルド・ムンクの「叫び」が、なんと初来日(!)するんです。他にも、「自画像」や「星月夜」など、約100点が展示される大規模な展覧会だそうです。一方、兵庫県神戸では7年ぶりに「プラド美術館展」が大型開催中です。注目は、17世紀を代表するスペインの画家ディエゴ・ベラスケスの傑作7点が揃うこと。こちらも、日本国内では過去最多です。ベラスケスの作品は写実主義的陰影法と評されていますが、私は観るたびにその描かれた人物の目線に吸い込まれるような不思議な感覚を覚えます。会期は今月14日まで。新幹線で行く場合は、新神戸の近くになります。
 
そうそう、ムンクの「叫び」って、私たちがよく知っている油絵の他にパステル画(乾燥した顔料を使った絵画)2作品、リトグラフ(平らな石の上に描画したものを印刷した版画)1作品、テンペラ画(顔料と卵黄を混ぜあわせた絵具で描いた絵画)1作品があるのをご存知ですか。全部で5作品が知られています。今回東京で展示されるのはオスロ国立美術館所蔵の油彩画で、オスロのムンク美術館にテンペラ画とパステル画(1893年版)とリトグラフが所蔵されているそうです。この絵、何度見ても歯の激痛で悶えているように見えてしまうんですが…
 
 
 

2018年9月

こんにちは、院長の藤原です。毎年恒例となった異常気象。先月も各地に被害をもたらし、自然の恐ろしさに日本中が震え上がりました。各地で40℃超えしていた気温は少し落ち着きましたが、30℃だと「少し涼しいかな」と感じてしまう感覚がマヒした状態が続いています。それでも街路樹を見ると、少しずつ季節が移り変わっているのは確かで、これからの秋を感じさせてくれます。
 
さて、皆さんは「ひやおろし」と呼ばれる秋の日本酒をご存知でしょうか。通常、日本酒は早春に出来上がり、加熱殺菌(火入れ)してから夏を越し、出荷前にもう一度加熱して品質を安定させてから市場に出されます。つまり、市場に出るまでに二度の加熱殺菌の工程があるのですが、二度目の加熱殺菌をしない「冷や」のまま、大桶から樽に「卸(おろ)して」出荷する酒を「ひやおろし」と呼びます。暑い夏の間をひんやりとした蔵で眠ってすごして熟成を深め、秋の到来とともに目覚める。冬に絞ったまま卸した「生酒」がフレッシュな味わいであるのに比べ、「ひやおろし」は一度火入れを加えた後に、貯蔵庫で夏のあいだ寝かせてあるため、時間によって程よく熟成が行われています。そのため、絞りたての際の粗さが取れ、豊穣の秋にふさわしい、穏やかで落ち着いた香り、なめらかな口あたり、まろやかな味わいを楽しめるのが特徴です。
 
「ひやおろし」が出回るのは9月、10月、11月の3か月間ですが、実はその間にも熟成度が変わります。9月に出回るひやおろしは、ひと夏を過ごし秋らしい涼しい風が吹き始めた時期に出回ることから「夏越し酒(なごしざけ)」と言われます。苦味、渋味がやわらぎ、濃厚な中にも軽快さとまろやかさを合わせ持っている、まさに「ひやおろし」の走りの味わい。秋も深まる10月頃の「ひやおろし」は「秋出し一番酒(あきだしいちばんざけ)」と言われます。「ひやおろし」のなかでも「まさに飲み頃!」と言えるお酒。9月より熟成され、まろやかさと味の深みを増してるため、穏やかで落ち着いた香り、滑らかな口あたりが特徴です。そして、11月頃に満を持して登場するのが「晩秋旨酒(ばんしゅううまざけ)」。「ひやおろし」のなかでも円熟な味わいで、大器晩成タイプ。晩秋を迎え、旨みとまろやかさがさらに増した豊醇さ、濃密なとろみを味わうことができます。う~ん、つまみが悩ましい…
 
 
 

2018年8月

こんにちは、院長の藤原です。今年の夏の暑さは、「猛烈な暑さ」を通り越し、連日どこかで40°超えという「危険な暑さ」の日もあったりする異常気象となっています。夜も熱帯夜続きで、寝不足や食欲低下になりがちです。喉が渇いた感覚がなくても水分補給をすることが大切なようですので、我々高齢者は特に気をつけたいと思います。ただ、エアコンつけっぱなしで寝ると身体に悪い気がして…
 
さて、将棋界では、先月17日に行われた棋聖戦五番勝負最終局で豊島将之棋聖が誕生しました。敗れた羽生善治は竜王一冠に後退。これにより、将棋界にある8大タイトルを棋士8人が分け合うという群雄割拠の時代に突入しました。前回すべてのタイトルを異なる棋士が保持したのは31年前、7大タイトル制だった1987年10月からの約1か月間。当時最強と言われていた中原誠名人の力に衰えが見え始め、羽生善治が全盛期を迎える少し前になります。塚田泰明が中原誠から王座を奪い、十段(現在の竜王)福崎文吾、名人中原誠、王位谷川浩司、王座塚田泰明、棋王高橋道雄、王将中村修、棋聖桐山清澄の7人がタイトルを分け合うことに。翌月高橋道雄が福崎文吾から十段を奪取し2冠となるまでは、複数タイトル保持者がいなくなるという事態になりました。常に複数タイトルを保持し絶対王者と言われていた羽生善治に衰えが見え始め、藤井聡太というとんでもない棋士が活躍し始めた現在は、当時を彷彿させます。
 
新棋聖となった豊島将之の師匠は31年前棋聖だった桐山清澄。何という因縁でしょう。8年前久保王将に挑戦したのがタイトル初挑戦。以来何度かタイトルに挑戦するも惜しくも獲得には至らず、昨年はA級順位戦のプレーオフで活躍するも挑戦者にはなれませんでした。糸谷哲郎、村田顕弘、稲葉陽とともに「関西若手四天王」と呼ばれ早いうちから「いつタイトルを取ってもおかしくない」と言われてきましたが、棋聖獲得を機にブレークする可能性大です。将棋界きっての真面目男という評価に誰も異論はないでしょう。豊島将之棋聖に興味のある方は、YouTube「豊島 強いよね」で検索してみてください。棋風は「序盤、中盤、終盤、隙がない…」?
 
 
 

2018年7月

こんにちは、院長の藤原です。関東甲信地方はなんと先月末に梅雨明けしてしまい、毎日うだるような暑い日が続いています。ここ数年毎年のように、記録的な暑さが続いたりゲリラ豪雨が各地で報告されたりと、異常気象の話題に事欠きませんが、今年はさらに「いまだ経験したことのない」という枕詞のつく異常気象となっています。台風が多いとの予報もありますので注意しましょう。
 
さて、先月よりロシアで行われているサッカーワールドカップは決勝リーグに突入し、現時点でベスト4が出そろっています。毎回下克上が起きるグループリーグでは、今回も波乱のオンパレード。楽勝気分満載で初戦に臨んだコロンビアは日本戦でまさかの敗戦を喫し、メキシコ・韓国に敗れたドイツはワールドカップ史上初の予選落ちとなり、史上最弱の開催国と言われたロシアがグループリーグ突破するなど、FIFAランキング通りの結果にならないのが面白い。「前回大会の優勝チームはグループリーグで敗退する」というジンクスは、イタリア・スペイン・ドイツと3大会連続となってしまいました。決勝リーグでは、メッシが、Cロナウドが、ネイマールが、すでにロシアを去っています。前大会のベスト4(ドイツ・アルゼンチン・ブラジル・オランダ)とは総入れ替えとなった今回のベスト4は、フランス・ベルギー・クロアチア・イングランド。3位決定戦を含め残り4試合となりましたが、どれも好カードで見逃せない試合ばかり。ビールを飲みながら世界レベルのプレーを堪能したいと思います。ワクワクです。
 
ところで、ワールドカップが終わり一息ついた月末の28日に、1月末に続きまた「皆既月食」が見れるのをご存知でしょうか。前回は空の高い位置でしたので、ずっと見上げていて首が痛くなってしまいましたが、今回は南西の空の低い位置になるようです。午前3時24分に部分食が始まり、4時30分に皆既食となり6時14分まで続く予定ですが、東京では月の入りが4時49分ですので、皆既食を見れるのはほんの20分ほど。明るい空に浮かぶ満月が徐々に欠け、赤銅色に変化して沈んでいく幻想的な情景になるのではないかと勝手に想像していますが、ぜひ見てみましょう。晴れますように!
 
 
 

2018年6月

こんにちは、院長の藤原です。今月はついにサッカーW杯の開幕です。「待ってました!」という喜びの一方で、「えっ、もう4年経っちゃったの?」という複雑な気持ちもあったりします。それはさておき、今回はどの選手がどんな素晴らしいプレーを見せてくれるのでしょうか。毎回必ずある予想外のドラマを堪能できる1カ月になります。
 
優勝候補の筆頭は、安定した力を持っているドイツと言われています。クロースを軸にしたパスサッカーが持ち味ですが、いつものように、決勝にチームのピークを持ってこれるのか? 同一チームの選手が多いというのは強みですが、FWの決定力に多少の不安材料があるため、先制されると苦しい展開になるかもしれません。また、ブラジルも優勝候補の一角。ネイマールを始めとするタレントぞろいのチームです。華麗な個人技というイメージがありますが、過去の得点を検証してみるとカウンターアタックが非常に多い。今回も、カゼミロあたりでボールを奪い、ネイマールが相手ディフェンスを引き付け、ジェズスが決めるという映像が浮かんできます。他には、あのデシャン監督率いるフランスも見逃すわけにはいきません。かつてデシャンがキャプテンのフランスは負ける気がしませんでした。今大会は、ポグバ、カンテ、グリーズマンなどタレントを擁し、守備も攻撃もレベルの高いチームとなっています。穴は、優勝経験こそないものの、アザール、ルカクという決定力のあるFWを擁するベルギーか。ただ、FIFAランク3位ですので穴と言っては失礼でしょう。毎回1次予選にあたる「グループリーグ」では波乱が起こります。FIFAランクの下克上も見どころ。 
 
我が西野ジャパンの対戦日程は、日本時間19日(火)21:00対コロンビア、25日(月)0:00対セネガル、28日(木)23:00対ポーランド。私が監督だったら、井手口をコロンビアのハメス・ロドリゲス、セネガルのサディオ・マネ、ポーランドのロベルト・レヴァンドフスキに90分マンマークさせイラつかせ反則を誘う、試合は引き分け狙い、という作戦をとります。が、井手口は残念ながら代表の23人に残れませんでした。
 
 
 

2018年5月

こんにちは、院長の藤原です。5月はカラっと晴れた日も多く、気温も穏やかで過ごしやすい、レジャーやスポーツなど屋外活動にはもってこいの季節です。ティーグラウンドはさぞや気持ちのいいことでしょう。
 
さて、今月12日は「看護の日」とされています。1965年(昭和40年)に国際看護婦協会がこの日を「国際看護婦の日」としたのを受け、1991年(平成3年)に厚生省(現・厚生労働省)や日本看護協会が「看護の日」としました。別名「ナイチンゲールデー」と言われていることからもわかるように、この日はイギリスの看護婦フローレンス・ナイチンゲールの誕生日(1820年5月12日)です。私はナイチンゲールというと、「クリミア戦争で敵味方区別なく負傷兵を看護した博愛の看護婦」というイメージだったんですが、調べてみるとかなりの女性ということがわかりました。両親は裕福なイギリス人地主で、長期の新婚旅行中にトスカーナ大公国(ほぼ北イタリアのトスカーナ州に相当)の首都フィレンツェで生まれたため、フローレンス(フィレンツェの英語読み)と名づけられています。幼少期は、贅の限りを尽くした英才教育を受けたようで、多くの外国語をはじめ、ギリシア哲学・数学・天文学から統計学・建築学・心理学に至るまで、あらゆる分野に精通するようになりました。しかし、慈善訪問の際に接した貧しい農民の悲惨な生活を目の当たりにするうちに、徐々に貧困にあえぐ人々に奉仕する仕事に就きたいと考え、貧困層の娘の仕事である「看護婦」を目指すことに。当時、看護婦は、病院で病人の世話をする単なる召使として見られ、専門知識の必要がない職業と考えられていた時代でしたが、そんな中で彼女は看護婦の専門的教育の必要性を訴えたのです。そして、戦争中の野戦病院において、衛生環境の改善により兵士の死亡率を激減させることができることを、統計学的に立証しました。「世界で最も有名な統計学者」と言われるゆえんです。現代医療衛生の礎を築いたと言っても過言ではないでしょう。また、病院建築についても「天井を高く」「窓は…」など様々な提言をしたことで知られています。
 
現在、病院や施設では当たり前の、あのナースコールを最初に提案したのもナイチンゲールだそうです。
 
 
 

2018年4月

こんにちは、院長の藤原です。今年は桜の開花が早く、春分の日前後がお花見日和になってしまいました。葉桜で迎えた新年度ですが、新たなスタートを切った方も多いと思います。頑張ってください。
 
さて、米大リーグのエンゼルスでメジャーのスタートを切った二刀流大谷翔平が、2日の初登板初勝利の後、3日に行われた本拠地でのインディアンス戦に「8番DH」で出場し、第一打席でメジャー初本塁打となる1号3ランを放ちました。持ってますね~。ベンチに戻った大谷を誰も祝福せず無視する「サイレント・トリートメント」、ご覧になりましたか? チームメートに認められているんだな、という雰囲気がにじみ出ていて微笑ましい風景でした。
ただ大谷翔平はこれだけで終わりません。次の試合もその次の試合もホームランが飛び出すという離れ業をやってのけました。特に2号は昨年のサイ・ヤング賞右腕コーリー・クルーバーから放った衝撃の一発! オープン戦はノーアーチ。投げても打たれる。どうなるんだろうと心配していたのは何だったのでしょう(笑)。打つとき上げていた右足をすり足にするフォーム改造を行ってすぐに結果を出す天性の運動神経。改めて大谷翔平のすごさを認識しました。早くもシーズン終了時の成績を気にしてしまいますが、今年は1918年にベーブ・ルースが同一シーズンに二桁勝利、二桁本塁打を記録してからちょうど100周年。この間誰もなしえなかった偉業に大谷翔平が挑戦することになります。
 
ベーブ・ルース、本名はジョージ・ハーマン・ルースJr.、1895年ボルティモア生まれ。メジャーリーガーとしてのキャリアは1914年ボストン・レッドソックスで始まるのですが、最初はピッチャーでした。通算成績94勝46敗、防御率2.28ですから、並以上のピッチャーだったといえます。1916年には23勝12敗、防御率1.75、でワールドシリーズ出場に貢献。ワールドシリーズでは14イニング無失点の記録を持っています。また、米国野球史上の伝説的なホームランバッターでもあり、生涯記録714本はハンク・アーロンに破られるまで、34年間歴代トップ。そして生涯打率がなんと3割4分2厘! あのイチローのメジャーリーグでの平均打率は現在3割1分1厘です…
 
 
 

2018年3月

こんにちは、院長の藤原です。寒さも和らぎ、暖かな日差しに春が近づいている気配を感じます。さて、3月と言えば、恐怖の“ホワイトデー”の月です。3月14日は、日本では“ホワイトデー”がポピュラーですが、他国では“円周率の日”の方が有名で、「π」にちなんでお菓子のパイを食べたり、限定品のパイが販売されたりするそうです。スペルは違うんですけどね(笑)。ホワイトデーのお返しに迷ったら、パイを選んでみるのもいいかもしれません。
 
「π」は、4000年以上昔からさまざまな学者によって研究され、「3.141592…と、どこまでも続く数」だということが分かっています。現在ではコンピューターを使い、小数点以下22兆桁以上求められているとか。そして、22兆も数字の並びがあれば、いろいろな数字の並びがどこかに出現してもおかしくない。有名なのは、小数点以下762桁から767桁までに現れる「999999」で、物理学者リチャード・ファインマンにちなみ「ファインマン・ポイント」と名付けられています。そうそう調べていたら面白いサイトを見つけました。http://www.subidiom.com/pi/pi.asp というサイトでは、任意の数字列がπの小数点以下何桁目に出現するかを一瞬で教えてくれるのです。例えば「8020」と入力すると、出現する周囲の数字列とともに「30,680th digit」と表示されます。当院の電話番号「3138418」は「19,108,916th digit」でした。(digit=桁)
 
ところで、人間はこれを何桁まで覚えることができるのでしょうか。興味津々ですが、少し前のギネス世界記録では、約7万桁(!)暗唱できた人がいたとされています。
 
巷では、「凡人でも100桁覚えられる!」という語呂合わせがいろいろ紹介されていますが、定番はやはりこれでしょう→「産医師異国に向こう(3.14159265)。産後薬なく産婦みやしろに(3589793238462)。虫散々闇に鳴くころにや(6433832795028)、弥生急な色草(841971693)、九九見ないと小屋に置く(993751058209)。仲良くせしこの国去りなば(749445923078)、医務用務に病む二親苦(164062862089)、悔やむにやれみよや(986280348)。不意惨事に言いなれむな(25342117067)。」
 
3月14日はドイツの物理学者“アルベルト・アインシュタインの誕生日”でもあります。偉大な物理学者の誕生日が円周率と同じというのも、運命的というか覚えやすいというか…
 
 
 

2018年2月

こんにちは、院長の藤原です。寒さが最も厳しくなる今の季節、インフルエンザがさらに猛威を振るっています。今年のインフルエンザは初期症状が軽く、普通の風邪と見分けが付きにくいのが特徴だそうです。初期症状の段階で「単なる風邪だろう」と軽視し市販の風邪薬で様子見、ところがほどなくして「何か違う…」と嫌な予感がよぎり病院へ駆け込む、というパターンが多いとのこと。
 
体内に入った1個のインフルエンザウイルスが24時間後には100万個にまで増殖する、という情報はテレビでよくやってますのでみなさんご存知ですよね。インフルエンザの治療薬としては「タミフル」や「リレンザ」が知られていますが、これらの投与の目的はウイルスそのものの除去ではなく、増殖の抑制です。したがって、発症48時間以降の投与では効果が薄いということになります。早めの治療が大切。昔は予防法として「うがい」が推奨されていましたが、最近は効果が薄いとされているようです。インフルエンザウイルスは、一般の風邪を引き起こすウイルスよりも感染力が強く、気道に付着後20分程度の短時間で細胞の中に取り込まれ増殖していくので、「予防するには20分毎にうがいをしなくてはならない」ということになるのですが、これが現実的ではないというのが最近「うがい」が推奨されない理由の1つ。ただ、医者は患者さんを一人診察するごとにお茶などでうがいをしています。気道に付いたウィルスを胃に流し込んでいるのでしょう。真似しなくては。同じ理屈で、「唾液の出を良くすることが予防になる」と唾液腺マッサージを推奨している歯科医もいます。また、口の中の細菌には、抗ウイルス薬の効きを弱めたりウイルスの増殖を助けたりするものがあるので、インフルエンザ対策としてもやはりお口のケアが大切です。
 
「風邪には抗生物質だよ」という意見をたまに耳にしますが、これは間違い。「細菌」は、自分で増殖する能力を持つ単細胞生物ですが、「ウイルス」は自らの細胞を持たず他の生物を媒介しないと増殖出来ない単純な構造で、細菌よりもはるかに小さい(1/100~1/1000)。抗生物質は、細胞の構造を利用して効果を発揮するため、細胞を持つ細菌には有効ですが、細胞を持たないウイルスにはまったく効果がありません。
 
 
 

2018年1月

こんにちは、院長の藤原です。ニューイヤー駅伝は昨年の優勝メンバーがさらに強くなった旭化成の圧勝。箱根は往路を制した東洋大を復路前半で逆転した青学の4連覇。ライスボウルは社会人の富士通が2連覇。残り少なくなった平成の30年が幕を開けました。スポーツ界は順当な(?)出だしです。
 
新年というと福袋を連想してしまうんですが、皆さんはいかがですか? 子供のころはデパートで福袋を買ってもらうと「中に何が入っているんだろう?」と、あの開ける時のドキドキ感やワクワク感がたまりませんでした。ここ数年は、透明な袋に入っているもの、あらかじめ内容が公表されているもの、指定された商品群からの選択性になっているものなど、ドキドキワクワクはしない代わりに必要なものが手に入るようになってきています。特定の集団による「買占め」もニュースになっていました。また、ユニークな福袋も増えているようで、特に話題になっていたのが「体験型」の福袋。昨年、中学生プロ棋士として一躍有名になった藤井聡太四段関連ものになりますが、彼の師匠である「杉本昌隆七段と対局できる福袋」は大人気だそうです。将棋ファンにはたまらない福袋なのでしょう。人気フィギュアスケーター「織田信成さんがスケートレッスンをしてくれる福袋」なんていうのもありました。スケーターにとっては喉から手が出そうな企画です。ただ、どちらも小学生を対象にしたものだというのが残念! ですが、夢のある福袋ですよね。
 
ところでこの福袋、いつどのように始まったのでしょうか。諸説あるようですが、江戸時代の呉服屋が余った布の端切れを袋に詰め込み、売りだしたのが始まりという説がありました。この袋が「恵比寿袋」と呼ばれて江戸中で評判になると、そのうち一部の袋に金の帯を入れて売り出す呉服屋が現れ、運試しのような要素が加わったと言われています。江戸時代の人も、「金の帯が当たるかも」とワクワクしたのでしょうか。ちなみに、「恵比寿袋」の名は商売の神様である“恵比寿様"にあやかっていると思われますが、「福袋」は同じく七福神のひとりである、“大黒様"が肩に担いでいる袋のことだそうです。そして、あの袋の中に入っているのはお米やお金ではなく、「幸福」なのだとか。いい一年になりますように!
 
 
 
 

2017年12月

こんにちは、院長の藤原です。あっという間に年末がやってきました。改めて月日の経つ速さにため息です。外に目を向けると、街はイルミネーションの準備で大忙し。
 
今年もいろいろな出来事がありました。トランプ大統領就任で幕を開けた2017年でしたが、就任早々TPP離脱などの大統領令に次々サインし、世界を驚かせました。2月、マレーシア国際空港であの金正男氏が暗殺され、国内では大阪の学校法人森友学園への国有地安売り問題が発覚。3月には収賄容疑などから朴槿恵(パク・クネ)大統領が弾劾され、大統領職を罷免されました。5月は加計学園獣医学部騒動。6月は藤井フィーバー。14歳の中学生プロ棋士が公式戦で29連勝し、30年ぶりに最多連勝記録を更新しました。7月はヒアリ騒ぎでスーパーやホームセンターに殺虫剤が溢れ、都議会選では小池百合子率いる都民ファーストが大勝。8月、ロンドンで行われた世界陸上男子400mリレーで日本が銅メダル獲得。9月には桐生祥秀(きりゅう よしひで)が100m走の公認記録では日本人史上初の9秒台となる9秒98を記録。また安室奈美恵が来年9月16日の引退を発表しました。10月の衆院総選挙で、民進党の枝野氏が新党「立憲民主党」立ち上げ。プロ野球ドラフト会議では7球団が1位指名した清宮幸太郎との交渉権を日本ハムが獲得しました。11月に入るとショッキングな事件が続きます。容疑者が9人殺害したと供述している神奈川県座間市の殺人事件。また、横綱日馬富士の暴行事件。現在も連日ワイドショーを賑わしています。サッカーW杯予選では、前回ベスト16に残ったイタリア・オランダ・米国・チリ・ウェールズという強豪国が予選落ちというニュースにも驚かされました。そして12月には、羽生善治が永世7冠達成の快挙。ひふみん、藤井聡太と話題になった一年でしたが、最後は羽生でした。
 
こうして振り返ってみると、今年は政治関連のニュースが多かったのかなという印象。来年は明るいニュースが溢れてほしいものです。それではみなさまよい年をお迎えください。
 

 

2017年11月

こんにちは、院長の藤原です。夕方は日暮れがだいぶ早くなってきました。朝は朝で、ずいぶん早く目が覚めてしまったなあと思ったら、もう起きなくてはならない時間だったりします。
 
さて、秋は読書の季節と言われます。先月27日~今月9日の2週間は「読書週間」。最近は電子書籍の普及で紙の本を手にする機会が少なくなっていますが、そんな中、驚くべき進化をとげている図書館が増えています。例えば、図書館の隅に「喫茶室」がついていることは昔よくありましたが、今はスターバックスのような大手コーヒーチェーンが出店して、本格的なコーヒーやランチが楽しめる図書館もあるのです。取り組みとして面白いのは、「としょかん福袋」という企画。例えば“映画化された本”などテーマを掲げ、それに合う3冊の本を中身が見えない状態にしてセットで貸し出すというものです。普段自分が選ばないようなジャンルの本や作家との出会いがあり、福袋を開ける時のワクワク感は格別。他に、貸出し予約をしておけば駅の中にあるカウンターで本を受け取れたり、コンビニに返却ポストが設置されているところもあるそうです。通勤や通学の途中で、気軽に本を貸し借りできるのは便利でうれしい取り組みですよね。
 
今月30日は、1986年のこの日、近代絵本の考え方を示した瀬田貞二の「絵本論」の初版が発行されたことから「絵本の日」とされています。「絵本」は絵がメインで物語が展開されていきます。「童話」というのもありますが、こちらは古くから言い伝えられてきたおとぎ話や子供用に創作された物語。絵が入っていないものもあります。そうそう、誰もが知っている有名な童話「シンデレラ」。原題は「サンドリヨン」で、意味はなんと「灰かぶり」なんですと! 意地悪な義母や義妹に家事をすべて押し付けられ、暖炉の火を絶やさぬよういつも火をくべていたため、灰まみれになっていたことからこの原題がついたそうです。
 
 
 

2017年10月

こんにちは、院長の藤原です。気温もだいぶ下がり、早朝や夜は少し肌寒くなってきましたが、今の季節、皆さんのお近くでは運動会の練習をしている子どもたちの姿を見かけることはありませんか。運動会は本来秋に開催されるもので、俳句の世界でも「運動会」は秋の季語になっています。
 
ところが、ベネッセ教育総合研究所が全国の小学校に行った調査によると、昭和の終わり頃にはおよそ7割の小学校が秋に運動会を行っていましたが、最近は春・秋ほぼ同じくらいの割合になってきたそうです。中でも東京では約9割の学校が、秋から春に運動会の開催時期を変更しているとか。お子さんの運動会の日程を聞いて、「えっ、春にやるの?」と驚かれた方もいることでしょう。春に行う理由はいくつかありますが、昨今の受験事情も一つとされています。受験勉強に追われている時期にやることはない、ということでしょう。また、秋の運動会だと、練習をする時期は夏休み明けの残暑の残る9月になってしまうため、熱中症に注意しなくてはならない、という理由もありそうです。
 
運動会当日も私が子供のころとはだいぶ違っています。まず、『お昼は家族で一緒に食べない。』家庭の事情で親が見に来られない子どもへの配慮や、熱中症対策なんだそうです。昼食時、子どもは教室に戻り、親と別々にお弁当を食べます。また、『競技スタートなどの合図にピストルは使わない。』音が近所迷惑になることを避けるため、笛や旗を使うそうです。そして極めつけが、『差別になるのでそれぞれの競技で順位をつけない。』
 どうしても1位をとりたくて、暗くなるまで何度も何度もスタートの練習をしたり、カーブの走り方の工夫をしたりしませんでしたか。授業そっちのけで仲間と騎馬戦の作戦を練ったこともありましたっけ。
小学生ぐらいに戻って人生をやり直したい欲求に駆られることがありますが、運動会がこんなに変わってしまっていては、どーしようかなと考え込んでしまいます。まっ、戻れないんですけど…
 
 
 

2017年9月

こんにちは、院長の藤原です。先月東京は27日降雨を観測するという日照時間の少ない夏になってしまいました。子供たちは楽しい思い出が作れたでしょうか。
 
秋といえば実りの季節ですが、特に待ち遠しいのが「新米」ですよね!みずみずしくピカピカと輝く新米は、秋ならではの味わい。おいしいお米は全国にたくさんありますが、各地の米どころではさらなる味を求め、新しい品種のお米が作り続けられているそうです。何百もあるたくさんある品種の中でも特に有名なのがご存知「コシヒカリ」。その作付面積は群を抜いていて、なんと全体の4割を占めています。コシヒカリ自体は昭和31年に福井県で誕生しましたが、当初は味がよくても病気に弱いため不評でした。その後長い工程と年月をかけて品種改良の研究が行われ、「美味しい」ことに加え「寒さに強い」「病気に強い」などの条件を満たす上質なお米となり、作付面積も少しずつ増えてやっと全国的な人気品種となりました。
 
さて、お米の商品名にはユニークな名前が多いことはご存知でしょうか?例えば、熊本県の「森のくまさん」という品種があります。可愛らしく面白いネーミングですが、「森の都熊本で生産された米」から取っているという深い意味もあるとか。群馬県にも「ゴロピカリ」という面白い名前の品種があります。なんと名付け親は小学生で、由来は群馬名物の雷からきているんだそうです。雷には「稲妻」という別名のある通り、古代から稲作に恵みをもたらすと信じられ、群馬の雷にもそういったご利益があるとされてきたそうです。こちらも面白いだけでなく深い意味のある命名で、お米作りに携わる方々の愛情が伝わってきます。
 
今年も新米の楽しみな時期になりました。お米を作っているたくさんの方の努力と手間、自然の恵みに感謝して、丈夫な歯で(!)美味しく大事にいただきましょう!
 
 

 

2017年8月

こんにちは、院長の藤原です。夏本番、暑い日が続いています。子供は夏休みの真っただ中、これから家族そろっての旅行を計画されている家庭も多いのではないでしょうか。お盆に帰省される方も多いことでしょう。車を使って移動する場合は、高速道路の渋滞をできれば避けたいものですよね。しかし、現実はいろいろな事情がありなかなか難しい…追突には気を付けましょう。
 
さて、高速道路を走っていて目的のIC(インターチェンジ)を通り過ぎてしまったこと、ないですか? 次のICで降りて逆方向へ乗り直し戻ると余分に料金がかかってしまいます。実はこのような時には「特別転回」という制度を利用することで次のICでUターンをさせてもらい、追加料金なしで目的のICに戻ることができるということをご存知でしょうか。具体的な利用方法は…1.降りる予定のICを通り越してしまった旨を次のIC料金所で説明し通行券に「特別転回承認」の印を押してもらう。2.料金所で反対車線にUターン又は一度ICを降りて再度反対側のICを通過させてもらう。3.目的のICで「特別転回承認」の印を押してもらった通行券を渡し料金を支払う。…というものです。ETCの場合は、次のICでカードを車載器から抜き有人の出口ゲートで提示説明し、反対側の入口でも提示し通過させてもらった後に再びカードをセットする。そして目的のICで降りる。という手順になります。
 
東京方面から車で伊豆半島や御殿場・静岡方面に行く時に使う東名高速、東京と名古屋を結んでいるから「東名高速道路」が正式名称だと思っていたのですが、「東名高速道路」はあくまでも通称名で正式名称は「第一東海自動車道」というのだそうです。新東名は「第二東海自動車道」。ただ、新東名は有人ゲートがないので「特別転回」は使えません。普通に入り直さなくてはならないようです。注意です!
 
 

 

2017年7月

こんにちは、院長の藤原です。今年もあっという間にもう7月、一年の半分を折り返してしまいました。これから本格的な夏がやってきます。熱中症に気をつけて元気に暑さを乗り切りましょう。
 
さて将棋界は怪物新人藤井聡太四段がついに公式戦初黒星、連勝記録は29でストップということになりました。今月2日に藤井四段を破ったのは佐々木勇気五段、スイスジュネーブ生まれのイケメン棋士です。ワイドショーで美顔をご覧になった方も多いことでしょう。プロになった年齢は、藤井、加藤、谷川、羽生、渡辺に次ぐ6番目の年少で高校1年の時。攻めの棋風で、横歩取り6八玉型の「勇気流」と呼ばれる戦法は、現在プロの間でも大流行しています。藤井四段との対戦が決まると、自分との対局前の2局を間近で見学し、多くの報道陣の中での対局に場馴れするという対策を施しました。そして快勝。佐々木五段のこの勢いは止まらず、8日に行われた竜王戦トーナメントで格上の阿久津八段にも勝利しています。どこまで勝ち上がっていくでしょうか。次戦は強敵久保王将です。
 
藤井四段、連勝記録は途切れてしまいましたが、今度は「いつ初タイトルを獲得するか」に注目が集まってきました。今年度、竜王戦は敗退ですが、王将・棋王への挑戦の可能性は残っています。あの羽生善治は19歳2カ月で初タイトルである竜王を獲得しました。当時の最年少記録です。ところがこの記録が翌年塗り替えられてしまいます。屋敷伸之が18歳6カ月で中原誠から棋聖を獲得。四段デビューからわずか22カ月後のことでした。藤井四段はこれらの記録を更新する可能性があります。さらに初の中学生タイトル保持者となるチャンスもあります。
 
藤井フィーバーのおかげで28連勝を更新された神谷八段が有名になりましたが、これからはこの屋敷九段の名前が頻繁にワイドショーで登場することになるかもしれません。現在A級在位の45歳。将棋ファンなら誰もが知っている大の競艇好き。若い頃は変幻自在な差し回しから「忍者屋敷」と言われていました。最近は2枚の銀で急戦を仕掛ける「忍者銀戦法(ニンニン銀)」を得意としています。まだまだ将棋界は猛暑が続きます。
 
 

 

2017年6月

こんにちは、院長の藤原です。今月は祝日もなく気候も不安定です。体調に気を付けて過ごしましょう。
 
先月末、囲碁界に激震が起きました。注目されていた対戦、囲碁コンピューターソフトAlphaGoと中国のトップ棋士柯潔九段との三番勝負が行われ、AlphaGoの圧勝に終わったのです。柯九段は数々の国際タイトルを獲得している現在世界最強の棋士。今回の対局は、人間の棋士と人工知能の頂上決戦と言われていましたが、結果は人工知能の3連勝となりました。対局後の記者会見で、柯九段は「AlphaGoは完璧で何の欠点もなかった。私は一生涯、超えられないと思う。」と完敗を認めています。関係者の間では人間の棋士と人工知能の対局に一定の決着がついたという見方で、ソフトを開発する会社の代表もAlphaGoが対戦形式で行うイベントは今回が最後だとの考えを示しました。最後の砦と言われていた囲碁も、ついにAI(Artificial Intelligence 人工知能)に陥落。恐るべし、ディープラーニング!
 
将棋界も騒然としています。怪物新人の藤井聡太四段が相変わらず勝ち続け、先月末ついに19連勝まで星を伸ばし竜王戦の決勝トーナメント進出を果たしました。この藤井四段、史上最年少(14歳2カ月)の新記録で華々しくプロ棋士デビューを果たしていますが、プロ入り前の成績が抜群に良かったわけではありません。昨年上期の三段リーグをトップの13勝5敗で通過し何とか昇段を果たしてはいますが、12勝6敗が5人もいたんです。最終戦に勝ったことでやっと昇段が確定。もしも負けていたら昇段できていない。プロになる前の成績を見ると、とてもここまで連勝する力があるとは思えません。詰将棋が別次元で強いという土台はあったにしろなぜ急に強くなったのか?どうも三段リーグの途中から取り入れた将棋ソフトによる研究が快進撃の一つの要素になっているのではないかと思われます。ソフトは局面の有利不利を明確に数値で表すので良手悪手がわかりやすいのでしょう。
 
囲碁も将棋も、人間がこれまで指さなかった手を平気で指すコンピューターソフトの指し手を人間が研究し学んでいくという時代に突入です。
 
 

 

2017年5月

こんにちは、院長の藤原です。新緑のまぶしい5月、日増しに風が暖かく感じられるようになってきました。年度始まりで忙しかった方も、新しい環境に緊張していた方も、そろそろ一段落できる頃ではないでしょうか。 ただ、将棋界はそんなホッと一息つく時間のないほど盛り上がっています。あの怪物新人の藤井聡太四段がプロデビュー以来公式戦無敗の16連勝で自己記録を更新中(デビュー時期と関係のない連勝記録は神谷広志八段が1987年に記録した28連勝)なんです!
 
昨年度はプロデビュー後、あのひふみんからの初勝利後も勝ち続け、最終的に公式戦を10戦全勝で終えました。プロ入り初年度を全勝したケースは清野静男(1949年度9勝0敗)以来、67年振りです。そして新年度に入った4月4日には王将戦1次予選で勝利し、これまで松本佳介と近藤正和が持っていたプロデビュー後10連勝の記録を更新する11連勝の新記録を達成しました。
 
プロ棋士の戦いには、タイトル保持者のいるタイトル戦が7つ(女流プロは6つ)と、トーナメントで優勝者を決める一般公式戦(NHK杯将棋トーナメントなど)が7つあり、これらを公式戦と呼びます。そして、それ以外は非公式戦と呼ばれ記録に残らない棋戦とされています。例えば、どこかの将棋まつりでプロ棋士同士が対戦しても、これは非公式戦となり、正式な勝ち負けの記録は残りません。藤井四段は先月AbemaTVが企画した「藤井聡太四段 炎の七番勝負」の最終戦で羽生善治三冠に勝ち、新聞やテレビで大きく報道されましたが、非公式戦での勝利なので公式戦の連勝記録にはカウントされません。
 
実は藤井四段、非公式戦ではすでに3敗しています。「炎の七番勝負」第二戦で永瀬拓矢六段に、獅子王戦で羽生三冠に、そして今月7日に愛知県岡崎市で行われた将棋祭りで豊島将之八段に敗れました。
 
 

 

2017年4月

こんにちは、院長の藤原です。4月に入り、いよいよ花の季節の到来。お花見ツアーの新聞広告や旅行会社のパンフレットなど、見ているだけでわくわくしてきます。
 
さて今回は、花は花でもちょっと違う花、“花火”の話題を。今月24日から29日まで、秋田県大仙市で「第16回国際花火シンポジウム」が開催されます。主催はカナダのモントリオールにある団体「国際花火シンポジウム協会」で、花火業界最大の国際会議(!)なんだそうです。モントリオールで行われた第1回会議を皮切りに、今までニュージーランド・イタリア・スペイン・ドイツ・メキシコ・ポルトガル・マルタ・中国・フランスと、世界各国で開催されてきました。日本では第8回会議が、2005年に滋賀県で開かれています。このシンポジウムでは、花火業界の関係者が一堂に集まり、最新の技術、安全性、芸術性、学術・科学情報などの報告を行います。会場での商談会には、花火そのものを作る業者だけでなく、火薬類、製造機器、打上用品、演出機材などの業者も参加します。そしてこの会議の目玉は、私たち一般の人も観覧できる、打ち上げ花火のデモンストレーション! 今回は『世界の花火 日本の花火』と題して、25日・27日・28日はそれぞれ約7000発、29日は約12000発という、豪華な打ち上げ花火を予定しているそうです。日本の花火だけではなく、カナダ・スペイン・中国・イギリス・メキシコの花火も打ち上げられるようですので、ふだん私たちが目にしている日本流の花火とはひと味違うものが楽しめるかもしれません。
 
秋田県大仙市は、秋田と盛岡の間の少し秋田寄りのところにあり、「踊る大捜査線」で秋田弁を有名にした「ギバちゃん」こと柳葉敏郎の出身地。今月に限らず、一年中毎月市内のどこかで花火を打ち上げる催し物があるという「花火の市」です。今年の春は秋田に足を運んでいただき、ひと足早く夏の風物詩を楽しんでみてはいかがでしょうか。
 
 

 

2017年3月

こんにちは、院長の藤原です。寒波に見舞われた厳しい冬が終わり、やっと春の到来を感じられるようになりました。各地から春の知らせやサクラ前線のニュースが伝えられるようになると、気持ちもほんわかと温かくなります。さて、毎年気になるサクラの開花情報、これは気象庁が行っている「生物季節観測」によるものです。実はこの生物季節観測の対象になるのは、サクラだけではありません。ウメ・アジサイ・ススキ・イチョウなどの12種類の植物に加え、ウグイス・モンシロチョウ・ホタルといった11種類の動物も対象で、気象庁の職員によって全国各地で観測されているそうです。つまりサクラ前線だけでなく、ウグイス前線やモンシロチョウ前線などが存在している(!)ということなんですが、動物は植物と違って動き回るのでなかなか観測が難しそうです。
 
明治時代までは紋が黒い白い蝶ということで「モンクロシロチョウ(紋黒白蝶)」と呼ばれていたモンシロチョウの幼虫アオムシは、実はキャベツ、ブロッコリーなどアブラナ科野菜の大害虫。そう言えば、子供のころ虫取り網を持ってキャベツ畑の近くに行けば面白いようにモンシロチョウが獲れましたっけ。卵は気温15℃前後でふ化するため、サクラ前線とほぼ同時期に北上することが多いようです。昨年の今ごろ、某テレビ番組で気象予報士がこんな問題を出題していました。問題、「モンシロチョウが全国どこでも見られるのはなぜでしょうか?」その答えは、「モンシロチョウの幼虫が好んで食べる、キャベツなどのアブラナ科の植物が全国で栽培されているから」とのことでした。(なーんだ) では、どのようにして幼虫の餌になる植物を見分けているのかというと…葉の表面から分泌されている揮発性の油成分を前足の先端部分にある器官で感じ取って、産卵に適した植物か判断しているんだそうです。(すごい!)
 
モンシロチョウは英名でcabbage white butterfly(キャベツシロチョウチョウ?)と言われることもあります。世界中、キャベツ畑のあるところモンシロチョウあり、なんですね。
 
 

 

2017年2月

こんにちは、院長の藤原です。暦の上では2月4日は立春。東京は先月末暖かい日があったこともあり、春が近いかなぁなどと思ってしまいますが、日本海側や関西は寒波による大雪で大混乱のようです。まだまだ気は抜けませんよね。
 
さて、今月14日はバレンタインデー。『女性が男性にチョコレートを渡しながら愛の告白をするという日本独特の風習のせいで、チョコレートがもらえるあてのない男性や、実際にチョコレートがもらえなかった男性が、孤独感など精神的ストレスから「二月病」になった』のは、昔の話となりました。近年は女性から男性に贈るだけでなく、自分へのご褒美のために買ったり、友人同士で交換したりする人も増えています。今ではすっかり身近なチョコレートですが、実は昔はとても貴重なものだったことをご存知でしょうか? 16世紀、スペイン人のコルテスという人物が、南米アステカ帝国を征服した際にチョコレートの原材料カカオ豆を持ち帰り、その後世界中に広まったと言われています。当時のカカオは、王や貴族たちだけが食べることのできる贅沢品で、珍重され健康に良いものとされていました。日常的に私たちの脳はかなりのエネルギーを消費しているのですが、チョコレートのカカオ成分はこの脳の疲労解消に効果があるということがわかっています。(そういえば、あの加藤一二三九段(ひふみん)は対局中によくチョコレートを頬張っています。)また、カカオには体のだるさを回復したり、抗うつ効果などもあるそうです。ただし、この効果はカカオの効能ですので、健康効果を期待したい場合はカカオの含有量の多いものを選ばなくてはなりません。
 
バレンタインデーの直後にチョコレートアレルギーの症状を発症する「バレンタイン症候群」なんていうのもありました。臨床疾患名ではないのですが、この時期、チョコレートの食べ過ぎで、気管支喘息発作、じんましん、腹痛、下痢、嘔吐、鼻血、頭痛などを起こし医科を受診する患者さんが増えるそうです。含まれるニッケルやチラミンという物質などの過剰摂取が原因ですが、このチラミン、チョコレートの他、赤ワイン、熟成チーズにも多く含まれているとか。「チーズやチョコをつまみに赤ワイン」はほどほどに、ですか…
 
 

 

2017年1月

こんにちは、院長の藤原です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。サッカーは鹿島が接戦を制し、箱根はヒヤッとする場面はあったものの終わってみれば青学の3連覇。原監督はいろいろな放送局で引っ張りだこになっています。囲碁界は、年末年始のネット囲碁に突如現れ強豪プレーヤーをバタバタとなぎ倒していった怪物アカウント「Master」の話題で持ちきりでしたが、昨年話題となったあのAlphaGoの改良版であることが判明しました。ネット囲碁では、現在世界ナンバー1と評される中国の柯潔(カケツ)九段や韓国の朴廷桓(パクジョンファン)九段、日本の井山裕太六冠ら世界のトップ棋士が実名を出さずハンドルネームを使って短時間の非公式対局を行っていますが、彼らをハンディなしの互先(たがいせん)で次々に破り今月4日までの1週間で60勝無敗という驚異の戦績を上げました。今年もコンピューター囲碁と人間の対戦から目が離せません。
 
さて、年始といえば「年賀状」。今年もたくさんの年賀状が届きました。かれこれ何十年間も年賀状のやり取りだけになっている知人もいますが、本人の写真や近況報告があると嬉しくなり思わず微笑んでしまいます。その年賀はがきの宛名面にある干支のデザインを皆さんはご覧になっていますか? どれも12年前のデザインと関連があるストーリーになっているそうですので、お暇なときに確認してみてください。今年の寄付金付き年賀はがきはというと、卵が1つ描かれているだけ。ずいぶんシンプルだなあと思いながらこの卵の影の部分をハズキルーペで見たところ、何と「あけまして おめでとうございます」というマイクロ文字が書かれていました。インクジェット紙版では「地鶏が自撮り」しています。消印部分は「悟り」か? お年玉番号のところは「千鳥足」。日本郵政のシャレなんでしょうか。ディズニー・キャラクター年賀はがきには、毎年恒例の隠れミッキー。今回は5つのミッキーが隠れているそうです。他にも、富士山年賀はがきに17個の富士山がデザインされているとか。あっ!お年玉の「玉」の字にもよく見ると富士山が… 
 
寒さの厳しい時期が続きそうですので、くれぐれもご自愛下さい。




 
 

2016年12月

こんにちは、院長の藤原です。いよいよ今年も年の瀬を迎え、2017年の足音が聞こえ始めてきました。2016年を振り返ってみると、全体的にとても慌ただしく、良くも悪くも気の休まらない年であったように思います。
 
残念なニュースを挙げると、甘利経済再生相大臣や舛添都知事の辞任、SMAPの解散、ベッキー・ASKA・清原ら芸能人やスポーツ選手、そして政治家による様々な不祥事、オリンピックのエンブレムや、築地の豊洲移転問題などがありました。そして、4月に発生した熊本地震をはじめとする国内外での自然災害、止まらないテロや難民問題には世界中が心を痛めています。異常気象には慣れっこになりましたが、年始1月に沖縄本島で観測史上初となる降雪が観測され、東京都心では54年ぶりとなる11月の降雪が観測されました。
 
一方、良いニュースと言うと、アメリカのケリー国務長官やオバマ大統領による初めての広島訪問、伊勢志摩サミットの成功、日米の大スターであるイチロー選手のメジャー単独3000本安打達成、25年ぶりとなる広島カープのセ・リーグ優勝、大隅良典さんのノーベル賞獲得、さらに日本中が歓喜に沸いたリオオリンピックの開催でしょうか。閉会式における東京オリンピックへの引き継ぎ式も世界中で大きな話題になりました。演出には最新テクノロジーや人気アニメやゲームのキャラクターがふんだんに取り入れられ、土管から登場した“安倍総理マリオ”には世界中が熱狂。ネット上では「首相がマリオに変装して登場するなんて、クレイジーな国だ!」と好意的にもてはやされ、2020年の東京オリンピックへの期待が高まっています。
 
その他にも、民主党と維新の党が合流して民進党を結党、北海道新幹線の開業、アルプス山脈を縦貫する「ゴッタルドベーストンネル57㎞」の完成(青函トンネル53.85kmは抜かれてしまいました)、18歳選挙権の施行、イギリスのEU離脱、男子プロバスケットボール”B.LEAGUE”が開幕、1976年から40年続いた漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」、通称“こち亀”の連載が終了、スマートフォンのアプリ「ポケモンGo」が世界中で流行したりと、何かと変化の多い年でした。
 
来年は明るい話題が少しでも多くあればと願うばかりです。それでは、健康に気を付けて、良いお年をお迎えください。
 

2016年11月

こんにちは、院長の藤原です。朝晩はめっきり冷え込んできました。上之根大通りの街路樹は紅葉が始まり、緑・黄・赤が織りなす幻想的な景色になっています。毎年のことながら、この時期おすすめです!
 
さて秋は春と並ぶ学会の季節。博多の学会は、博多駅から駅前の住吉通を西北に進み、博多港手前の突き当りにある「福岡国際会議場」や奥の「マリンメッセ福岡」で行われることが多いのですが、11月中旬はすぐ隣の「福岡国際センター」で「大相撲11月場所(九州場所)」が開催されているため、この時期学会出張があると、当日券を購入し雰囲気を味わいに行くことになります。九州は昔から多くの強豪力士を輩出してきました。昭和に入ってからも69連勝の双葉山(大分県)、濃い胸毛と太い眉毛で人気だった朝潮(鹿児島県)、闘志の横綱佐田の山(長崎県)と名横綱が相次いで登場しています。記憶に新しいところでは、魁皇(福岡県)と千代大海(大分県)の元大関陣も九州出身。実力・人気ともに土俵を盛り上げました。今場所は地元九州出身ということで、大関琴奨菊(福岡県)、松鳳山(福岡県)、巨漢佐田の富士(長崎県)、浅田真央似(!)の佐田の海(熊本県)、嘉風(大分県)、千代鳳(鹿児島県)に声援が集まりそうです。かつては、九州場所がきっかけとなってブレークした力士も数多く、「巨人・大鵬・卵焼き」の大鵬は、関脇時代の昭和35年九州場所が初優勝。北の湖は関脇時代の昭和48年の九州場所、12日目に足首を負傷しながら千秋楽まで土俵を務め2ケタ勝利を挙げ、このときの自信が翌場所の初優勝につながり、大横綱への道を突き進むきっかけになりました。また、今年膵臓癌で亡くなったウルフ千代の富士は横綱初優勝が昭和56年の九州場所。前場所、新横綱としてさっそうと登場しながら途中休場してしまいましたが、2場所目で栄冠を手にすることになります。感激し、支度部屋で男泣きしたとか。そして千代の富士はその後九州場所で昭和63年まで同一場所連続優勝するという大偉業を成し遂げます。
 
そうそう、相撲の興行は一年を通して行われますが、俳句の世界では秋の季語なんだそうです。
 

 

2016年10月

こんにちは、院長の藤原です。プロ野球セ・リーグは広島東洋カープが25年ぶり7度目の優勝を達成しました。下馬評ではマエケンが抜けた穴を埋めるのは無理とされていましたが、ベテランと若手、さらに外国人選手がうまくかみ合い、あれよあれよという間に勝ち星を重ね、終わってみれば全球団に勝ち越すという圧倒的な強さを見せました。広島はいまだに大フィーバーのようです。
 
広島といえば、平成10年に29歳の若さで亡くなった広島出身の将棋棋士がいました。名前は村山聖(さとし)。彼の人生をアンジャッシュ渡部風に紹介すると、『幼少の頃から重い腎臓疾患(ネフローゼ)を患い入院生活を送っていた村山少年は、入院中に覚えた将棋に没頭し、当時名人候補と言われていた谷川浩司を倒したいという、とんでもない夢を抱く。中学生の時にプロ養成機関の「奨励会」に合格し、体調不良による不戦敗が多いにもかかわらず、17歳でプロ入り。「東の羽生、西の村山」と称されるほどの評価を受け、20代半ばで、名人への挑戦者を決めるA級リーグ入りも果たす。ただ本人は永く生きることができないのをわかっていて、入院中も医者に内緒で対局に行くなど、病と闘いながら(後に癌も発症)対局し続け、命を削りながら名人を目指す。その実力は「終盤は村山に聞け」とプロ仲間に言わしめるほどの折り紙つき。平成9年のNHK杯での対羽生善治戦でポカ負けし、対戦成績を6勝7敗としたが、当時絶頂期の羽生と五分に渡り合っていた。将棋にすべてを賭けたわずか29年の生き様をとくとご覧あれ!』 平成12年に、この村山聖の生涯を描いた本「聖の青春」(大崎善生著)が出版されましたが、このたびついに映画化(来月19日ロードショー)。主役の松山ケンイチは役作りのために20kg以上増量し、当時事情を知らなかった私は、てっきり幸せ太りかと勘違いしていました。
 
将棋界では、今月1日付で注目の新四段(=プロ)が誕生します。愛知県出身の藤井聡太四段。何と、14歳2か月という史上最年少でのプロ入りとなります。従来の記録はあの(!)加藤一二三九段の14歳7か月。中学生棋士の誕生は、加藤、谷川、羽生、渡辺明に次いで5人目です。ご注目ください!
 
 
 

2016年9月

こんにちは、院長の藤原です。日が暮れる頃には涼しい風を感じる季節になりましたが、日中は蒸し暑い日が続き暑さ対策にまだまだ気が抜けません。台風の進路も気になります。
 
さて、先月は他のニュースがかすんでしまうほど日本中がオリンピックで盛り上がりました。感動の場面がいくつも脳裏に焼き付いています。41個のメダル(金12銀8銅21)獲得はロンドン大会の38個を抜き史上最多。4年後に期待が膨らんでしまいますよね。そして、今月は南アメリカ大陸初となるパラリンピックが開催されます。このパラリンピック、起源は第二次世界大戦後の1948年ロンドンオリンピックに合わせて同地のストーク・マンデビル病院で行われたアーチェリー大会。戦争で負傷した軍人のリハビリが目的でした。今大会からトライアスロンとカヌーが加わり夏季22競技、冬季は5競技。「ゴールボール」や「ボッチャ」など普段耳にすることのない固有の競技もあります。そうそう、リオパラリンピックのPV『We’re The Superhumans』ご覧になりましたか?ネットで「めちゃくちゃカッコいい!」と評判になっています。私も感激しました。そして自分が恥ずかしくなりました…
 
1986年のロス五輪、歯のトラブルで実力を出し切れなかった選手が続出したことを受け、以降遅ればせながら日本でもスポーツにおける歯科の重要性が認識されるようになってきています。ゲートボールの上手な老人が入れ歯を外した途端下手になるのは、咬み合わせがないと頭が動いて「姿勢反射」を起こし、体の軸がぶれるから。また、歯を咬みしめて咬筋(こうきん)を収縮させると、足や手首で伸筋と屈筋が興奮し関節が固定されますが、これはある部位に力を入れると離れた部位の筋肉が興奮する「遠隔促通(えんかくそくつう)」のため。瞬間的に関節を固定する重量挙げなどに重要となります。
 
かつて、あのゴジラ松井もヤンキース入団に際し、徹底した歯科治療を受けるようきつく指示されました。
 
 

2016年8月

こんにちは、院長の藤原です。長かった梅雨もようやく明け、暑い暑い夏がやってきました。熱中症にならぬよう、CMではありませんが「早め早めの水分補給」を心がけましょう!
 
世界中を熱狂させている『ポケモンGO』が、先月22日ついに日本でも配信開始となりました。配信後、熱中するあまりのトラブルが各地で相次ぎ、「ポケストップ(アイテムを獲得できるポイント)の対象から外してほしい」との要望が多くの公共施設などからあがるという事態も起きています。市ヶ谷にある歯科医師会館の敷地内にも「ポケストップ」が設定されているとか。さぞや任天堂は大儲けかと思っていたところ、配信開始当日の夕方、任天堂は「『ポケモン GO』の配信による当社の連結業績予想への影響について」というIR(Investor Relations 投資家向け広報)を発表しました。①アプリは米国ナイアンティック社が開発・配信している ②(株)ポケモンはライセンス料等を受け取る ③(株)ポケモンは任天堂の関連会社だが株式の32%しか保有していない ④周辺機器『ポケモン GO Plus』の製造販売を予定しているが、既に公表した当社連結業績予想に織り込み済み という内容でした。そして数日後に、円高による影響を受けた赤字決算が発表されました。
 
ナイアンティック社(グーグルが株式を30%弱保有)のCEOジョン・ハンケ(現在49歳)はテキサス州の田舎町で生まれ、大学卒業後同級生が立ち上げたゲーム会社を経て独立。地球上のあらゆる場所の衛星画像を閲覧できるソフトを提供するベンチャーを立ち上げグーグル社に買収されることに成功。グーグル社員として2005年にあの「グーグル・アース」を、2012年に実際に街の中を歩き回る位置情報ゲーム「イングレス」を世に送り出しました。そして2015年グーグルの組織再編に伴い独立、このたびの『ポケモンGO』のリリースとなります。ちなみに、自分が作ったゲームを楽しむ暇ないほど仕事が忙しいというハンケにレベルを聞いたところ、バツが悪そうに「レベル5くらいだと思う」と答えたそうです…
 
 
 

2016年7月

こんにちは、院長の藤原です。本格的な夏も目前ですが、花火やスイカ、カキ氷と並ぶ「夏の風物詩」と言えば? そう、やっぱり蚊取り線香でしょう。デング熱やジカ熱の流行もあり、このところ世界で蚊が注目されていますので、近々ブームがやってくるかもしれません。
 
その昔、虫除けには「蚊遣り火(かやりび)」という風習があり、ヨモギ、カヤ、杉、松などを燻した煙で蚊を追い払っていましたが、1890年(明治23年)に登録商標「金鳥」でお馴染みの大日本除虫菊株式会社が、“線香"に殺虫成分のあるシロバナムシヨケギク(除虫菊)を練りこんだものを開発しました。除虫菊に含まれるピレトリンと呼ばれる成分が、ゴキブリ・蚊・ハエ・その他昆虫の神経を麻痺させ退治します(現在使われているのはピレトリンを化学合成して作ったピレスロイド)。当初の線香は棒状で、短時間で消えたり倒れて火災が発生することもありましたが、その後改良され現在のような渦巻型になり安全性も向上。1時間で約10cm燃えるので、伸ばすと長さ75cmになる一般的なものは人の平均睡眠時間である約7時間使用できるようになりました。また、このタイプは電気がない場所でも使用できるため、開発途上国のマラリア感染対策など世界中で使われているようです。
 
ここで問題。蚊取り線香の渦の巻き方は「右巻き」でしょうか、それとも「左巻き」でしょうか? 実は金鳥の線香が世界で唯一の左巻きで、他のメーカーは右巻き。金鳥も当初は右巻きを作っていましたが、機械化の際、他社との差別化を図るために左巻きにしたとのこと。藤原竜也の顔がドヤ顔に見えてきました。そして、みなさんお馴染みのこの金鳥蚊取り線香のシンボルマーク、描かれている鶏の胸の辺りに創業者上山英一郎の「上山」と入っているのをご存知でしたか? えっ、本当?
 
 
 

2016年6月

こんにちは、院長の藤原です。今年も早6月、梅雨の季節になりました。今年は長梅雨だとの予報も出ていますが、体調を崩さぬよう健康に十分注意し、元気に夏を迎えましょう。
 
 さて、先月イギリスのサッカープレミアリーグでとんでもないことが起こりました。あの岡崎慎司が所属するレスター・シティが創設133年目にしてリーグ初優勝を飾るというスポーツ史に残る“世紀の番狂わせ”を演じたのです。日本で例えるなら「サガン鳥栖がJ1で優勝した」ようなものでしょうか(失礼!)。レスターのサッカーは、典型的なカウンターサッカー。カンテ(フランス代表)とドリンクウォーター(イングランド代表、名前です)のダブルボランチが強烈なタックルから球を奪い前線の岡崎めがけて蹴る。岡崎は動きまわり走り回ってボールを追い、こぼれ球をマフレズ(アルジェリア代表)とヴァーディ(イングランド代表)がゴールに結びつけるというパターン。あるブックメーカー(賭け屋)もシーズン前にはレスター優勝に5001倍というオッズをつけていました。同じ5001倍のオッズが設定されているのは、「ネッシーが存在した」「プレスリーが生きていた」といったもの。ジョークのレベルです。ラグビーW杯で日本代表が優勝する可能性ですら1001倍でした。イングランドサッカー史上に残る名ストライカーで伝説のレスターOBギャリー・リネカー氏も「もし古巣が優勝したらTV番組にパンツ一丁で出演する」と公言してしまっていたほどです。このリネカー発言はレスター優勝後イギリス議会でも話題になり、議員から「リネカーはパンツ一丁になるべきか?」という質問まで飛び出しましたが、これに対するキャメロン首相の答弁は「当然だ」でした。
 
ちなみに、「キャメロン首相がアストン・ヴィラ(バーミンガムを本拠地とするプレミアリーグの1チーム)の監督になる」のオッズは2001倍です。
 
 
 
 

2016年5月

こんにちは、院長の藤原です。ゴールデンウィークはどちらか行かれましたか。私は毎年この期間、特に予定もないのに気分はウキウキしています。どうしてでしょう?
 
さて、先月25日に2020年東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会が公式エンブレムを決定しました。最終候補4作品の中からA案に決まったわけですが、みなさんの予想はいかがでしたか。A案の「組市松紋(くみいちまつもん)」の作者は、アーティストの野老朝雄(ところ・あさお)さん。A案は4作品の中では唯一単色のデザインでしたので、地味だなあという印象だったのですが、発表後時間が経つにつれて「実は周到に作られたデザインだ!」ということが次々判明し、現在ネット上で話題になっています。まず、オリンピックのエンブレムとパラリンピックのエンブレムのパーツの枚数が同じ(大9枚・中18枚・小18枚)。それだけでもビックリですが、枚数だけじゃなく白い小円の大きさまで同じ。さらにオリンピックのエンブレムのパーツを角度を変えないまま移動するとパラリンピックのエンブレムに大変身してしまうという事実が発覚するに至っては、仰天する人が続出。この大変身の動画、探せばすぐ見つかると思いますので是非一度見てみてください。
 
国際オリンピック委員会(IOC)は「エンブレム」という用語を使います(私は「エンブレム」というとブレザーの胸に着けるワッペンを思い起こしてしまいます)が、英和辞典で同じ「象徴」と訳される「シンボル」や「ロゴ」とどう違うのでしょうか。いろいろ調べてみると、IOCはこんな使い方をしているようです。
 
「エンブレム」=「開催地と年の入ったロゴ」+「オリンピックのシンボル(五輪の輪)」
 
招致の段階で初めに使われていたのは、カラフルな桜のデザインでまだ五輪の輪が入っていない「招致ロゴ」(申請を意味するAPPLICANT入り)。一次選考を通過し立候補都市決定後発表されたのが五輪の輪の加わった「招致エンブレム」(立候補を意味するCANDIDATE 入り) ということになります。2020年の開催都市が東京に決定した後発表されたエンブレムに対しベルギーのデザイナーが「2020東京オリンピックのエンブレムは自分の作ったロゴの盗作だ!」と訴えたのは正しい使い方でした。
 
 
 

2016年4月

こんにちは、院長の藤原です。暖かな風や日差しが少しずつ感じられ、「二度寝」が気持ちのいい季節になってきました。新年度、新しい環境でのスタートをきった方も多いと思います。楽しみですね。
 
先月、囲碁ファンにはショックなニュースが飛び込んできました。なんと、Google傘下の企業が開発した人工知能コンピュータソフト「AlphaGo(アルファ碁)」が、イ・セドル九段(韓国)との五番碁で出だし3連勝したというのです。イ・セドル九段は「韓国の至宝」と言われる世界最強棋士の一人。チェスや将棋は仕方ないとしても、囲碁でこんなに早く人間が負ける日が来るとは思っていませんでした。驚きです。囲碁のコンピュータソフトは1980年代から本格的な開発が行われてきましたが、2000年代になってもアマチュア級位者の実力を脱することはなく、人間の初段と互先で戦って勝つのはほぼ不可能という評価をされてきました。当時は私の周りにも「最高峰」「最強の囲碁」「銀星囲碁」「AI囲碁」などのソフトがありましたが、弱くはないが歯が立たないほど強くもないなあ、というレベル。しかし、囲碁のコンピュータソフトはこの頃から思考回路を変えることで急激な進歩を見せ、2012年にはプロ相手に4子局(あらかじめ4つの石を置いておくというハンデ戦)で勝てるようになり、アマチュア6段程度の棋力があると認定されるに至りました。コンピュータソフトとの五番碁は、コンピュータ3連勝の後、第4戦イ・セドル九段が一矢報いました。が、最終戦に再び敗れてしまい、アルファ碁の4勝1敗という結果に終わっています。あらら…
 
国内では、7つのタイトルのうち6つを持っている井山裕太名人が残りのタイトル「十段」の五番勝負に挑戦中で、現在2連勝中。今月14日に第3局があり、もし井山名人が勝てば、囲碁界初の「七冠独占」という前人未到の偉業を成し遂げることになります。井山名人はプロ15年目の26歳。新進気鋭の…と言いたいところですが、羽生善治名人が21年前に将棋界初の「七冠独占」を達成したのは25歳の時でした。囲碁も将棋も棋士のピークは20代と言われています。

さて、囲碁のプロ棋士に「プロ棋士の中で最も攻撃的戦闘的な碁を打つのは誰?」と質問したらおそらく多くの棋士がこの人と答えるであろう宮沢吾朗九段。実はあの「さかなくん」の父親なんでギョざいますよ!
 
 
 

2016年3月

こんにちは、院長の藤原です。今月の話題といえばなんと言っても26日に開業する北海道新幹線でしょう。これまで新幹線の最北端は「新青森駅」でしたが、このルートがさらに水面下240mの海底にある青函トンネルを通り「新函館北斗駅」(現「渡島大野駅」)まで延長されます。日本の鉄道技術は世界からも高く評価されているところですが、北海道は冬の気候条件が厳しく、さらに在来線と貨物列車が線路を共用で使うことも多いため、北海道に新幹線を走らせるというのはとても難しい構想だったという話を聞くと、ますます一度乗ってみたくなります。が、先月26日に発売された新函館北斗発東京行きの上り一番列車「はやぶさ10号」の指定席は約25秒で完売しました。
 
車体は外観・内装とも北海道ならではのこだわりがあります。ピンクラインの東北新幹線に対し北海道新幹線はラベンダーのような薄紫のライン。また、北海道の形と北海道に飛来するシロハヤブサをモチーフにしたロゴマークが車両側面についています。そして、車内の床やカーペットは雪の結晶や流氷の海がデザインされています。
 
昨年は北陸新幹線、今年は北海道新幹線に注目が集まる中、全国に目を向ければ、九州新幹線では2022年頃の開通を目指して、新鳥栖から長崎を結ぶルートの工事が始まりました。2027年には東京大阪を1時間で結んでしまうというリニアモーターカーも開業。そして2030年頃にはついに北海道新幹線が札幌まで開通し、東京と札幌が5時間程度で結ばれるそうなんですが、はたして乗ることができるでしょうか?
 
さて発表された北海道新幹線の時刻表を見ると、東京発の下りでで一番早いのは6:32発。10:58には新函館北斗に着きます。連絡している「はこだてライナー」に乗り11:25函館到着。遅い朝市に間に合うかもしれません。その日のうちに函館に着けて一番遅いのは19:20発。23:33に新函館北斗着で、乗り継いで0:05に函館着です。札幌に行く場合はどうでしょう。15:20東京発に乗れば19:50に新函館北斗着。20:14発の「特急スーパー北斗23号」で23:40に札幌に到着。8時間20分か… まあ函館に1泊ですよね!
 
 
 

2016年2月

こんにちは、院長の藤原です。年が明けてあっという間に2月、一段と寒さが厳しい季節になりました。2月といえば梅の花が美しい季節、丸い花びらがかわいらしく、漂う香りもすがすがしいですよね。もともとは中国が原産の梅ですが、日本には奈良時代に伝わり、平安時代に桜が伝わるまでは、花見といえば梅だったのは以前に紹介しました。そして、梅は昔から花だけでなく「実」も活用されています。中国では紀元前から調味料として使われていましたが、梅酢にして傷口の消毒や道具の防錆に使ったり、焼いて胃薬や解熱剤として使ったりと、漢方薬としても広く普及しました。その後、梅干しとして加工され、食中毒や伝染病予防の薬としても使われるようになります。日本では、平安時代に村上天皇が申年に漬けられた梅干しを食べて疫病を治したという言い伝えがあり、「申年の梅は縁起がいい」「申年の梅干しは体にいい」とされています。
 
梅には、胃に障害を及ぼすことが明らかになり注目を浴びている「ヘリコバクターピロリ菌」の運動能力を阻害・抑制する物質が含まれていることがわかっています。また、「血糖値の上昇や肥満」に関係する酵素(α-グルコシダーゼ)の働きを阻害することも明らかになりました。黄色ブドウ球菌や病原性大腸菌O-157といった「食中毒菌の増殖を抑制する」作用もあります。血液中の脂質を減少させ「血液をサラサラにする」作用もあります。動脈硬化を抑えたり、血糖を低下させ糖尿病を予防することも知られています。一方、梅干しには、癌や生活習慣病を引き起こす原因となる活性酸素の過酸化反応を消去する「抗酸化作用」があります。梅干しは酸っぱいので酸性と想像されがちですが、れっきとしたアルカリ性食品。酸性食品に偏った現代人の食生活を改善するためにはアルカリ食品で中和させなければなりませんが、なんと梅干しは酸性の強い牛肉100gをたった5gで中和してくれるそうです。
 
豊富に含まれるクエン酸が乳酸の生成を抑えるため、梅干しに「疲労回復効果」があるのも有名ですが、このクエン酸、虫歯の原因となるミュータンス菌の活動を抑える働きもあるんです。だから麦焼酎のお湯割りに梅干しなんだよって?
 
 
 

2016年1月

こんにちは、院長の藤原です。2016年を迎えみなさんいかがお過ごしでしょうか。青学完全優勝で幕を閉じた箱根駅伝の余韻に浸っている方も多いかと思います。新たな思いを胸に一年健康で元気に楽しく過ごしましょう。
 
このところ毎年毎年様々な“未来的変化”が訪れます。ドローンを使った宅配便が現実味を帯びてきましたし、家庭用ロボットもびっくりするようなものが続々と登場してきました。子供の頃夢だったドラえもんや鉄腕アトムの世界が次々と現実となっていくことに驚くばかりです。中でも「ドラえもんの道具が実現化した」と思わせるのは、昨年末から成田空港で試験配備されている多言語翻訳機「メガホンヤク」でしょう。その名の通り“日本語で話した内容を英語、中国語、韓国語に翻訳し、大音量に拡声して自動的に繰り返し流せるメガホン型の装置”で、パナソニックが研究開発を進めています。災害などの緊急時に、空港利用者に向けて広く周知を行なうといった活用を想定しているそうです。また昨年話題となった「ロボットタクシー」も昔は夢の話でした。この自動運転によるタクシーは、車両に周囲を捉えるカメラや各種センサー・GPSなどを搭載し、地図情報と周囲状況を認識しながら自動で走行するそうです。今のところ「ジュネーブ交通条約(車両は運転手の制御下になければならない)」に反してしまうため、完全無人の自動車を走行させるには条約の改正という高いハードルがありますが、実現すれば、鉄道や路線バスも無いような過疎地でも地元住民が自由に動けるようになりますし、日本語が不自由な海外からの旅行者もストレスなくタクシーを利用できることになるでしょう。
 
確実に再生医療に向かっている医療分野では、歯科で抜去した歯の幹細胞が医科の全身疾患の治療にも応用できるということがわかってきました。2016年は様々な分野でどのような変化が訪れるか楽しみですね。それでは皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 
 
 

2015年12月

こんにちは、院長の藤原です。今年も早いものでいつの間にか12月になってしまい、朝晩はめっきり冷え込んできました。多摩センター駅からパルテノン多摩に続くパルテノン大通りは、例年通り様々な色のイルミネーションで幻想的な空間を作り出し、一番奥にあるライトアップされ浮かび上がったキティちゃんは絶好の撮影スポットとなっています。この時期、街ではクリスマスの定番ソングである山下達郎の「クリスマスイブ」やワム!の「ラストクリスマス」がカップルたちのBGMを務めることになるわけですが、両方とも実は失恋ソングなんですよね。昔から「ヒットするクリスマスソングを作りたかったら失恋をテーマにしろ」が鉄則だとか。
 
「SPARKLE」という軽快な曲で始まるアルバム「FOR YOU」は、シンガーソングライター山下達郎に夏のイメージを焼き付けました。その後次のアルバムをまだかまだかと待っていた私は、翌年の夏前にリリースされたアルバム「MELODIES」に衝撃を受けることになります。1曲目「悲しみのJODY」の冒頭「ジョーディー…」を聴いた時、頭がクラっと。その後立ち直り「このアルバムも夏の定番になるんだろーなー」などと思いながら聴き進んでいくと、最後の曲が夏とはまったく関係のない「クリスマスイブ」。当時は「パッヘルベルのカノンをアレンジし、歌詞をつけ、アカペラを散りばめた、達郎の実験曲」というイメージを持って聴いていたんですが…
 
クリスマスイブ」の「イブ」は「前日」ではなく「イブニング」すなわち「夜」のことなので、「クリスマスイブ」は「クリスマスの夜」という意味です。では24日の夜と25日の夜、どっちなの? ユダヤ暦をもとにするキリスト教会暦では、日付の変わり目は日没なので、「クリスマス」は24日の日没から25日の日没まで。その間の夜である24日の夜が「クリスマスイブ」ということになります。
 
それではみなさまよいお年をお迎えください!
 
 
 

2015年11月

こんにちは、院長の藤原です。日に日に寒くなってきてエアコンの運転も「暖房」を選ぶ日が多くなってきました。風邪などで体調を崩さないようご注意ください。
 
さて、今月は「秋の火災予防運動」があり、初日の9日は「119番の日」とされています。119番は、正式には消防機関に提供される「緊急通報用電話番号」と言い、火災の場合や、救急、救助が必要な場合に使います。電話が交換手に通話先を伝えてつなぐ方式だった頃は、交換手に「火事」と言い、交換手が消防につないでいました。1926年(大正15年)に電話がダイヤル式となった際、当初は112番が緊急通報用として定められたのですが、かけ間違いが多発したため、翌年119番に改められました。現在では112番は未使用、でも携帯でかけてみると…auやsoftbankでは正しい番号にかけなおすようアナウンスされますが、docomoの携帯電話で112を発信すると「警察は1を、救急・消防は2を、海上保安庁は3を」とアナウンスされそのまま通報に利用することができます。また、海外で112番をかけると多くの場合現地の警察へ自動で接続してくれるそうです。この緊急通報用電話番号、世界に目を向けてみると、韓国、台湾は同じく119番。中国は救急が110、火災が119です。スリランカは日本と逆で119が警察で、救急が110、火災は別の番号111です。アメリカは緊急電話番号が火事・救急・犯罪どれでも911に統一されています。日本のような110番119番の区別はありません。2001年の米国同時多発テロは、わざと緊急電話番号である911と同じ日にテロを起こしたと言われています。その他日本の119番に相当する救急と火災についてはイギリスと香港が999、ドイツをはじめとするEU諸国の多くが112、デンマークとオーストラリアが000など3桁が多いようですが、フランスやロシアは2桁の場合もあったりと、各国でだいぶ違うんですね。
 
日本の消防の代表でもある東京消防庁の本庁舎。その高さは何と119m!偶然なんだそうです…
 
 
 
 

2015年10月

こんにちは、院長の藤原です。10月に入り過ごしやすい日が続いています。湿度が低いせいでしょうか、晴れた日の朝、家の外に出ると一瞬で気持ちの良い爽快感に包まれます。そして空を見上げ、「こんな日はゴルフ場にいたら気持いいんだろうなぁ…」などとつぶやきながら多摩センターに向かいます。
 
さて、先月18日からイングランドで行われているラグビーワールドカップで、我がエディジャパンが南アフリカを破るという大金星をあげ、日本中が興奮に包まれました。テレビの前で思わず雄叫びを上げた方も多いことと思います。昨年の今頃はスポーツといえばテニスで、世界の強豪選手の名前やその特徴まで覚えていましたが、今年は頭の中のスポーツ部門はほとんどラグビー。夏まで知らなかった日本選手の名前と顔を自然と覚えてしまい、五郎丸選手の例の「ルーティーン」は、私だけでなく日本中の子供から老人まで皆が真似をするという現象も発生しています。
 
ラグビーの得点パターンはいくつかありますが、皆さんご存知の「トライ」、何で「Try(挑戦する)」なんでしょうか? 実は、昔はトライをしても得点にならず、その後のキックを決めれば勝ちというルールでした。つまり、トライは、勝ち負けを決める「キックに挑戦する権利を獲得した」ということだったのです。ただ、100トライしてもキックが決まらなければノーゴールで、1トライしかしてないのにその1ゴールを決めた方が勝ちというのはどーなの?ってことで後にトライにも点数がつくようになったそうです。現在は、トライ5点、その後のキック(コンバージョンキック)2点となっています。
 
ここでまたまた疑問、何でトライの後のキックは「Conversion(転換)」なんだ?  以前、トライが3点でキックが決まるとプラス2点という時代、考え方は「トライで3点得点、その後のキックが決まった場合、トライの3点は無しにしてキックの5点を得点とする」でした。トライの点数をキックの点数に「転換」していたんですね。
 
 
 

2015年9月

こんにちは、院長の藤原です。連日のうだるような暑さにぐったりしていたら、急に涼しくなってきました。夜もぐっすり眠れるようになり睡眠不足解消です。ただこれだけ温度差があると、着るものと体調管理に気を使わなくてはなりません。梅雨にもどったような天気が続いていますが、これから残暑があるのでしょうか?まだ夏物はしまえませんよね。
 
さて、今月はみなさんお待ちかね(?)の「シルバーウィーク」があります。春の大型連休「ゴールデンウィーク」に対する秋の大型連休に付けられた名称です。「ゴールデンウィーク」が映画業界生まれの言葉なので、新聞やNHKなどは「ゴールデンウィーク」「シルバーウィーク」の代わりに、それぞれ「春の大型連休」「秋の大型連休」という言葉を使います。特定の業界の宣伝にならないよう配慮している、というのも理由の一つだそうで。ところで、昔はなかった秋の大型連休が、近年なぜ出現したのでしょう? 「国民の祝日に関する法律(祝日法)」第3条の3で「前日と翌日が祝日の日は休日とする」ということが決まっているんですが、ハッピーマンデー制度により2003年から「敬老の日」が9月の第3月曜日になったため、「秋分の日」が水曜日になった年は火曜が休日となり、大型連休が出現することになりました。前回は2009年(平成21年)だったので6年ぶり。次は11年後の2026年だとか!
 
祝日法の第2条には各祝日についての説明があり、例えば「敬老の日」は『敬老の日 多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。』とされています。では「秋分の日」はどのような説明になっているかご存知ですか? 「『過ごしやすい気候の中で数多い食材に触れ、豊かな自然に感謝する。』とかじゃないの?」 いいえ、この「秋分の日」、以前は「秋季皇霊祭」という祭日でした。それが戦後一旦廃止された後に祝日法で復活したという経緯があり、祝日法第2条では『秋分の日 祖先を敬(うやま)い、亡くなった人々を偲(しの)ぶ。』となっています。そうだ、お墓参りに行かなくては…
 
 
 
 

2015年8月

こんにちは、院長の藤原です。8月を迎え、猛暑日が続いています。この時期は、夜になっても気温が高く寝ている間にかなり汗をかきますので、昼間だけでなく夜寝る前にも水分補給が大切。「寝る前にコップ1杯の水を飲んで…」は実践されている方も多いと思いますが、イオンバランスを保つためのミネラル分が含まれている「スポーツドリンクを1杯」はさらにいいんだとか。ただし飲んだ後は、歯をみがきましょう!
 
自分の若いころの夏というと「海」にまつわるものを多く思い出します。当時は、浜辺でサザンや山下達郎のカセットを聞きながら、肌を濃く焼くためにココナッツの香りのするサンオイルをたっぷり塗って…という、紫外線対策が常識の今では考えられないことをしていました。海に入って泳ぐのはもちろん、浜辺で砂遊びをしたり、磯で生き物を捕まえたり、1年のうちで一番楽しい充実した季節だったかもしれません。
 
この「海」を舞台に活躍する水兵を英語では「sailor(セーラー)」と呼びますが、みなさんは「セーラー」と聞いて何を連想しますか? 「ポパイ・ザ・セーラーマンだ」「月野うさぎことセーラームーンね」「万年筆のメーカーにそんなのあったよ」… 中でも一番なじみのあるのは、日本の女子学生の制服として広く採用されている「セーラー服」でしょうか。セーラー服が世間に認知されたのは、今から150年以上前の1859年。日本はあと10年で明治という14代家茂の時代。イギリス海軍の制服として採用されると、あっという間に世界中に広がり、各国の海軍で制服として着用され、そのかわいらしさから子供服や女性ファッション界で大流行となりました。日本でも明治の末期に京都の平安女学院がワンピース型のセーラー服を制服にしたことから、「女学生の制服=セーラー服」という歴史が始まり、その後、福岡女学院が現代のものとほぼ同じ上下が離れたセパレート型のセーラー服を制服として採用し、日本中に広がっていきました。
 
万年筆といえば「パイロット(水先案内人の意)」というメーカーもありましたっけ。海事関係の用語が万年筆の商標名に付けられたのは偶然でしょうか。実は、船上で航海日誌を記す際、つけペンではインク瓶が船の傾きによって倒れてしまうため、万年筆が船乗りに欠かせない筆記用具であったためなんだそうです。
 
 

2015年7月

こんにちは、院長の藤原です。7月に入り、蒸し暑さが続いています。外を歩いているとじっとり汗をかき、エアコンのきいた建物に入ると大きなため息、の毎日。そしてこれからは、日中の蒸し暑さに加え熱帯夜の日が多くなってきますが、睡眠不足にならないようにしましょう。
 
さて、夏だからこそのお楽しみといえば何と言っても冷えたビール! 特にお父さん方にとっては待ち望んでいた季節ではないでしょうか。近年、発泡酒や第三のビールが登場したり、TVドラマの影響でウイスキーが人気になったりと、ビールの売り上げは減少傾向にあるようですが、今でも乾杯は「とりあえずビール」派が多数を占めます。ところで、ビアホールやビアガーデンでビールを飲んでいるとジョッキで何杯も飲めてしまうのはどうしてなのでしょう。水だったらあんなにガブガブ飲めるはずがありませんよね。これはどうも、アルコールを適度に含んでいるため胃で吸収されてしまうからのようです。水は胃で吸収されないのですぐ満腹になってしまいますが、アルコール度数の低いビールはすぐに吸収され満腹感を感じさせません。ここで飲む際の注意を一つ。ビールのpHは3.0前後ですが、歯の表面のエナメル質はpH5.5で溶け始めます。つまり、むし歯菌がいなくても、ビールが口の中に留まれば、歯は溶けてしまうのです。この原理はビールだけでなく、炭酸飲料、スポーツドリンク、ワイン、酢、柑橘系フルーツジュースも同じ。そして、酸でエナメル質が弱くなったところに、硬いものをこすりつけると、簡単に歯が削れてしまいます。歯のことを考えると、ビールを飲みながらのつまみは柔らかいものがいいということになりますが、はたしてほろ酔いを通り越した状態でそこまで注意できるかというと…
 
「ビールの原料の一つであるホップを栽培している業者にはハゲがいない!」という事実を、林先生はご存知でしょうか。ハゲを治すには男性ホルモンを取り除き女性ホルモンを与えるといいとされていますが、ホップには植物性の卵黄ホルモン(女性ホルモン)が豊富に含まれています。
 
 
 

2015年6月

こんにちは、院長の藤原です。ここ数年、各地で頻発する「観測史上始まって以来の…」というフレーズが繰り返される異常気象。地球温暖化の影響だとも言われていますが、異常なのは気象だけに留まりません。先月には、箱根大涌谷における火山性地震の増加が認められ、鹿児島県桜島の噴火は今年すでに600回を超え、続いて口永良部島新岳が34年ぶりに噴火し、そして小笠原諸島での大きな地震もありました。もともとわが日本は火山や地震などの地殻変動によってできた島国で、自然を畏怖し尊敬し共存してきた歴史がありますが、このところの自然現象を目の当たりにすると、あらためて自然の恐ろしさと人間の無力さをひしひしと感じてしまいます。
 
さて、季節は梅雨。関東は通常今月上旬に梅雨入り、子供の夏休みが始まる頃に梅雨明けということになっていますが、エルニーニョ現象が強まっている今年は遅い梅雨明けとなってしまうのでしょうか。梅雨は日本特有の気候ではなく中国や朝鮮半島にもあります。そもそもこの梅雨という言葉、中国の揚子江周辺で、栽培されている梅の実が熟す季節と長雨の季節がちょうど合致するのでこの時期を「梅雨(ばいう)」と呼んでいたのが江戸時代日本に輸入された、という説があります。そして、日本では長雨で物が腐ったり傷んだりして潰える(ついえる)→潰ゆ(ついゆ、つゆ)ことから、漢字はそのまま「梅雨」で「つゆ」と呼ぶようになったと。
 
梅雨といえばセットで連想するのが紫陽花(あじさい)とカタツムリ。カタツムリの殻をとったらナメクジになるという話が嘘なのは知っていましたが、あの殻は生まれた時からついていて成長に伴い巻き数が増えていく…というのは小学校の時教わりましたっけ。このカタツムリの口の中には「歯舌」という卸金(おろしがね)のような小さい歯がビッシリ並んで生えています。その数、縦60~100列、横100~150列ですので、約10000本! さらに、カタツムリの歯はサメと同じで、ある程度使うと抜け落ち、後から後から新しい歯が生えてくるんです。虫歯や歯周病、親知らずがどうこうという心配をすることはありません…
 
 
 

2015年5月

こんにちは、院長の藤原です。爽やかで気持ちの良いシーズンになりました。お隣りの中央公園ではいろいろな花の色と新緑が眼を楽しませてくれています。ついひと月前に私たちを酔わせた桜前線は北上し、今月は東北の北部や北海道で見頃を迎えそうです。例年だと稚内や釧路は中旬に満開の予定なんですが、先月末の異常な暑さの影響で今年は早まってしまうのでしょうか。
 
さて、こんな風が心地いい季節は、自転車をゆったりとこいでみたくなりませんか。行き先を特に決めず風を感じながらペダルをこげば、車ではついつい見過ごしている町並みや風景を楽しむことができるかもしれません。自分のまわりにも、毎日大学まで片道1時間かけて自転車通勤している友人F、外国にまで自転車を持ち込みサイクリングを楽しむ友人A夫妻、トライアスロンにのめり込み毎日自転車を磨いている後輩M、日本橋から京都三条大橋までの東海道五十三次を折りたたみ自転車で分割走破しようとしているS先輩、高額の自転車を数台所有し奥さんに渋い顔をされている友人Fなど、けっこう愛好家がいることに驚きです。最近では、自転車は「環境にやさしい」「有酸素運動でダイエットにもなる」ということで、その良さが見直されてきました。世界の国々でも、日本の「ママチャリ」人気がうなぎ登り。「値段が安い」ことに加え、「実用的で壊れない」と高く評価されていて、中古品の輸出も増えているようです。なんと呼び名も「ママチャリ」で通用するんだとか!
 
岐阜県飛騨市に、廃線になった鉄道の線路の上を自転車で走る「レールマウンテンバイク ガッタンゴ―!!」というアトラクションが誕生しました。自転車でトンネルの中をくぐったり、渓谷の上にかかった鉄橋を通ったりと、線路ならではの風景を楽しめると大好評。加えて、線路の継ぎ目を通る時には「ガッタンゴットン」という音や振動が体感でき、かなりの臨場感を味わえます。所要時間1時間半程度、電動アシスト付きやチャイルドシートもあるとのことですので、近くに行く機会がありましたらぜひ寄ってみてください。
 
 
 
 

2015年4月

こんにちは、院長の藤原です。桜が咲き入学式・入社式のシーズンがやってきました。すでに新しい学校や職場での新生活を始めた方も多いことでしょう。これから新しい出会いや経験が待っています。学業に、仕事に、期待に夢が膨らんできますよね。新生活が始まるわけではない私も、年度初めには何となく気持ちが引き締まります。気候もさわやかないい季節です。
 
さて、今月8日、将棋ファンにはたまらない「名人戦」が始まります。「名人」は将棋界で最も格式高いタイトル。名人を除いたプロ棋士を5つにランク分けし、一番上のグループ10人総当りによるリーグ戦でその年度の挑戦者を決定。その挑戦者と名人が戦う「名人戦」は各局持ち時間(考える時間)双方9時間の2日制で行われ、先に4勝した方が新たに名人に就く。ということで、七番勝負の決着がつくのは早くて第4局の2日目、5月21日。両者3勝3敗にもつれ込むと決着がつくのは最終局の2日目、6月24日になります。現名人は、将棋を知らない方でも名前は聞いたことがあるかもしれない「羽生善治(はぶよしはる)名人」。約20年前に将棋界の7大タイトルを独占して話題になりました。そして今回の73期挑戦者は「行方尚史(なめかたひさし)八段」。師匠は、名人を18期務めた(1959~1971は13期連続)、あの将棋界の巨人「故大山康晴十五世名人」です。歳は41歳で羽生名人より3つ年下。左利き。19歳で4段プロ入りし「羽生さんに勝っていい女を抱きたい」と抱負を語ったころは、もみあげをさらに伸ばしたスピッツの草野正宗という感じでしたが、近年は攻撃的な棋風そのままの精悍さが出てきました。2年前の「王位戦」では挑戦を退けられましたが、今回はその借りを返せるか。
 
一方、羽生名人は生まれこそ埼玉県所沢ですが、幼稚園の頃から八王子育ち。将棋道場「八王子将棋クラブ」で鍛えられ、初優勝は「第1回小田急将棋まつり小学生大会」というデパート大会でした。 多摩センターにいると親近感がわいてきます。
 
 
 

2015年3月

こんにちは、院長の藤原です。まだまだ寒い日もありますが、確実に春の足音は近づいてきています。このほどNHKの放送文化研究所で、16歳以上の3600人を対象に『今の日本人が好きだと感じているもの』の調査を行いました。その中で、「四季の中で最も好きな季節は?」という質問に、約4割の方が「春」と答えたそうです。春は「過ごしやすい」「新しい生活や新しい出会いが多くありそう」…など、プラスのイメージが多くあるからでしょう。この時期、暖かい日はなぜかウキウキしますよね。四季豊かな日本で生まれたことに改めて感謝です。
 
さて、JRは昨年12月に2015年3月からのダイヤ改正を発表しました。目玉は北陸新幹線の新規開業ですが、一方で寝台特急「北斗星」の廃止も発表されました。昭和の終わり、1988年の青函トンネル開通とともに運行を開始した「北斗星」。人気があるのになぜ廃止?車両の老朽化という事情もあるようですが、来年3月に控えた北海道新幹線の開業が大きな理由のようです。開業まで1年を切り試験運行が多くなったせいで、青函トンネルを新幹線電圧で走れない在来線が運行できなくなってしまいました。 札幌で行われる学会に出席する際は、片道必ず使っていた飛行機嫌いの私にとって、「北斗星」には行きつけの飲み屋のような安心感があります。前日の夕方に上野を出発し、翌日の朝に札幌到着。約16時間の旅は、雲の上と違い数日後の筋肉痛も起こりません。乗るのはいつもB寝台の「ソロ」。ディナータイムのコース料理は予約せず、21時頃オープンのパブタイムにいざ食堂車グランシャリオへ! 23時の閉店までピザ・サラダ・ソーセージなどをつまみに十勝ワインを堪能し、部屋へ帰って爆睡する。
 
定期列車としては廃止となった「北斗星」ですが、8月下旬までは臨時列車として運行されることもあるとのこと。「目を覚ますと車窓には夜明けの北の大地が広がっていた」をできればもう一度…
 
 
 

2015年2月

こんにちは、院長の藤原です。暦の上では春ですが、底冷えのする多摩センターの春はまだまだ遠く感じます。この時期、北海道では札幌雪まつり、秋田では横手のかまくら、山形では樹氷まつりなどが行われる一方、沖縄では桜、四国や九州では梅の開花のニュースが聞こえてきます。厳しい冬をまだまだ感じている地域もあれば、近づく春を感じている地域もあるという、日本列島は長いんだなあと感じる季節です。
 
去年の今頃はロシアのソチで冬季五輪が開催されていましたが、昨年の11月、北海道札幌市が2026年の開催地として立候補を表明しました。札幌といえば1972年(昭和47年)、アジア初の冬季五輪開催地となった都市。『日の丸飛行隊』笠谷の飛んでいる姿がまぶたに浮かびます。もちろんBGMはトワ・エ・モアの「虹と雪のバラード」。この時はスキージャンプ70m級で、日本人が1位から3位まで表彰台を独占するという偉業を成し遂げました。そして今では札幌の交通の要となっているゴムタイヤの「地下鉄南北線」も、オリンピックのおかげでようやく開通。札幌ー真駒内が約20分で結ばれることになりました。
 
その後の日本で行われた冬季五輪といえば、1998年(平成10年)の長野。冬季五輪史上初の2桁のメダル獲得(金5・銀1・銅4)を果たします。こちらは原田選手「船木~!」の絶叫シーンがまぶたに浮かびます。五輪の母国開催というのは、選手にとってとても大きな力になるようです。あの“レジェンド”葛西紀明選手が出場できれば53歳での出場ということになる11年後の冬季五輪。もし開催が札幌に決まれば、再び日本人選手の大活躍間違いなしでしょう。ただ、2018年の開催地が韓国の平昌(ピョンチャン)に決定し、2022年が北京とカザフスタンのアルマトイのアジア2都市で争っている状況で、はたして3回連続アジア開催が認められるのか。
 
さて、オリンピックと歯科、両者で人気の好まれるものとは? 正解は「金」。歯科関係者の治療ではよく使われるのですが患者さんには不評で…
 
 
 

2015年1月

こんにちは、院長の藤原です。いよいよ2015年が始まりました。みなさん今年の新しい目標があると思いますが、何事もスタートが肝心です。今月から張り切っていきましょう!
 
今年の干支は「未(ひつじ)」、そう正確には「乙未(きのとひつじ)」。一般的に羊は穏やかで優しく、少し臆病な動物です。そして集団で生活するイメージがありますよね。羊の群れが牧羊犬に追いかけられるシーンが頭に浮かびませんか。このように群れる習性のある羊は「家族の安泰」や「平和な暮らし」を象徴するとされ、古くから家畜として人間と共に生活してきました。人間は家畜用羊の毛を品種改良し「ウール」として利用し、その肉である「ラム」と「マトン」を食料にしてきましたが、家畜としての役割はそれだけではないそうです。実は、羊の蹄(ひづめ)は「黄金の蹄」と呼ばれています。なぜそのように呼ばれているのかというと、羊を野草地や山に放すと、そこは牧草地へと変わり、やがて肥沃な土地になっていくからなんです。『羊は牛などとは違い牧草を根元からきれいに食べる』→『牧草の種をまきその上を羊が歩くと種が適度な力で踏まれて自然に植え付けられていく』→『羊の尿とフンは栄養満点の天然肥料』→『羊の周りは次第に緑がいっぱいに広がっていく』。このように、羊は自分の力で周囲にも自分にも良い環境を作り出しているのです。見習いたい?!
 
さて、成熟した羊には32本の歯があります。人間の歯も親知らずを含めると32本ですので本数は同じ。ただ羊の上あごには歯が無く、硬い歯ぐきがあるだけです。下あごに8本の前歯と24本の臼歯があり、犬歯はなくスペースのみ。歯が生え揃う4歳になるまでは前歯が年に2本ずつ生えるため、年齢が前歯の数でわかることもあります。平均寿命は10年から12年で20年生きるものもいますが、前歯が齢を重ねるにつれ失われていくと、食べるのが難しくなり健康を損なうため、通常放牧されている羊は4歳を過ぎると徐々に数が減っていくとか。動物にとって、やはり「歯は健康の源」のようです。 それでは本年もよろしくお願いいたします。
 
 
 

2014年12月

こんにちは、院長の藤原です。今年もいろいろな出来事がありましたが、みなさんは何が印象に残っていますか。スポーツ関係では、1月にサッカーの本田がACミラン移籍というビッグニュースがありました。田中マー君もニューヨークヤンキースと契約し2月に入団。そしてこの2月にはソチ五輪があり、羽生結弦がシングルで金メダル、レジェンド葛西がラージヒル個人で銀メダルなどの活躍を見せました。6月~7月にはブラジルでサッカーワールドカップが行われドイツが優勝。9月には錦織圭が全米オープンで準優勝し日本中が湧きました。一時的に早起きが習慣になった方も多いことでしょう。
 
さて、今年もあっという間に12月です。ついこの間年賀状書いたのに、あれからもう1年経っているなんて! 年をとる毎に1年が早く過ぎていくような感覚に襲われますが、この感覚、心理学では「ジャネーの法則」という名前が付いています。19世紀のフランスの心理学者ポール・ジャネー(1823~1899)が提唱したもので、簡単に言うと「人が感じる月日の流れや過去を振り返ったときの時の流れの早さに対する感覚は、若い頃は遅く、年をとるにつれて短く早く感じるようになる」というものです。ジャネーによると、6歳の子供にとっての1年の長さは人生の6分の1なのに比べ、60歳の大人にとっての1年間は人生の60分の1になるため、1年間という時間の感覚が60歳は6歳に比べて10倍早く感じられるんだとか。今現在進行している時間の体感速度はそれほど変わらないのに、過去を振り返った時に感じる時間の長さの印象が違うということらしい。
 
日常の感じられる時間の長さに影響を及ぼす要因はいくつかあります。「楽しい時間はあっという間に過ぎるのに、退屈な時はなかなか時間が進まない」というよくある感覚を引き起こしている主な要因を、時間心理学では「時間経過に対して向けられる注意」であるとし、「時間の経過に注意が向けられる頻度が高いほど時間がより長く感じられる」と説明しています。何と代謝の影響もあるそうで、「代謝が激しいときには長く、逆に落ちているときには短く感じられる」んだそうです。また、感受性が豊かな子どもの頃は新鮮な驚きの連続で時間が長く感じられ、大人になるにつれ新しい感動が少なく早く時が過ぎるように感じられるそうです。ということは、常に新たな事に挑戦したり、新しい刺激を取り入れるようにすれば、少しは時間が長く感じられるようになるのかも。来年は久しぶりに何か新しいことにチャレンジしてみましょうか。 それでは皆様、良いお年をお迎え下さい。
 
 
 

2014年11月

こんにちは、院長の藤原です。私のお気に入り、上の根大通りの紅葉はそろそろ冬仕様に衣替えです。初旬にはまだ幻想的な紅葉が鑑賞できますので、機会がありましたら、是非ご覧になってみてください。クロスガーデンから歩いて十数分のところにある豊ヶ丘南公園付近がベストビューポイントだと思います。
 
それにしても、先月末のハロウィーン騒ぎはすごかったですね。日本では子供だけでなく大人も騒げるとあって、外人もコスプレ! バブルの末期、「ボジョレー・ヌーヴォー(Beaujolais nouveau)」で日本中が(?)盛り上がったのを思い出してしまいました。11月の第3木曜日0:00解禁。日本は日付変更線に近いため世界でも早く味わえる(実はニュージーランドの方が4時間早い)とあって、真夜中の六本木や銀座はワイン好きとお祭り好きでごった返し、テレビはどの局も特集を組み、カウントダウンもあったりして、大晦日のような雰囲気でした。もともとは、フランス東部、ブルゴーニュ地方の南に位置するボジョレー地区で収穫される『ガメイ種』というぶどうの「試飲新酒(ヌーヴォー)」。ブドウを破砕せず房のままタンクに入れ炭酸ガスを注入する「マセラシオン・カルボニック法」という急速発酵の技術を使い、今年の夏の終わりに収穫されたぶどうで作った“買い付け業者用試飲ワイン”なんですが、新し物好き、初物好き、11月イベント無しの日本人にはピッタリはまりました。バブルの崩壊とともに下火になって、その後のポリフェノール赤ワインブームで少し盛り返したか。ただここ数年の報道は寂しい限りです。「ボジョレーのガメイはヌーヴォーでないやつが美味いんだ」とワイン通の友人は言います。「産地が村名の“クリュ・ボジョレー”を一度味わってみろ」とも。
 
仏語でeau は単母音なのでBeaujolaisのカナ表記を「ボジョレ(ー)」とすることが多いようですが、英語読みでは二重母音 /ou/ で発音されるため「ボージョレ(ー)」と表記されることもよくあります。実際の発音はどうなんでしょう。そう、こういう時は『jp.forvo.com』ですよね! ん?ボジョレヌヴォ?
 
 
 

2014年10月

こんにちは、院長の藤原です。少しずつですが夜風が冷たくなり、虫の声が秋を思わせる季節となってきました。この季節の行楽として外せないのが「もみじ(紅葉)狩り」。ただ「もみじ狩り」と言っても「イチゴ狩り」や「ブドウ狩り」のように、紅葉した枝葉を「狩り(採り)」に行ってはいけないのでした(笑)。「もみじ(紅葉)狩り」は広い意味では「紅葉を観る(見る)」こと。狭い意味では、紅葉も黄葉も混じった紅葉(こうよう)を眺め、そのカエデの中に掌みたいな葉をした真紅の紅葉(狭い意味のもみじ)を見つけ感激することなんだそうです。
 
さて今月16日は、「アメリカの学問・教育の父」と呼ばれ辞書の代名詞でもある辞書編修者ノア・ウェブスターの誕生日(1758年)であることから「辞書の日」とされています。昨年、この「辞書の日」を記念し小学館の国語辞典『大辞泉』編集部が「間違った意味で使われる言葉」のランキングを発表しました。テレビや新聞で報じられていましたのでご覧になった方も多いと思いますが、1位を覚えていますか。「間違った意味で使われる言葉 第1位」は、「ハッカー」でした。私は「セキュリティを突破し他人のコンピューターに侵入し悪事を働くやつ」というイメージだったんですが、正式には「コンピューターやインターネットについて深い技術的知識を持っている人」のこと(コンピューターを使って不正行為をする人は「ハッカー」でなく「クラッカー」ですと)。
 
そしてランキングの下を見ていくと、第5位に「姑息」がありました。この言葉のイメージは、皆さんと医療関係者でかなり違うかもしれません。医療においては「姑息的」という言葉がかなりの頻度で出てきます。簡単に言うと「一時的な」という意味で、「根治を目指す(治療)」と対語と言っていいでしょう。咳や高熱などの風邪の症状に対する総合感冒薬の処方が「姑息的治療」の代表です。「そんな姑息なことするなよ」を「ずるい」とか「卑怯な」という意味で使っていたら間違った使い方。医療者から患者さんに対する説明の中で「姑息的治療」という言葉が出てきた時は、「ずるい・卑怯な方法」という意味ではなく「一時的な対症療法」という意味なんだということを知っておかねばなりません。まあ医療者の方も「いや、姑息的と言いましたが、卑怯な方法という意味ではなくてですねぇ」と毎回説明(弁解?)することになるんですが…
 
 
 

2014年9月

こんにちは、院長の藤原です。厳しい暑さがやわらぎ、少しずつ涼やかな季節になってきました。真夏の異常な暑さには困ったものですが、夏の終わりが近づくと毎年何となく寂しい気持ちになってしまいます。
 
暑かった先月後半は、筋萎縮性側策硬化症(ALS)の治療研究を支援するチャリティ運動「アイス・バケツ・チャレンジ」で世界中が盛り上がりました。ALSはホーキング博士やあの徳田虎雄が患っている難病ですが、このチャリティ運動の話題性で、他の難病や貧困・災害などに対する支援にも関心が集まることになったのはいいことでしょう。ただサウナの水風呂さえも苦手の私は、動画を見る度に心臓が締め付けられるような感じが…
 
さて9月の行事といえば「敬老の日」があります。日本には「母の日」のように海外から輸入されてきた記念日もありますが、この「敬老の日」は日本独自の記念日です。外国には老人を敬う記念日がなかなかないんだとか。始まりは今から67年前(昭和22年)の兵庫県野間谷村(現在の多可町八千代区)。当時の野間谷村村長であった門脇政夫さんと助役の山本明さんが、「老人を大切にし年寄りの知恵を借りて村作りをしよう!」ということで、気候が良く農閑期でもある9月15日を「としよりの日」と定め、敬老会を開催。そして、この敬老会が3年後には兵庫県全体で行われるようになり、徐々に全国へ波及。その後、「としよりの日」が「老人の日」に名称変更され、1966年(昭和41年)、「建国記念の日」「体育の日」とともに国民の祝日「敬老の日」となりました。この祝日法改正の4日後にビートルズが来日するんですが、ちなみこの村長さん(門脇政夫さん)、今年2月に98歳でお亡くなりになっています。敬老の日の提唱者にふさわしい長寿ぶりですね。
 
現在、「敬老の日」は2003年からのハッピーマンデー制度により9月の第3月曜日となっていますが、9月15日を「老人の日」(同日から一週間を「老人週間」)として名称を残すことも決まりました。そう、今年の9月15日は祝日の「敬老の日」と「老人の日」がたまたま重なっています。
 
 
 

2014年8月

こんにちは、院長の藤原です。8月に入ってうだるような真夏日が続き、毎日ぐったりしている方も多いのではないでしょうか。「暑いほどビールが美味い!」という意見も多数聞きますが、飲み過ぎで体調など崩さないよう注意しましょう。
 
さて今月は8が「は」と読めることから、歯にまつわる記念日がいくつかあります。昨年紹介した「歯神祭(はがみさい)」もその一つですが、日本臨床矯正歯科医会は「8月8日は8(歯)が並ぶ」ことからこの日を「歯並びの日」とし、現在「第10回ブレーススマイルコンテスト」の写真を募集中です(締切は今月31日)。矯正装置(ブレース)を付けている方、笑顔の写真で応募してみてはいかがでしょう! そのほか語呂からきていると思われる今月の記念日を調べてみると、由緒あるものだけでも、(2日)パンツの日、(3日)蜂蜜の日・ハサミの日、(4日)箸の日・橋の日、(6日)ハムの日、(7日)花の日・鼻の日・バナナの日、(9日)野球の日、(10日)宿の日、(17日)パイナップルの日、(19日)バイクの日・俳句の日、(29日)焼肉の日、(31日)野菜の日、とまあたくさんあることあること。ここで問題。次の記念日は8月何日でしょう?  ①麻雀の日 ②そろばんの日 ③函館夜景の日
 
今年の5月23日に祝日法が改正され、8月11日が「山の日」という祝日になることに決まりました。この日に決まった理由はいろいろ言われていますが、『「八」が山で「11」が樹木を表してるんだ』という説には『あっ、そうなんだ』とうなずいてしまいます。ただカレンダーを見て、「やったー、10日が日曜だから今月も連休だー!」と早とちりしないよう注意しましょう。実際に祝日として休みになるのは2016年からなので、今年と来年の11日はまだ祝日ではありません…
 
【答え】①1日。「牌(パイ)」から。 ②8日。そろばんをはじくと「パチパチ」音がすることから。 ③13日。「夜(8)景(K=トランプの13)」から。
 
 
 

2014年7月

こんにちは、院長の藤原です。ワールドカップはついに決勝トーナメントが始まり、寝不足の方が多いことと思います。日本代表は残念な結果となりましたが、前回優勝のスペインをはじめイングランドやイタリア、そしてポルトガルという優勝候補が予選リーグ敗退という事態にみなさんも驚いたのではないでしょうか。選手では、ネイマールやメッシ、ロッベンが予想通りの活躍をしています。リベリが負傷離脱したフランスではベンゼマが絶好調、ドイツのミューラーも調子が良さそうです。日本戦の後半に出てきたコロンビアの司令塔ハメス・ロドリゲスも “さすが!” というプレーを随所に見せてくれました。が、まだ22才!
 
スペイン人・中南米人に多い「~エス(ez、es)」という名字、「~の子供」と言う意味だそうで、たとえばこのロドリゲスは「ロドリゴの子供」。ボスニア・ヘルツェゴビナなど旧ユーゴスラビアの国々でよく目にする名字「~ビッチ(vic)」も、やはり「~の子供」とか「~出身」の意味があるようです。あのストイコビッチは「ストイコの子供」? オランダに多い「ファン(van)~」も英語の「of」「from」にあたり「~出身」などの意味だそうで、するとファン・デル・ファールトの祖先は「ファールト(運河))出身」なのでしょう。
 
ところで、中継を見ていると、たまに「んっ、空耳か?」と思うような名前の選手が出てきて笑ってしまうことありませんでしたか。過去には「東欧(バルカン)のマラドーナ」と言われた、ルーマニアのハジ(恥)なんて名前の選手がいましたが、今回もいることいること! ブラジルのフッキ(復帰)はJリーグにいたのでおなじみですが、クロアチアの攻撃的MFモドリッチ(戻りっち)、監督のコバチ(小鉢)。オランダのロッベンもフルネームはアリエン(!)・ロッベン。チリの控えFWオレジャーナ(俺じゃーな)。コロンビアの控えFWバッカ(馬鹿)。ギリシャには日本戦で退場になったカツラニス(鬘にす)やコネ。コスタリカのFWサボリオ。スイスのMFジャマイリ(邪魔入り)とシャキリ。エクアドルのDFエラソ(偉そ)。ボスニアのMFスシッチ(寿司っち)。ナイジェリアDFヨボ、MFオビ(帯)、オナジ(同じ)。ポルトガルFWナニ(何)。ガーナMFアツ(暑)、ワカソ(若そ)。米国MFズシ(逗子)。そして、韓国MFハ・デソン(歯で損)…
 
 
 

2014年6月

こんにちは、院長の藤原です。6月は祝日がない上に雨の日も多く気分も沈みがち? 今年はそんなことはありません。そう、いよいよサッカー“ワールドカップブラジル大会"の開幕です! ブラジルは季節も時間も日本と正反対で、時差は12時間。リアルタイムで試合をテレビ観戦するにはかなりの体力が必要です。今年の梅雨時は深夜から早朝にかけてテレビに釘付けとなり、寝不足になってしまう方続出でしょう。自国での戦いということもあり、過去19大会のうち5回優勝しているブラジルが大本命と言われていますが、はたしてどうなるのか。我が日本は決勝トーナメントに進むことができるのか。神風、吹いてくれないでしょうか…
 
ところでみなさんは、ブラジルの国旗、ご存知ですよね。細かいデザインまでは思い出せなくても、緑地に黄色のひし形、中に青い地球儀(プラネタリウム?)…と、何となく思い描けませんか。この国旗、今回のワールドカップでは特に目にする機会が多くなると思いますが、よくよく見るとなかなか凝ったデザインなんです。まず“文字が書かれている"というのが珍しい。ブラジルは南北アメリカ大陸唯一のポルトガル語圏の国。ポルトガル人より多い人口がポルトガル語を話していると言われていますが、国旗の「ORDEM e PROGRESSO 」というポルトガル語の文字は、フランスの哲学者オーギュス・コントの言葉(「(愛を原理とし)秩序を基礎とし進歩を目的とする」)です。旗の中心にある地球のように見える青い円は、革命で共和政になった1889年11月15日8時30分のリオ・デ・ジャネイロ(「1月の川」の意味)の空を表し、青い空の中に描かれている27個の星は26の州と首都「ブラジリア」を意味しています。この星の数は新しい州が増える度に追加されていて、直近では1992年に4つ増えました。星が増えていくところはアメリカの国旗と似ていますが、それぞれの星が象徴する州が厳格に定められているという点がアメリカとは異なります。そこで問題、「ブラジリア」を表しているのはどの星でしょう。「文字の上の大きい星だろ?」 いいえ、正解は一番下の小さい星(南極星)。
 
ブラジル人の血液型は"A型とO型で9割弱を占める"という欧米型です。1500年、大流行した梅毒に強いO型の国民のみが生き残ったとのことで、純粋なブラジル人はO型なんだとか。ところでサッカー日本代表に歴代B型が少ない(あの闘莉王と今回招集された伊野波・柿谷ぐらい?)のはどうして? 野球はけっこうB型いるのに。長嶋も、金田も、野村も、上原も、清原も、野茂も、イチローも、二刀流大谷も、み~んなB型!
 
 
 

2014年5月

こんにちは、院長の藤原です。さわやかな風が心地よい季節になりました。こんな気候の週末は子供を連れて競馬場という馬好きのお父さんがいるかもしれません。入場料は200円、8回綴りで1000円というお得な回数券もあります。緑に囲まれた場所で、子供は馬を間近に見れて大喜び、自分は趣味に没頭で一石二鳥!ということで、天気のいい日は迷子続出…
 
競馬に興味のない方でも今月末に行われる「オークス」や「ダービー」という言葉は聞いたことがあるかと思いますが、これらのレースの正式名称をご存じですか? 正解はそれぞれ「優駿牝馬(ゆうしゅんひんば)」と「東京優駿(とうきょうゆうしゅん)」。「駿」が「足の速い良馬」の意味ですので、「優駿」とは「特に優れた競走馬」、「牝馬」はメス馬のこと。「優駿牝馬」は3歳牝馬だけが出走できるイギリスのオークスステークスをお手本にして設けられたレースなので、「オークス」という副称が付けられています。一方の「東京優駿」は日本で最も古いレース。同じくイギリスのダービーステークスがお手本なので「日本ダービー」という副称が付けられています。こちらは3歳の牡馬(ぼば)牝馬ともに出走しますが、牝馬は前週に行われる「優駿牝馬(オークス)」に出場することが多いため、「東京優駿(日本ダービー)」はどちらかというと牡馬の戦い。両者とも芝2400mという比較的長い距離のレースなので瞬発力とスタミナ両者を兼ね備えた差し馬有利と言われています。血統命(いのち)の友人が飲みながら言うには、芝2400は父方がサンデーサイレンス系(父がディープインパクトなど)でないとダメなんだそうで、「優駿牝馬(オークス)」はHが有力、「東京優駿(日本ダービー)」はTだろうとのことでした。
 
馬は草食動物なので奥歯で食物をすりつぶして食べます。それも1日16時間も食べているため、1年間で2mmほど歯が擦り減ってしまいます。なので、馬の年齢は歯の減り具合で推測できるんだそうです。馬の3歳というと人間では二十歳ぐらいなんですが、ちょうど歯の生え換わり時期にあたります。この生え換わりの痛みで餌を食べなくなる馬がいるため、食欲のない馬がいると調教師は真っ先に歯を見るそうです。餌を満足に食べることができず、本命と言われながら惨敗した馬は数知れず。歯が尖ってくると口の中を傷つけ餌を食べなくなってしまうため、獣医がヤスリで咬み合わせを調整することもしばしば。馬にとっても歯は「食の入り口」「健康の源」。定期的な検診で最善の状態にしておくことが大切なんだそうです。
 
 
 

2014年4月

こんにちは、院長の藤原です。 寒さも緩み、のどかで、うたた寝には最高の季節がやってきました。春と言えば、「春眠暁を覚えず」というのをその昔漢文で習いましたっけ。 ある朝、目を覚ました時ふとこの「春眠…」が頭に浮かびました。 エアコンなどあるはずもない時代です。 冬の間は寒くて寒くて何回も目を覚ましてしまい寝不足状態だった孟浩然(もうこうねん)が、春の訪れとともに朝までよく眠れるようになってきたのがうれしくて詠んだんだろうなあ、てなことを想像しながら再び目を閉じると、この季節、お約束の二度寝ということに…
 
なぜ春にうたた寝が多いのか?どうも気候がいいことだけが理由ではないようで、一説には冬眠から目覚めたために生じる反動なのだとか。 私たち人間は冬の間冬眠こそしませんが、体の方は冬眠モードに入っているのだそうです。 たとえば、冬になると人間の毛細血管は、他の季節の時より収縮しますが、これはエネルギーの消費を抑え、蓄えることで、冬眠に備えようとするものです。 そして、春が来るとそれが解除され、毛細血管が全開になり、エネルギーがどんどん供給・消費されるようになります。 その疲労回復のために、春先は特に居眠りしがちになるのだとういうことです。
 
ところで、晴れた日の電車で座っている人を観察すると、春はスマホよりうたた寝が多いような気がしませんか。 中には、スマホを持ったままうつらうつらしている人もいますが(笑)。 スマホやPCのディスプレーの液晶画面からは覚醒作用のある青色光(ブルーライト)が出ているので、就眠直前まで見ていると、体内時計の役目もある睡眠促進ホルモン「メラトニン」の分泌が抑制されてしまうそうです。するといくら寝ても快眠でなくなってしまい、寝不足になり、昼間に電車で座っているとまた睡魔が襲う、ということに。少なくとも就眠する1時間前には液晶画面を見ないようにする生活習慣が望ましいんだそうですが、う~ん…
 
 
 

2014年3月

こんにちは、院長の藤原です。寒かった2月も終わり、3月を迎えて全国的には少しずつ春の訪れを感じる季節になりました。外で歩いているとうっすらと汗ばんでくるような暖かい日もありますが、多摩センターはといえば、除雪で積み上げられた雪がまだあちこちに残っているありさま。都心とは気温が相当違うんだなあと、ついついその雪をじっと見つめてしまいます。
 
さて3月には「昼と夜の長さが同じ」と言われている祝日「春分の日」があります。実際には大気による屈折などの影響で昼の方が約14分ほど長く、昼夜の差が最小になるのは4日ほど前のようですが… 以前「建国記念の日」が法律では「日にちを政令で定める」特別な祝日だということを取り上げましたが、「春分の日」と「秋分の日」も、日にちが固定されていないというおもしろい祝日です。「春分の日」「秋分の日」は、祝日法で何月何日とはっきり決まっていないのです。そういえば、今年の「春分の日」は3月21日ですが昨年は3月20日でしたよね。祝日としての「春分の日」「秋分の日」、実は、国立天文台のデータから閣議決定され、前年の2月初めの官報に日付が掲載されるんです。例えば、先月初めに出された官報には、2015年の「春分の日」「秋分の日」の日付が掲載されています(今年と同じでした)。逆に、それより前には「春分の日」「秋分の日」が何月何日になるかは「まだ正式には決まっていない」ということになります。「国家の祝日が天文学に基づいて年ごとに決定されている」ことは世界的にみてもかなり珍しいことなんだそうですが、現代の、それも自分の国の祝日の日付が太陽の動きで決められているなんて!
 
ということで、再来年以降の「春分の日」、正式には決まっていないんですが、天文学上の計算で実はかなり先まで予想はついています。この先①2023年までは、西暦を4で割って余りが「0」の年(うるう年)と「1」の年は20日で、余りが「2」の年と「3」の年は21日に。②2024年から2055年までは、余りが「3」の年だけ21日でそれ以外は20日。③2056年から2099年までは、2092年と2096年を除き毎年20日が春分の日になるそうです。で、この2092年と2096年の「春分の日」は何と3月19日になるんだとか。そういえば当院のY先生と歯科衛生士のCさんは3月19日生まれでした。誕生日が祝日になる年が来るかもしれないと教えてあげようかどうしようか…
 
 
 

2014年2月

こんにちは、院長の藤原です。2014年も早や1ヶ月が過ぎてしまいました。今月は暖かな日があったと思えば翌日は急に寒くなったりと、体調管理に気を使う日が続いています。私は例年この時期、どうしても身体が心から温まる温泉が恋しくなってしまうんですが、冬季オリンピックが行われているソチの温泉は「硫黄泉」とのこと。近場だと万座のようなイメージなのでしょうか。
 
さて、何回聞いても忘れてしまう「温泉」の定義。『地面から湧き出した時の温度が25度以上、または定められた物質を1つ以上一定量含んでいる、温水やガス』でどうでしょう。つまり温度が25度以上あればただの水でも温泉(ドイツでは20度以上が温泉)。冷たい水でも温泉の成分を1つでも一定量含んでいれば温泉。地下100m深くなる毎に地熱で水温は約2~3度高まるので、地上で水温15度の水は1000m地点では35~45度になり、どこでも1000m掘れば基準の25度を満たす温泉を掘り当てられることになります。日帰り温泉がドッと増えた背景には、どうも米国での石油掘削現場の深度が2000m級から3000m級になったため使われなくなった掘削機械が中古市場に格安で出回り、温泉掘削業者の手に移ったことがあるようです。「宝探し」から「百発百中」になった掘削の費用は現在、1mにつき6~8万円だとか!
 
ところで、温泉を使った「温度差発電」をご存じですか?昔から使われている技術なんですが、近年再び脚光を浴びています。温泉を使った発電というと、地下から吹き上がる蒸気あるいは地中に注入した水が水蒸気となったものを利用する地熱発電を思い浮かべますが、「温度差発電」は自然に存在する温度差を利用する方式で地熱発電とは異なるマイルドな方法です。代表的なものは二つあり、一つは温泉の熱水で沸点の低い液体を気化させタービンを回す方法。長崎県の小浜温泉をはじめとして各地で実験が重ねられています。もう一つは、別種の金属(あるいは半導体)を接触させ両端を異なる温度にすると発電する装置による方法で、高温にする側に温泉を使います。起電力は小さいようですが、維持管理が楽などのメリットも多く注目されています。熱海の温泉で長期実験が行われ、すでに無線ルーターやLED照明の電力に利用しているそうです。敷布団にこの装置を組み込んで、寝ている間にスマホ充電も夢ではない?!
 
 
 
 

2014年1月

明けましておめでとうございます、院長の藤原です。慌ただしい年末を乗り切って迎えた新年、皆さんはゆっくり過ごされましたか?“新年”という響きはいいもので、今年こそは良い一年になるようにと前向きな気持ちになります。さて今年のイベントはと言えば、もちろん6月から7月にかけてブラジルで開催されるFIFAワールドカップ! ネイマール、メッシ、イニエスタ、リベリー、クリスティアーノロナウド、マリオ・ゴメス、バロテッリ、ロビーニョ、シャビ、スナイデル、ロッベン、エジル…注目する選手を考えただけで目が回りそうです。日本では梅雨の時期、彼らの芸術的なプレーに世界中が酔いしれることになるでしょう。今回はどんなドラマがあるのでしょうか、想像しただけでわくわくしてきます。
 
そして今年のもうひとつ大きなスポーツイベントと言えば、そう2月にロシアのソチ(ロシア語の発音では「ソーチ」?)で開催される冬季五輪。ロシアと言うと寒いイメージがありますが、ソチはロシアの南西部、グルジア国境に近い黒海に面した場所にあり、緯度は札幌と同じくらい、冬の平均気温は東京と同じくらいのそれほど寒くない都市です。夏は海洋性気候のため温暖な黒海沿岸の砂浜で海水浴、冬は車で市街地から数時間のところにある5000m級の山を擁す西カフカース(英語名コーカサス)山脈でスキー、加えて温泉もあるリゾート地で、今年はF1グランプリの開催も決定しているそうです。かつてはスターリンの別荘があり、プーチン大統領も休暇はソチの別荘で過ごすとのことですが、最近ではここに保養に来る海外の著名人も多くなっています。あのベルルスコーニも毎夏訪れているとか。
 
ところで昨年2月15日、西シベリアに隕石が落ちたのを覚えていますか?当時、車載カメラの映像をニュースで何回も流してましたよね。今回の冬季五輪ではこの1周年記念(?)として、落下1年後に当たる2014年2月15日の競技でメダルを獲得した人に、なんと、隕石が入ったメダルを特別に用意しているとの報道があります。該当するのはスピードスケート、クロスカントリー、スキージャンプなど15種目。
 
それでは今年も皆様にとってすばらしい一年でありますように!
 
 
 

2013年12月

こんにちは、院長の藤原です。12月を迎え、ついに今年も残すところあと1ヶ月となりましたが、先月末に流れたアイソン彗星崩壊のニュースには耳を疑いました。双眼鏡を引っ張り出してきて用意していたんですがガッカリ…まさに「女心と彗星」!とても気まぐれで全く動きが読めないことから天文学者の間ではこう言われているようです。「秋の空」だけじゃなかった(笑)。さて、一年の最終日は大晦日。皆さんは大晦日というとどんなイメージがありますか?「除夜の鐘」、「年越しそば」、「紅白歌合戦」などでしょうか。大晦日は「古い年を除き去り、新年を迎える日」という意味から「除日(じょじつ)」と呼ばれますが、その夜が「除夜」。私は「除夜」というと、煩悩の数だけ撞くと言われる「除夜の鐘」が真っ先に頭に浮かぶんですが、じゃあ除夜である年内に108撞くのかと思いきや、多くの寺では107を旧年中に撞き、残りの1つを新年に撞くのだそうです。「年越し」と言いながら年内に食べたほうがいい「年越しそば」とは逆なんですね。
 
さてこの108という数のいわれは諸説あり、『人には“物事や世界を認識する6つの物理的な物=六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)”と、“悟りを開く妨げとなる六つの心理的な物=六塵(色・声・香・味・触・法)”があり、それぞれ好・悪・平の3種類の状態があるので、合計36個。さらにそれらは、過去・現在・未来と3つの時間があるので、×3で108つ』という、なるほどなぁとうならせる説から、いかにも俗説だなぁと思われる『四苦八苦取り払い説』(4×9+8×9=108)まで。また煩悩とは関係のない、『一年の「十二ヶ月」+「二十四節気」+「七十二候」の和で108』とする説などいろいろ。そして、鐘は正式には「梵鐘(ぼんしょう)」と呼ばれますが、この「梵鐘」の上部に付いている突起は「乳(ち)」という名称がついていて、何とこの突起、108あるのだとか。
 
海外でも多数の国で新年を祝う祝賀が催され、人々が集まって音楽を奏でたり花火を打ち上げたりと華やかなようです。対して日本では、普段厳しい修行を積んでいない者の心の乱れや汚れをも除夜の鐘は払い清めてくれるんだ、という信仰が現在まで伝わり、除夜の鐘の儀式となって続いています。梵鐘の澄んだ音は、深夜の冷たい空気と相まって心にしみわたります。今年もまた煩悩に迷った1年になってしまいましたが、除夜の鐘を聞きながら新たな心で新しい年を迎えたいと思います。ただ108で足りるかが…
 
2014年がすばらしい年になりますよう心よりお祈り申し上げます。皆様どうぞよい年をお迎えください。
 
 
 
 

2013年11月

こんにちは、院長の藤原です。日ごとに風が冷たくなり、少しずつ冬の足音が大きくなってきました。寒くなるとどうしても家の外にいる時間が短くなってきてしまいますが、この時期、空は空気が澄んでいて“星を眺める”のには絶好の季節。星座の名前はわからなくても、夜空を見上げているとなぜか気持ちが穏やかになってきて、加山雄三のあの歌をつい口ずさんでしまいます。
 
天体といえば昨年は5月の「金環日食」で盛り上がりましたが、今年2013年は“彗星の当たり年”と言われているのをご存じでしょうか。何と今年は肉眼でも見ることのできる“大きな彗星”が二つも来るんです。まず1つ目の彗星『パンスターズ彗星』は、今年3月~5月頃まで見ることができたのでご覧になった方も多いでしょう。そしてもう1つが、今月29日頃に最も地球に接近すると言われている『アイソン彗星』(国際科学光学ネットワークISONの学者が昨年9月に発見)。宇宙のチリが大気に飛び込み摩擦熱で発光する“流れ星”と違い、彗星は原則的には太陽の周囲を回る天体です(あのハレー彗星は76年周期)。ところがこのアイソン彗星、二度と太陽の方向には帰ってこないため、この彗星が見られるのは今回が歴史上“最初で最後のチャンス!”ということになります。
 
11月下旬には明るさが“満月と同じくらい”にまでなり肉眼でも確認できるようになると予想されていますが、残念なことに、地球に最も接近している頃は高度が下がり、一時日本からは見えなくなってしまいます。が、来月に入ると再び高度が上がり始め、夜明け前の東の空で観測できるということですので、ぜひ肉眼で“尾を引くほうき星”を見てみたいと思います。“ほうき星”と言っても、この“ほうき”の部分、掃除をするどころか実は彗星がばらまいたゴミ…
 
 
 
 

2013年10月

こんにちは、院長の藤原です。見上げる雲は高く、夜になると肌寒さも感じるようになってきました。お隣の中央公園に一歩入れば、木々が秋まっただ中を感じさせてくれます。さて、先月アルゼンチン・ブエノスアイレスで行われたIOC総会において、2020年夏季オリンピック・パラリンピックの東京開催が決まりました。接戦を勝利する決め手となったのは、最終日に行われたプレゼンだと言われています。「日本製品は婚活しない美女」と例えられるように、作るモノはいいのだけど伝えることが大の苦手の日本。しかしこの日のプレゼンは見事でした。中でも滝川クリステルさんの「お・も・て・な・し」のジェスチャーはみなさんも記憶に残っているのではないでしょうか。
会場では「selfless hospitality」と訳されていたようですが、仏語「accueil(アクイユ?)」を使わずあえて日本語で表現することにより、hospitality以上の何か日本的なプラスαをイメージさせるという作戦だったのでしょう。参謀ニック・バレー氏の戦略に脱帽です。
 
ラテン語のservus(奴隷)を語源とするservice (英語のserviceには日本語の「おまけ」や「値引き」の意味がないようで) という言葉があります。語源の通り、受ける方が主で提供する方が従の関係で、「受ける側が欲していることに対して提供する側がいかに対応するか」ということがポイント。このところどこの業界でも話題となっているテーマで、そのノウハウ本は本屋にあふれています。対してhospes(巡礼者の歓待)を語源とするhospitalityは、serviceを越えた対応と言えます。見返りを求めず相手が欲している以上の対応を自然発生的にする、気遣いを影のように行うことで喜びや感動を与えるなどなど。これらを欧米得意のマニュアル化するのは難しいでしょう。伝えることが苦手な国民性ゆえに、日本では相手の心を読んで行動するという文化が育まれてきました。
 
年末12月2日に発表される流行語大賞、今年は激戦必至の様相です。安倍首相の「アベノミクス」か、あまちゃんの「じぇじぇじぇ」か、林先生の「今でしょ!」か、半沢直樹の「倍返しだ!」か、そして滝川クリステルの「お・も・て・な・し」か。大穴は「ふなっしー」ですが…
 
 
 
 

2013年9月

こんにちは、院長の藤原です。蝉の声がいつからかスズムシの鳴き声に変わり、夜風が心地良い季節となると、子供の頃この時期には「お月見」をしていたのを思い出します。縁側や庭先など月の見える場所に月見台を置き、ススキを飾り、お団子をお供えして家族で月を眺めてましたっけ。まさに「三丁目の夕日」か!最近は何年もやった記憶がありませんが、今年はお気に入りの日本酒でいっぱいやりながら、久しぶりにどこかで「お月見」しちゃいましょうか。四季折々の風情を楽しみながら酒をたしなむ…う~ん、たまりません!
 
さて旧暦の8月15日を指す「中秋」(にんべんの付いた「仲秋」は旧暦の8月のこと)と満月を意味する「名月」をくっつけた「中秋の名月」という言葉がありますが、今年は中秋が新暦で9月19日なので「9月19日の満月」ということになります。ちなみに昨年は9月30日でした。旧暦を新暦に直すと毎年「日がずれる」というのはでんでんれたーでもおなじみですが、面白いですよね。この旧暦8月15日の「十五夜お月さん」、実は毎年必ず満月になるとは限らず、年によっては16日あるいは17日の月が満月になることもあるようです。なんと「中秋の名月」が満月になる確率は約40%だとか!公転軌道の関係で、新月から満月までの日数が15日とは限らないためなんだそうですが、じゃあ今年は?というと、一昨年、昨年に続き3年連続で旧暦8月15日が満月の日に当たります!今月19日は安心して(?)南東の空に浮かぶ満月を観賞しましょう。そして、来年は中秋が9月8日ですが、満月になるのは9月9日。厳密に言うと2014年は「中秋の名月」ではなく「仲秋の名月」ということになるのでしょうか?
 
月をじっと見ていると「ウサギが杵(きね)をついている」ように見えるとよく言われます。みなさんはいかがですか。私は仕事の影響か、「大きなペンチで奥歯を抜いている」ように見えるのですが…
 
 
 
 

2013年8月

こんにちは、院長の藤原です。 8月に入りいよいよ夏も本番。 この時期は各地でいろいろなイベントが目白押しですが、歯にまつわるものでは大阪の松原市にある柴籬(しばがき)神社で行われる「歯神祭(はがみさい)」が有名(?)です。 「歯」の語呂から、平成8年8月8日午後8時8分に第一回が行われ、その後毎年8月8日午後8時8分に行われているイベントで、境内には400灯の庭灯が設置され、このローソクの灯りが境内を照らし幻想的な世界を演出するそうです。 この時期大阪に行っている方は一度のぞいてみてはいかがでしょう。
 
さて、夏のイベントと言えば定番はやはり花火大会。 みなさんはもうどちらかの花火大会に行かれましたか。 私は地方の海岸で細々と行われる花火大会をビール片手に砂浜で鑑賞するのが夏の楽しみの一つでして… 眼の前の防波堤から打ち上げられた花火の振動が砂からお腹に伝わってくる、この光と音と振動のコラボがたまりません! そして花火大会でおなじみなのが、「たまや~」「かぎや~」の掛け声。 実はこの掛け声、江戸時代に実在した「玉屋」「鍵屋」という二つの花火業者さんの名前でした。 江戸時代、街での花火は禁止されており、唯一隅田川での花火だけが認められていたそうです。 当時「鍵屋」は、美しい花火を作り出して市場のほとんどを独占していて、隅田川で行われる花火大会では、鍵屋の花火は大人気だったそうです。 その後、鍵屋からのれん分けした「玉屋」が登場。 玉屋はその技術の高さからたちまち人気となり、川開き花火大会ではそれぞれが分かれて打ち合うことに。 そして、この二つの花火業者を応援するために、人々は「たまや~」「かぎや~」と声援を送りました。 残念ながら玉屋は、後に江戸で大火事を起こして追放されてしまうんですが、その掛け声が今なお残っているのは、実力があったのに火事を起こして消えてしまった「玉屋への愛情」を示したものと言われています。 はかないものが大好きな江戸っ子らしいですよね。
 
それにしても先月の隅田川は残念でした。 あの日に限って豪雨にならなくてもいいと思うのですが… 日本で最も古い花火大会は1733年に始まったこの隅田川花火大会。 前年に発生した大飢饉(享保の大飢饉)とコレラの死者を弔うために、両国の川開きに花火を打ちあげたのが始まりと言われています。 ちなみに、この命令を出したのは江戸幕府・八代将軍徳川吉宗。そう、あのマツケン『暴れん坊将軍』!
 
 
 
 

2013年7月

こんにちは、院長の藤原です。 中央公園の蝉時雨もにぎやかに降り注ぐ季節となり、今年もいよいよ夏の到来です。 海開き、夏休み、盆踊り、花火大会… 言葉を聞いただけでもウキウキしてしまいますが、一方でうだるような暑さにうんざりしている方も多いことでしょう。 そんな中、恒例の『クールビズ』が始まりました。 ご存じのように2005年の小泉内閣時代に始まった「室温28度でも快適に過ごすための軽装化キャンペーン」です。 震災後5月から10月末までに拡大され、しかも現在は6月から9月末までを「スーパークールビズ」と銘打ち、さらにカジュアルになりました。 ポロシャツ、アロハシャツ、スニーカーまでもがスーパークールビズでは認められ、何とTシャツ、ジーンズ、サンダルもTPOに応じた節度ある着用に限り(!)可ということになっています。 が、この日本で広く役所や企業のドレスコード(服装規定)になることができるのか…
 
「部屋の温度は何度にする?」と聞かれると「じゃあ28度に」と、私はいつしか「28度」という言葉に洗脳されてしまっているのですが、この「28度」の根拠は、1972年制定の労働安全衛生法事務所衛生基準規則にある「…、室の気温が17度以上28度以下及び相対湿度が40パーセント以上70パーセント以下になるように努めなければならない。」という記述をよりどころにしているそうです。 もともと室温を上げることで二酸化炭素を削減しようという地球温暖化対策として提唱された28度ですが、現在では、「28度では作業効率がかなり低下する」「27度までは衣服の調整でも対応できるが、28度は扇風機で気流を起こすなどの工夫が必要」「幼児や老人、体調不良の人、暑さに慣れていない人は、28度でも湿度が70%を超すようなら熱中症になる恐れがある」とされ、現実的にはもう少し低い温度に設定した方がいいようです。
 
「クールシェア」という「一人一台のエアコンをやめ、涼しい場所をみんなでシェアする」といった取り組みも出てきました。 例えば、クーラーの効いた部屋で家族一緒になって団らんしたり、木陰や水辺で涼をとったり、図書館などの公共施設に行って涼むことも奨励されています。 家族でクロスガーデン多摩に来るのも「クールシェア」(笑)。 この「クールシェア」に賛同する企業・団体などが、地域で気軽に集まって涼むことのできる場所「クールシェアスポット」をネット上で紹介していますので、この夏は自宅のエアコンを消して「クールシェアスポットめぐり」などいかがでしょう!
 
 
 
 

2013年6月

こんにちは、院長の藤原です。 今年は先月末に早くも梅雨入りしましたが、この梅雨のうっとうしさを吹き飛ばす行事といえば! まず、「虫歯予防デー」の4日に行われるWカップアジア最終予選の対オーストラリア戦。 昨年のアウェイでは 1-1 の引き分けでしたが、今回はホーム。 決めて欲しいところです。 そして11日の対イラク戦。 中東でのアウェイは3月のヨルダン戦のようにいろいろなことが起こるので心配している方も多いでしょう。 両戦ともビール片手に応援したいと思います。
 
また16日からカンボジアのプノンペンで開かれる国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で「富士山の世界遺産への登録」が正式に決まる予定です。 ただこれを手放しで喜んでいのかというとそうでもないようで。 世界遺産登録の本来の目的は「不動産の環境保全」なのですが、登録されることで観光地化し、かえって劣化してしまうということがままあるようです。
 
さて、みなさんは「聖地キャンディ」をご存じですか? キャンディといってもお菓子ではなく、インド半島東南の海上にあるスリランカという島国にある都市の名で、同国の仏教の聖地。 そこに何と仏陀の左の犬歯がある寺があり(!)、この寺院や王宮建造物群を含む文化財が「聖地キャンディ」として世界遺産に登録されているんです。 仏陀の歯は4世紀にインドからもたらされ、以後王権の権威の証(あかし)として、王都が移動するたびごとに歯も移動してきました。 現在は最後の王朝の都であるキャンディの寺院に納められ神のように崇拝されています。
 
スリランカは「イギリス領セイロン」と言った方が私より上の年代の方にはわかりやすいかもしれません。 首都もセイロン時代の「コロンボ」から20kmも離れていない「スリジャヤワルダナプラコッテ」という複雑な(?)地名の場所になりました。 「スリ」は「聖なる」とか「輝かしい」という意味で国名にも使われています。 以下「ジャヤワルダナプラ」が「勝利をもたらす街」、そして「コッテ」が元からあるそこの地名のようです。 1985年に首都機能を移転したジャヤワルダナ大統領の名前からきているとも言われてますが、長すぎてとても覚えきれません…
 
 
 
 

2013年5月

こんにちは、院長の藤原です。 風薫るこの季節、我々の業界では秋の10月と並ぶ学会シーズンです。 以前は5月というと毎年必ずどこかの地方学会へ出張し、その土地の食文化を堪能していたんですが、ここ数年はこの時期なかなか時間がとれず学会一覧を見ながらため息ばかり。 (ううっ、いつかあのお店にもう一度…)
 
さて、今月はモールから一歩外に出ると、爽やかな風が肌を撫でていきます。 誰かの言葉ではないですが超気持ちイ~! 視線を上げ空を見れば抜けるような青空、まさに運動会日和、『五月晴れ』という言葉がピッタリ! あれっ? 「サツキバレ」でいいんですよねぇ、「ゴガツバレ」じゃダメなんでしたっけ?
 
明治6年まで使っていた旧暦である天保暦(太陰暦の一つ。「太陰」は「月」の意。)で「五月(サツキ)」といえば、例えば今年だと6月9日~7月7日の29日間を指します(新暦の太陽暦と違い、年によって日が変わる!)。 まさに梅雨時! したがって「五月晴れ(サツキバレ)」は梅雨時の晴れ間だということになります。 同じように「五月雨(サミダレ)」は梅雨時のなかなか止まぬ雨のことで、5月に降る雨ではありませんでした。 「五月蠅い(ウルサイ)」も暖かくなってきたので増えてきたハエではなく、追っ払っても追っ払っても梅雨時なので外に出て行かないハエを疎ましくにらんでの叫び(?)でした。
 
梅雨時の「サツキバレ」に対して、5月の爽やかな青空の広がる晴れを「ゴガツバレ」と分けて表現することもあるそうですが、「サツキバレ」を両者に使ってもまったく問題ないとのこと。 ちなみに気象庁では5月の晴れの方を「さつき晴れ」と言い、6月の晴れ間をそのまま「梅雨の合間の晴れ」と言うことに決めているそうです。 今月来月の天気予報は少し注意して聞いてみましょう!
 
 


 

2013年4月

こんにちは、院長の藤原です。「新年度」を迎え新たなスタートの季節になりました。気候もいいし気分もリフレッシュ!4月と言うと、私と同世代の方はサイモン&ガーファンクル(西洋版コブクロ?)の「4月になれば彼女は(April Come She Will)」を思い出す方が多いと思います。フォークギターをかかえて、イントロのところとか指の先が擦りむけるまで練習しませんでしたか。お子さんをお持ちの方は、「真新しいランドセル」や「ちょっと大きめの制服」でしょうか?
 
さて、この時期になるといつも疑問に思うのが「4月1日生まれは、なぜ早生まれなのか?」ということです。たとえば小学校は4月1日から始まりますが、同じ満6歳でも、どうして4月1日生まれの子は当年就学になり、4月2日以降に生まれた子は翌年就学になるのでしょうか。区切りよく4月生まれの子は皆同学年にしたらいいのではないかと思うのですが。
 
どうも、誕生日前日の午後12:00と誕生日当日の午前0:00との間には大きなギャップがあり(現実には同じですよね)、法律上は「誕生日前日の午後12:00に一つ歳をとる」ということなんですが、これが話ややこしくしているようです。そして、「前日午後12:00になった時点で一つ歳をとったことにする」ことから「前日一つ歳をとった」ことになる場合があり、さらに複雑に。公選法では満20歳になると選挙権が認められていますが、投票日の次の日が20歳の誕生日の人には投票券が送られてくるのをご存じでしょうか。これは誕生日前日に20歳になったことになるためです。
 
国民年金の老齢基礎年金受給資格も、1日生まれの人は前月末日に一つ歳をとっていることになるので当月から発生し、2日生まれの人は次月からということになります。医療関係では老人保健の適用開始時期についても同様です。歳をとると1日生まれの方が2日生まれより得なことが多い?ということで、ある月の2日が出産予定日の場合「先生、1日早くお願いできないでしょうか」と…
 
 
 
 

2013年3月

こんにちは、院長の藤原です。だんだんと寒さが和らぎ春が近づいて来たなあという気候になってきました。例年以上に厳しい寒さが襲った地域もありましたから、暖かな季節の到来は本当に嬉しいものです。さて、そんな3月の行事といえば、女の子の健やかな成長を祈る「ひな祭り」や、恐怖の「ホワイトデー」、そして、女性の平等な社会参加を目指す「国際女性デー」など、何かと女性にまつわるものが並んでいます。この「国際女性デー」は「国際婦人デー」と呼ばれることもあり、日本ではマイナーですが、100年以上前に創設された世界的な記念日なんです(3月8日)。当初は女性に対する差別撤廃を訴えることなどを目的としていましたが、近年では政治色が薄れ、「女性に感謝する日」として男性が女性に花をプレゼントしたり女性同士が称え合う日となっています。
 
昨年の「国際女性デー」に、イギリスの新聞社が「女性が○○するのに最高な国・最低な国ランキング」を調査し発表しました。「女性が生活するのに最高な国」はアイスランドで「最低な国」はイエメンだそうですが、この中で日本は「女性が長生きするのに最高な国」とされています。20世紀初頭には世界的に性差のなかった平均寿命ですが(日本はおおむね男性42年、女性43年でした)、みなさんご存じのように今や日本の女性の平均寿命は87年で男性より7年も長い!なぜこれほどの差がついたのでしょう?生理学的要因(基礎代謝・ホルモン・遺伝子・脳の構造)をはじめとしていろいろな理由があるようですが、男性は喫煙や飲酒・過重な労働・ギャンブル・危険行為などが多く、また過労・ストレス・食生活の乱れからくる生活習慣病に罹りやすく三大死因(ガン、心疾患、脳血管疾患)で亡くなる率が高い、ということが大きく影響していると考えられています。ちなみに、女性の社会進出が進んでいる北欧諸国では、女性の平均寿命の伸びが鈍化し、男性の平均寿命が伸び、男女間の差がだんだん縮まってきました。
 
アフリカの国々は総じて平均寿命が短いのですが、先月行われた東京国際マラソンで上位入賞のほとんどを占めたケニアとエチオピアの平均寿命は…何と55年です!
 
 
 

 

2013年2月

こんにちは、院長の藤原です。都心より約4度気温が低いと言われる多摩地区。モール周辺でも先月積もった雪がまだところどころ残っています。この時期は河津桜&温泉(!)の暖かい伊豆が恋しくなりますが、毎年2月の第2日曜は伊豆半島の中ほどにある「大室山」で山焼きが行われるのをご存じですか?(今年は10日)鎌倉時代から700年も続いている、若草を早く芽生えさせるための伝統行事です。お昼前後に山裾から火が放たれ、30分もしないうちに山全体が真っ黒になっていく姿は壮観というか豪快というか…。大室山が見える場所すべてビュースポットですので、当日近くにいる方は大室山が見える場所に移動して是非一度ご覧になってみてください!私は今年も観れそうにありません。
 
さて、山焼きの次の日11日は祝日です。何の日?と聞かれると、つい「建国記念日でしょ」って答えてしまうんですが…。正しくは「建国記念の日」なんだそうです。かつて2月11日は神武天皇が大和の国を興した日とされ、明治時代から「紀元節」という祝祭日でしたが、戦後廃止となりました。その後この日を「建国記念日」として「紀元節」を復活させようという動きがありましたがなかなか実現せず、1966年(昭和41年)名称に「の」を挿入して「建国記念の日」とし、日付は「別途政令で定める」として、やっとのこと祝日法改正案が成立。『建国された日を祝うのではなく、建国されたという事実そのものを記念する日を設ける』という建前で、『「紀元節」の復活ではありません』ということだったんですが、「各界の有識者から組織される審議会」の答申を受け、結局2月11日とする政令が公布されました。(あらら…)
 
法律で現在定められている国民の祝日は15ありますが、この「建国記念の日」だけが日付を政令で定めた、特別な(?)祝日なのでした。
 
 
 

 

2013年1月

こんにちは、院長の藤原です。新年あけましておめでとうございます!お正月はゆっくり過ごされましたでしょうか?どこかへお出かけになりましたか?まったりと寝正月を決め込んだ方もいらっしゃることでしょう。
 
さて2013年(平成25年)は巳年。じゃあ「干支(えと)」も「巳(み)」かというと…そう、厳密には正しくないんでしたよね。「干支(えと)」とは「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」の組み合わせで60通りあり(偶数同士を順番に組み合わせていくのですべての組み合わせ120通りの半分になります)、2013年の場合、「十干」は「癸(みずのと)」、「十二支」は「巳(み)」なので、今年の「干支」は「癸巳(みずのとみ)」となるのでした。現在は「干支」と言えば「十二支」を指すことが多くなってきましたが、歴史上の大事件の呼び方には正式な「干支」がよく使われます。例えば672年に起きた日本古代最大の内乱は「壬申(じんしん)の乱」、薩摩藩・長州藩らを中核とした新政府軍が勝利した1868年の「戊辰(ぼしん)戦争」、中華民国樹立の引き金となった1911年の「辛亥(しんがい)革命」などなど。阪神甲子園球場の名称も、竣工した1924年(大正13年)の「甲子(きのえね)」が由来となっています。あれっ?寅年じゃなかったんですね~(笑)。「十二支」にネズミ、ウシなどの動物を充てた(タツは想像上の動物ですが)のは、字の読めない人も暦を覚えられるようにとのことだったようです。
 
巳年に充てられた「ヘビ」。脱皮をすることから「死と再生」を連想させ、古来より世界的に信仰の対象となってきました。ギリシャ神話では「ヘビ」は生命力の象徴です。杖に1匹の「ヘビ」の巻きついたモチーフはギリシャ神話に登場する医学神にちなみ「アスクレピオスの杖」と呼ばれ、欧米では医療・医学を象徴し、世界保健機関(WHO)のマークになっています。また、このモチーフは世界各国で救急車の車体に描かれ、軍隊では軍医や衛生兵の徽章にも用いられています。似たモチーフで、杯に1匹の「ヘビ」の巻きついた「ヒュギエイアの杯」と呼ばれるものもありますが、こちらは薬学の象徴です(ヒュギエイアはアスクレピオスの娘)。そして何と世界医師会や日本医師会のマークにも「ヘビ」が使われているんです!日本の救急車にも「アスクレピオスの杖」の描かれたマークが使われていますので、救急車を見かけたら探してみてください。



 

2012年12月

こんにちは、院長の藤原です。 今年のカレンダーも残すところあと一枚…、「師走」という言葉どおり、慌ただしい時期になりました。大人にとっては忙しい12月ですが、子供たちにとっての12月といえば、何といっても『クリスマス』。子供:『サンタさんが来るまで寝ないで待っている…』 親:『寝ない子のところにサンタさんは来てくれないのよ、早く寝なさい!』という定番のやりとりは不滅でしょう。私はクリスマスというと、ユーミンの「恋人がサンタクロース」や「ロッジで待つクリスマス」を聞きながら過ごした80年前後のスキー場のクリスマスを思い出すんですが、みなさんはいかがですか?
 
実は、見ることができないはずのサンタクロース(英語ではサンタクローズだそうで)を、クリスマスイブの夜に追跡している機関があることをご存知でしょうか?それはアメリカとカナダが共同で運営する『北アメリカ航空宇宙防衛司令部(North American Aerospace Defense Command 略して NORADノーラッド)』です。いつもは人工衛星や航空機、ミサイル発射の監視などを行っていますが、このNORADは毎年クリスマスイブに“サンタの行方”を追跡(「NORAD Tracks Santa」)し、なんとインターネット上でその様子を動画で公開しているのです!もちろんこれは“仮想”追跡によるアニメーション。気になるその追跡方法ですが… 『まずはレーダーでサンタが北極を出発したのを確認。トナカイの赤い鼻は赤外線信号を発し、人工衛星がこの熱を感知して居場所を特定。その後、世界中に設置した高速デジタルカメラで動画を配信。 』というユーモア溢れる説明がされています。 日本語を含む8か国語に対応していて、以前は日本の各都市や富士山の上を飛ぶサンタの中継もされたことがありました。現在は『Google Earth』を用いた現在位置のストリーミング(映像や音声などのデータを受信しながら同時に再生を行う方式)を行っていますし、『モバイルGoogleマップ』を使えばスマホからも現在位置を確認できるようになっています。時間がありましたら必要なアプリをダウンロードしイブの夜是非のぞいてみてください。世界を飛び回るサンタの様子をリアルタイムで見ることができます。
 
それでは皆様どうぞ良いお年をお迎え下さい!
 
 
 
 

2012年11月

こんにちは、院長の藤原です。早いもので今年も残すところあと2カ月となりました。落合と豊ヶ丘の間を走る「上之根大通り」の紅葉もまさに見ごろを迎えています。さて今月のイベントと言えば、小さいお子さんがいるご家庭では「七五三」でしょうか。「七五三」といえば千歳飴!という方も多いと思いますが、私の場合、だらだら舐めていてグンニャリ曲がってしまい誰かの髪の毛にくっつけたとか、口にくわえたまま転んでしまい飴と口の中が真っ赤になったことなどのしょーもない思い出ばかりで…
 
「二十八宿」という占いで最良の吉日とされる「鬼宿日」が11月では15日だということで、天和元年11月15日(1681年12月24日)に病弱であった徳川徳松(5代将軍綱吉の長男)の健康を祈って3代将軍家光が袴着の儀式を執り行ったのが「七五三」の始まりとされています。しだいに庶民もこの日に歳祝いをするようになりました。
 
日本では古来より人生の通過儀礼がいくつかあります。現在、高齢では長寿を祝う還暦・古希・喜寿・米寿・白寿などがありますが、「七五三」はその昔、乳幼児のそれまでの生存に感謝し、これからの生存を祈る儀式でした。近世までの日本は現在の開発途上国と同様の状況で、疫病・栄養失調などが原因で乳幼児が成人するまでの生存率がきわめて低かったことから、乳幼児期の節目節目の行事として定着したようです。男児が女児よりも早く祝うのは、医療技術が発達する現代までは女児よりも男児の生存率が低かったためだそうです。
 
このように現在よりも医学が発達していなかった昔は生命もはかなく、七歳までの子供はまだ人としての生命が定まらない「あの世とこの世の境に位置する存在」=「神の子」とされ、「いつでも神様の元へ帰りうる魂」と考えられていました。そして七歳になって初めて社会の一員に。数えで七歳といえば満六歳、ちょうど子供の歯(乳歯)から大人の歯(永久歯)に変わる時期。人として認められると大人の歯が生えてくる!?ということになります…
 
 
 
 

2012年10月

こんにちは、院長の藤原です。ようやく秋の訪れを感じる季節となってきました。鈴虫、秋刀魚…秋の到来を実感させるものはいろいろありますが、イチョウもそのひとつ。街路樹の緑色だったイチョウの葉が黄色に色づく姿を見ると、ああ秋だなあと季節の変わり目を感じます。ということで、今月はイチョウの話題を。
 
イチョウは葉の形がカモ(鴨)の足に似ていることから「鴨脚」と呼ばれ、この「鴨脚」の宋音イーチャオがイチョウという名前の語源だという説が有力だそうです。欧米でイチョウの一般名として使われているginkgoはginkyo(銀杏)からきているそうなのですが、日本では銀杏といったらギンナンすなわちイチョウの実。語源が日本語に由来しているのに、それが今日のわが国では使われていないというのは面白いですよね。
 
さてイチョウと言えば葉を使ったエキスが最近注目されています。雑誌やテレビでもイチョウ葉エキス成分を含んだ健康食品のCMをたびたび眼にしますが、日本では薬事法の関係で効能効果をはっきりうたうことができません。海外に目を向けてみると、イチョウ葉エキスは今から47年も前の1965年にドイツで医薬品として登録されています。現在このドイツをはじめ世界では何と55カ国で医薬品となっているのです(日本はこれらの国にイチョウの葉を輸出しています)。対して、日本においては食品衛生法により一般食品(健康食品)扱い。米国でも医薬品扱いではなく栄養補助食品(Dietary Supplement)として販売されているのですが、日米間には大きな違いがあり、日本の健康食品には許可されていない健康表示(Health claim)がアメリカでは可能です。例えば、アメリカのドラッグストアで販売されているイチョウ葉エキス製品には「脳機能、集中力、記憶および認知力などを改善する」「脳から末梢までの健康な血養循環をつくる」との表示があります。イチョウ葉エキスを長年医薬品として用いてきたヨーロッパ特にドイツやフランスなどでは、イチョウ葉エキス原料の研究が著しい進展を遂げていて、認知症(アルツハイマー型および脳血管性認知症)治療などでの有効性がすでに明らかにされています。
 
わが日本にも「銀杏をつぶして飯粒で練って貼ると歯痛に効く」という言い伝えはあるんですが…
 
 
 
 

2012年9月

こんにちは、院長の藤原です。暑さで寝苦しかった夏も過ぎ、お隣の中央公園ではいろいろな“虫の鳴き声”が聞こえてくるようになってきました。子供の頃キリギリスをかごに入れて飼っていませんでしたか。私はキュウリやナスを毎日欠かさず与えていましたが、どうもあの飼育法はまずかったらしいとわかったのは大人になってから。それらの野菜に含まれる最低限の水分により短期間生存していただけだったようです。秋まで生存させるには穀類や小昆虫といったタンパク源を与えなければなりませんでした。ものの本によるとドッグフードがいいとありますが、当時あったかなあ…
 
英語では“草むらの中で跳ねてる虫”は「グラスホッパー」と呼ばれますが日本ではバッタ、キリギリス、コオロギと大きく3種類に分類されます。ところでみなさんは、バッタ、キリギリス、コオロギをどのように見分けますか?「頭が尖っているのがバッタで、馬面(うまづら)のようなのがキリギリスさ。」「ぶー」「バッタとキリギリスは体が緑色で、茶色がコオロギだろ。」「ぶー」バッタの中でもトノサマバッタやイナゴは頭が尖ってませんし、マツムシやカンタンなど体は緑色ですがじつはコオロギの仲間です。「噛みつくのがバッタで怠けものがキリギリスだ!」「…」
 
昆虫の世界の分類では、超広い意味では3種すべてバッタで(!)、このバッタがバッタとキリギリスに分かれ(触角が体より短いのがバッタで長いのがキリギリス)、キリギリスがさらにキリギリスとコオロギに分かれる(前から見て縦長なのがキリギリスで横長なのがコオロギ)らしいんですが、バッタの分類が詳しく研究されるようになったのはなんと平成に入ってからだそうです。昔はキリギリスもバッタもごっちゃだったようで。
 
日本では古くから誰もが虫の声に耳を傾け風情を感じながら生活をしていますが、欧米では“虫の鳴き声は雑音”と捉えられているそうです。欧米では“虫=害虫”と一括りにされることもあり、虫の鳴き声を意識して聞くという習慣はほとんどないとのこと。また、虫の鳴き声を「りんりん」などの音で表記している国も日本以外あまりないそうなので、虫の声に癒されるという感覚を持っているのは、日本人の特権と言えるのかもしれません。
 
 
 
 

2012年8月

こんにちは、院長の藤原です。毎日暑い日が続きグッタリしてる方も多いことでしょう。また先月27日から今月の12日までは「第30回夏季ロンドンオリンピック」が行われ、日本は全国的な寝不足状態です。ダニー・ボイル氏が総指揮を執った「開会式」はスタジアム全体が映画の撮影現場になったかのようで圧巻でした。開会前は「聖火の最終ランナーは誰?」というのがブックメーカー(賭け屋)の予想の一つになっていて、「プラティニがやったんだからベッカムだろう!」「陸上男子1マイル(約1600メートル)で初めて4分の壁を破ったあの伝説のロジャー・バニスターでないの?」などいろいろな意見が飛んでいましたが、蓋を開けてみると最後に点火する役目を託されたのは過去の有名選手ではなく、英国スポーツ界の明日を担う7人の若手アスリート達でした。
 
フィナーレは大のお気に入りポール・マッカートニーの登場。イントロの「ジ・エンド」から「ヘイ・ジュード」へと進んだところで音がダブってきたので一瞬ヒヤッとしましたが、この”音ズレ”は主催者側の口パク要請(北京は口パクでした)をポールが無視して生演奏を敢行したためらしいとの噂になっています。言われてみれば、「ジ・エンド」の最後の叫び声と口が合っていないような!ただ70歳とは思えない歌唱力に驚いた方も多かったのではないでしょうか。最後に「ハー・マジェスティ」をさらっと歌ってほしかったんですが、そうもいきませんか…
 
「ヘイ・ジュード」は今から44年前の8月にビートルズ18枚目のシングルとしてリリースされました。ジョン・レノンが芸術家オノ・ヨーコに入れ込み当時の妻シンシアとの破局が決定的になった頃、ジョンの長男ジュリアン(当時5歳)を励ますためにポールが作った曲と言われています。歌詞中の「her」は「現実」のことだという説に賛成。ポールのアップで始まる有名なPVでは、終わりの方「then you’ll begin…」のあたりでポールが小声で放送禁止用語を口走ります。ピアノ演奏をトチッたらしいんですが、機会がありましたら観て(聴いて?)みてください。
 
 
 
 

2012年7月

こんにちは、院長の藤原です。夏になると子供の頃やったアサガオ(朝顔)の観察を思い出しませんか。陽が昇ると咲き、陽が沈むとしぼんでしまう、その生態が不思議でなりませんでした。ただ美しい紫やピンクの花弁が夕方しぼんでも、翌朝には元気に花弁を開く姿を見ると、とてもうれしい気分になったものです。クルクルッと巻きつく愛らしいツルや独特な形をした葉っぱを一生懸命観察し、色鉛筆で絵を書きましたっけ。
 
朝顔と言うと私は七夕前後に催される入谷の朝顔市なんですが(聖蹟桜ヶ丘駅西口周辺でも今月7日(土)と8日(日)朝8時から朝顔市があります)みなさんはいかがですか。 「朝顔と言ったら源氏物語でしょーよ」「レミオロメンじゃないの」「英語だとmorning glory!だったら山達だ」「いや竹内まりやだ」「男子用のアレだろ?」
 
朝顔については意外なことがいろいろあります。まず植物の分類では名前と異なりヒルガオ科(サツマイモ属)。夏の風物詩と思いきや、俳句の世界では秋の季語。また熱帯アジア原産の朝顔は日本で品種改良され発達した代表的な園芸植物ですが、もともとは観賞する花として日本に伝わったのではなく、なんと薬として中国から持ち込まれたということをご存じでしょうか。『朝顔の種』は中国では牛を牽(ひ)いて行き交換の謝礼としたことから別名「牽牛子(ケンゴシ)」と呼ばれるほど貴重な薬だったようで、現在も「ケンゴシ末」という名称で便秘薬の成分のひとつとして使われています。日本では奈良時代~平安時代頃は下剤として飲まれていましたが、効き目がとても強く、飲むと嘔吐や血圧低下も伴って「食あたり」のような状態になったそうです。その後、江戸時代になってから観賞用の植物となり、全国各地で栽培が大流行して、様々な品種改良が行なわれ現在に至っています。ということで、その昔万葉集などに登場する「あさがほ」は、やはり朝咲いて夜しぼんでしまう桔梗(ききょう)や木槿(むくげ)のことだったようです。
 
夏の日差し対策「緑のカーテン」。今でこそ実益を兼ねて(!)ゴーヤ全盛ですが、昔は朝顔が定番でした。
 
 
 
 

2012年6月

こんにちは、院長の藤原です。 梅雨入りすると見ごろを迎えるのが紫陽花(あじさい)。 箱根登山鉄道の線路沿いでは今年も6か所が今月中旬からの1ヶ月間、夜の10時までライトアップされます。 時間があればカップ酒片手に昼と夜の紫陽花を満喫し、ついでに温泉も…と夢は膨らんできますが、現実はなかなかそう思い通りにはいきません。 さて、今月は4日が語呂で「虫歯予防デー」、6日「総選挙」と行事が目白押しです(笑)が、10日は何の日かご存知でしょうか?
 
6月10日は今から92年前の1920年(大正9年)に『時の記念日』と定められました。
(疑問その1)なぜ「時の記念日」が設けられたのか?
当時の人は時間にとても大ざっぱだったようで、正午の時報として陸軍省が発射する大砲(通称「お昼のドン」※)に合わせて行動していたと言われています。(※小金井市の「江戸東京たてもの園」に展示されていています) その大砲でさえ時間がずれることしばしばだったとか。 時の文部省はこのような日本人の生活を改善しようという運動を推し進めていました。伊藤博文の息子を会長に据えた外郭団体(生活改善同盟会)を使って「時間をきちんと守り、欧米並みの生活の改善・合理化を図ろう!」と国民に呼びかけ、時間の大切さを広めるために『時の記念日』を設けた、ということだそうです。 当時銀座などの街頭で配られたビラには、今では当たり前(?)の「取引約束の期日を違えぬこと」「集会の時刻に遅れぬ事」、さらに「訪問は予め時間を打ち合わせすること」などが記載されているのですが、その中の一つに「開会の時刻は掛け値をせぬこと」という項目があります。 どういう意味なのでしょう。 遅く来るのを見越して早い時刻を設定するなということか、はたまた株式取引の始値のことか?ご存じの方がいらっしゃいましたら教えてください。
そして(疑問その2)なぜ6月10日が「時の記念日」になったのか?
これは西暦671年6月10日に天智天皇が水時計を用いて日本で初めて時を知らせる鐘を打った、という日本書紀の記述に由来しているそうです。
 
『時の記念日』が設けられてからは、ラジオ等の普及も手伝って、人々の生活は正確な時間の元に行われるようになり現在に至っています。「予約の時間に行ってもいつも待たされるんだけど!」「す、すいません…」
 
 
 

 

2012年5月

こんにちは、院長の藤原です。今月の大イベントは何と言っても22日のスカイツリーオープン!ですが、前日の21日朝にもう一つのイベント「金環日食」があります。

月と太陽が重なる日食には、楕円軌道の月が地球に近付いた時に起こる皆既日食と、遠い時に起こる金環(歯医者でよく聞く「金冠」ではありません)日食があります。皆既日食では辺りがかなり暗くなりますが、金環日食は太陽が指環のような形に見え空は薄暗くなる程度でそれほど暗くはなりません。沖縄で「金環日食」が観れると盛り上がったのは1987年9月23日。あれから25年も経っているんですねぇ…ちなみに、次に日本で金環日食が観れるのは18年後の2030年6月1日。北海道の大部分で観察できるとのことです。皆既日食はさらに5年後の2035年9月2日。中部地方の一部や関東地方の北部で観察できるそうです。

この太陽・月の大きさと距離を、日常生活で実感できるレベルまで縮小してみると、「直径13cmの地球の上から、1.5km先にある直径14mの太陽の手前を、4m先にある直径3.5cmの月が通過するのを見る」ということなんですが、みなさんいかがでしょう、イメージ湧きますか?
 
今回の金環日食は東京では6時半前から9時過ぎまで、メインは7時半過ぎとちょうど子供たちの通学時間にあたります。太陽光線には有害な紫外線・赤外線なども含まれていますので、水晶体の透明度が高い子供たちがじかに見るのは大変危険です。1秒ほど観るだけでも網膜に悪影響を及ぼします。日食時に多くの人が「日食網膜症」になるのは世界のお約束なのですが、子供たちには「日食めがね」などを使いじかに見ないようきつく言っておきましょう。太陽に背を向けつけるのが大切。そしてまわりから入ってくる光線も防げるように段ボールなどで周囲を覆うとさらにいいとのことです。「色がついたプラスティックやサングラス、フィルムの切れ端、すすを付けたガラス板などでは有害光線を防げないので絶対に使わないように!」との指示がいろいろなところから出ていますが、私が子供の頃はみんな当たり前のように濃い色の下敷きをかざして太陽の観察を…
 
 
 
 

2012年4月

こんにちは、院長の藤原です。いよいよ待ちに待った「お花見」シーズン到来ですが、昨年は大震災の直後でそれどころではありませんでしたよね。今年は「桜まつり」が各地で行われているようです。みなさんはどちらかいらっしゃいましたか。また、新年度ということで、新年に立てた抱負が三日坊主になって挫折していた方は、この4月が仕切り直しのチャンス!今度は心を入れ替えて頑張りましょう(笑)。
 
さて、今月末の「4月29日」といえば、私の若かりし頃は「天皇誕生日」という祝日でした。今も「4月29日は何の日?」という話題になると、「え~と、天皇誕生日が何とかの日になって、それがど~なったんだっけ?」という有様。昭和64年(1989)1月7日に昭和天皇が崩御されたことを受けて年号が平成に改まり(小渕官房長官の顔を思い出します)、「4月29日」は「天皇誕生日」でなくなってしまいました。孝明天皇、明治天皇、大正天皇の時代は崩御日が休日となる休日法が存続していましたが、昭和23年に施行された現行の休日法では崩御日が休日となりません。では昭和天皇に因んだ休日はなくなってしまうのか?ゴールデンウィークは短くなってしまうのか…!?
 
当初から誕生日を活かして「昭和記念日」などの名称で新祝日として存続させようというような意見が出ていたようですが、野党の反対によりその案は見送られ、平成元年以降の4月29日は昭和天皇が自然を愛した(植樹をしている写真が新聞によく出ていましたっけ)ことから、「みどりの日」と名称を変えて祝日として存続することになりました(「文化の日」の11月3日は明治天皇の誕生日です)。そして、平成17年に「国民の祝日に関する法律」(祝日法)の改正があり、平成19年(2007)より4月29日は「昭和の日」となったのです。5年前のことでした。
 
では「みどりの日」はなくなってしまったのか?いいえ、ご存じのようにちゃんと5月4日に移動(?)していました。そのため『「国民の休日」が「国民の祝日」になった』ということになるんですが、みなさん意味わかります?
 
 

 

2012年3月

こんにちは、院長の藤原です。『東日本大震災』から丸1年が経ちました。この1年はあまりにも早く、目を閉じると未だあの“凄惨な映像”が昨日のことのように思い浮かんでしまいます。被災地においては、寄付金や義援金等によるボランティアを中心とする復興支援活動が行われてきましたが、今後、長期化する被災地の復興にあたっては、既存の産業の再生・復興のみならず、被災地の自立化を後押しする新たな地域産業の構築や雇用が必要となってきます。そこで出てくるのが「ソーシャルビジネス」。社会的な問題や課題をビジネスの手法で自ら解決し、新たな産業と雇用を創出しようというものです。経産省はこのような動きの普及拡大に向けて、被災地の復興に貢献するソーシャルビジネスの事例27例を取りまとめ、「ソーシャルビジネス・ケースブック(震災復興版)」として1月13日に公表しました。
 
その例のひとつが『復興トマト』。東北地方の沿岸部では、津波によって多くの農家が塩害に苦しめられていましたが、宮城県岩沼市の農家で“塩害土壌改良材”(京都の会社が開発)を使った“トマト栽培”を行ったところ、通常よりも糖度の高いトマトの収穫に成功しました。現在は仙台市、名取市、亘理町、陸前高田市の農家へと拡がり、トマトだけでなくキャベツの栽培も行い30組以上の農家が参加しているそうです。なお、この会社は東北地方での成果を活かし、将来的には海外の砂漠地域への展開も視野に入れているとのこと。サハラ砂漠で日本のトマトが採れる日が来るのでしょうか?
 
医療関係では石巻に医師が患者の自宅や仮設住宅を訪問し診療する在宅医療専門の医療機関が開設されました。看護師や事務スタッフはすべて地元の人材を雇用。医療情報をクラウド化したり ICT(最近はITと言わない!?)を活用した医療者同士のカンファレンスや遠隔医療を取り入れ、医療資源が少ない地方でも医師ができるだけ患者と向き合う時間を増やそうという取り組みを行っています。これは来るべき高齢化社会の課題を解決するための、被災地のみならず全国の地域へ応用可能な医療モデルだと思います。被災地復興のためのビジネスが、今までなかった新たな産業として花開こうとしています。
 
 
 
 

2012年2月

こんにちは、院長の藤原です。まだまだ寒さ厳しい毎日ですが、皆様はいかがお過ごしですか。さて、今月3日は『節分』です。節分というと私はイコール“豆まき”。「鬼は外、福は内」と叫びながら庭や部屋に豆をまく。部屋にまかれた豆は争って拾いほおばる。しばらくするとお腹がパンパンに張ってくる(笑)。そんな記憶が蘇ってきます。
 
『節分』本来の意味は“季節の節目”ですので、立春・立夏・立秋・立冬の前の日はみな節分ということになります。ただその中でも特に立春は1年の初めと考えられることから、次第に「節分」といえば春の節分を指すものとなってきました。そして立春を新年と考えれば節分は大晦日にあたり、平安時代あたりから宮中や全国各地の社寺では前年の邪気を追い払うための行事が行われるようになります。その一つが「豆まき」。豆は「魔滅」に通じ、鬼に豆をぶつけることにより、邪気を追い払い、一年の無病息災を願うという意味合いがあるようです。
 
「あれ、今年はうるう年なのに何で節分が2月3日なんだ?子供の頃は確かうるう年の節分は2月4日じゃなかったっけ?」と疑問がわき調べてみると、何と1984年(昭和59年)まではやはり「うるう年の節分は2月4日」だったのでした。そして翌1985年から現在までは「節分は2月3日」です。ではこれから先もずっと2月3日なのでしょうか?これも調べてみると、節分が必ず2月3日なのはあと10年ほどで、その先は「うるう年の翌年の節分は2月2日」になるとのこと。立春の日付自体が天体の運行に基づいているためなんだそうですが、2090年頃には「うるう年だけが2月3日でそれ以外の年は2月2日」になるんですって!まっ、関係ありませんけど(笑)。
 
 
 
 

2012年1月

新年あけましておめでとうございます。院長の藤原です。お正月は楽しまれましたか?昨年は日本にとって大変な1年となってしまいましたが、2012年はなんとか楽しい年にしたいものです。
 
さて今年の催しものといえば、まず5月22日(予定)の『東京スカイツリー』オープンでしょうか。工事中のスカイツリーを生でご覧になった方も多くいらっしゃると思います。現在はすでに高さ634メートルに到達し、自立式鉄塔として世界一の高さになりました。私は高所恐怖症ですので一生登ることはありませんが、もし登ってきたら感想は是非聞かせてください。また、7月27日~8月12日にはイギリスのロンドンで『第30回夏季オリンピック』が行われます。ロンドンでは過去2度オリンピックが行われていますが、同じ都市で3度目の開催はオリンピック史上初。2度目の1948年は戦後初のオリンピックで日本は不参加でした。
 
そして今年はもしかしたら今世紀最大の天体ショー『ベテルギウスの“超新星爆発”』を見ることができるかもしれないという、天文オタクにはたまらない話題もあります。「べテルギウス」は冬の星座“オリオン座”の向かって左上の肩の位置にある星で、地球から640光年もの彼方にあり、直径はなんと太陽の1000倍!近年の観測結果によると、この星はもう寿命を迎えていて、いつ爆発して消えて無くなってもおかしくないのだそうです。実際、今見ているこの星の光は640年前のものですから、今この瞬間にはもう爆発しているのかもしれません。この大きな星が超新星爆発を起こすと地球に影響はないのでしょうか?一説には『爆発した瞬間は空が輝き、少なくとも2週間はもうひとつ太陽が空に現れたような感じになる』とか。なんかワクワクしてきますが、こういった星の爆発を地上よりも数時間前に捉えることができるのは、地球上で唯一(!)、わが日本にある『スーパーカミオカンデ(※)』というニュートリノを観測する巨大装置だけなんだそうです。(※2002年に小柴昌俊東大特別名誉教授が超新星爆発で生じたニュートリノを検出しノーベル物理学賞を受賞する元となった『カミオカンデ』の後継機種で、 名称は『超』+『神岡(岐阜県飛騨市神岡町の神岡鉱山内にある)』+『Neutrino Detection Experiment(ニュートリノ検出実験) あるいは  Nucleon Decay Experiment(核子崩壊実験)』の略。)それでは、2012年が皆様にとってワクワクするような1年でありますように!
 
 
 
 
 
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